暴龍乃決意‐三魔獣怪獣島襲撃‐
???「ちょっと待った!」
ウルフォス、イーブルス、ホーエンス『『『!?』』』
アンギラス、ルシカ「「フ、フレア!?」」
・・・と、そこへ唐突に空からアンギラスとルシカの元に降りて来たのは、フレアであった。
まだ配達の都合で怪獣島にいない筈の彼の登場に、アンギラスとルシカも驚きが隠せない。
フレア「アンギラス、ルシカ、大丈夫?」
アンギラス「大丈夫・・・って言うか、なんでフレアがここに?」
フレア「今日は早めに配達が終わって、岩屋村にも寄らずに真っ直ぐ怪獣島に帰ろうと思ったんだけど、それは正しかったみたいだ・・・僕も協力するよ。」
ルシカ「あんた、いつもはなるべく戦いを避けてるのに・・・どうして?」
フレア「それは・・・きっと今、この時にキミ達と一緒に戦わないといけないから・・・そんな気がする。」
ルシカ「運命の巡り合わせ、ってワケね・・・もしかしたら邪道かもしれないけど、今はアタイ達が護国聖獣だ!」
アンギラス「そうだ・・・!やろう!オイラ達は、『新生護国聖獣』!オイラ達が、この島を守るんだ!!」
アンギラス、ルシカ、フレアはハイタッチをし合って互いの信頼と絆を確かめ、即席の・・・だが、強い決意と意思で結ばれたチームを結成。
王が不在の怪獣島を守る、新生護国聖獣の誕生だ。
ウルフォス『いや、何こっち無視して盛り上がってんの?と言うか、お前誰?』
フレア「僕の名前はフレア。またの名を、バラン。三対二は不公平だから、参戦させて貰ったよ。」
ホーエンス『バラン、だと・・・!?某が戦ったバランと、全く違うぞ・・・!』
イーブルス『プレミアだか何だか知らないけどな、お前偽者なんじゃないのか?』
フレア「違う!僕は岩屋村の山神・バラダギのバランだ!」
イーブルス『はっ?バラバラ?お前、幾つ名前持ってんだっ!はっきりしろよっ!』
ウルフォス『フレアにバラダギにバランだから。今さっき言った事くらい覚えろよ、鳥頭。』
イーブルス『うるせっ!!名前くらい、一つに統一しとけっ!!』
ホーエンス『・・・まだ事情が全て飲み込めないが、間違い無い事・・・それは、お主は某が倒すべき宿敵だと言う事・・・!』
ウルフォス『そんな当たり前の事、言わなくても分かるから。誰だろうと自分達の邪魔をするなら、お前を殺す。』
フレア「宿敵だとか、僕には関係無い・・・今の、アンギラスとルシカが一緒にいる僕なら、キミ達に戦って勝てる・・・そんな気がする!」
ルシカ「・・・てめぇら、さっきはアタイに色々好き勝手してくれたな!この落とし前、何倍にして返してやるから覚悟しやがれ!」
アンギラス「オイラ達はお前らなんかに、絶対負けないっ!新生護国聖獣、行くぞおおおおおっ!!」
新生護国聖獣と三魔獣は、同時に攻撃を開始した。
イーブルスは飛翔してルシカへ羽根ミサイルを撃ち、ホーエンスは波動をフレアへ放ち、ウルフォスはアンギラスへ突撃する。
ルシカ「やっぱそう来やがったな!くらえ、火炎放射ぁ!!」
フレア「厄介な攻撃だけど、当たらなければどうって事は無い!ニシ・オマン(空・行く)!」
アンギラス「突撃してくるってなら、オイラも突撃で勝負だ!暴龍怪球、烈弾っ!!」
一方、ルシカは右手から火炎を放射して羽根ミサイルを燃やし、フレアはアイヌ語を叫びながら風を身にまとって飛び上がり、アンギラスは怪球状態になってウルフォスに向かって行く。
イーブルス『なにっ!?私の羽根がっ・・・ならっ!!』
ホーエンス『回避が得意か・・・これは厄介だな・・・!』
ウルフォス『真っ向勝負ってわけ?悪いけど、今の主じゃ自分の突撃には勝てないよ?』
アンギラス「やってみないと分かんないだろ!オイラはお前に、絶対勝つ!」
ルシカ「羽根を飛ばしたら、次は飛び蹴り!やっぱてめぇはワンパターンだな!」
フレア「ルシカ、サポートするよ!熱風よ・・・チュプ・レラ(太陽・風)!」
ルシカの予想通り、羽根ミサイルを燃やされるや続けて飛び蹴りをルシカへ放つイーブルス。
ルシカは両足を加熱させるとジャンプしてイーブルスへ向かい、フレアが右手から出した熱風をルシカの足に当て、スピードと威力を上げる。
ルシカ「ありがとな、フレア!タイマン勝負なら、てめぇの技なんてお見通しだぁ!!」
イーブルス『なっ!?』
ルシカ「まずはアタイの首を絞めやがった、てめぇに倍返しだ!!これでもくらっとけええっ!!」
イーブルス『ぐぎゃああああっ!!』
ルシカはイーブルスの蹴りが当たる寸前に体を捻って蹴りをかわし、その刹那に回し蹴りをイーブルスの横腹に浴びせた。
まともに蹴りを受けたイーブルスは情けない悲鳴を上げながら、砂浜に落下する。
ウルフォス『くっ!自分が、押し負けてるっ・・・!?』
アンギラス「だから言っただろ・・・!オイラは、お前らなんかに・・・負けないって!!」
ウルフォス『うっ、がああああ!!』
アンギラスとウルフォスの突撃対決も、アンギラスの勝利に終わった。
力負けしたウルフォスは弾き飛ばされ、怪球状態から戻ったアンギラスは再度ウルフォスに向かって行く。
フレア「今度はキミをサポートするよ、アンギラス!寒風よ・・・メアン・レラ(寒い・風)!」
アンギラス「ありがとう、フレア!もう一撃、くらえええええっ!!」
ウルフォス『えっ?こんな技知らないって、うぐあああああっ!!』
アンギラスは力強く体を一回転させ、フレアが左手から出した寒風を受けた尾を勢い良くウルフォスの腹にぶつけた。
皮膚が固くない部分のある腹はウルフォスの弱点であり、ウルフォスは抵抗出来ずに再び宙を舞う。