暴龍乃決意‐三魔獣怪獣島襲撃‐







アンギラスーー・・・そうだ、違う。
あいつらの言う強さなんて、本当の強さじゃない・・・!
兄貴は言ってくれた・・・オイラの強さは、 この身を擲ってでも大切な何かを守る意思の強さだって・・・
憎しみを捨てて、一緒に戦い続けて・・・怪獣の王に相応しいって、心から思い慕った兄貴の・・・ゴジラの盾になるって、オイラは誓ったんだ!
そんなオイラだから、ルシカはオイラを好きになってくれたんだ・・・!






ルシカ『聞いたよ、キングギドラとガイガンを追い払った時の事。あんた、いつもはゴジラさんの腰巾着みたいだけど・・・ワイルドで強いとこもあるんだよね。
アタイは、そんなワイルドなあんたも、いつものあんたも・・・好きだよ。』






ーーだから・・・オイラは、キミが好きな・・・!ゴジラの兄貴が認めてくれた、オイラになる!
もう迷わない・・・オイラは・・・!


アンギラス「・・・オイラはゴジラの兄貴を、ルシカを・・・!
みんなを守る『暴龍』の、アンギラスだあァァァァァ!!」



するとその時、アンギラスの絶叫と共に背中の全ての棘が発射され、波動をはね除け力強く三魔獣へと向かって行った。



ホーエンス『何だ、あの技は・・・むあっ!』
ウルフォス『なに?って、ぐあっ!』
イーブルス『なんだとっ!?う、うわあっ!!』



棘は上手くルシカには当たらずに三魔獣の全身を攻撃し、イーブルスが力を緩めた隙にルシカは余力を振り絞ってイーブルスの手をマグマの如き温度にまで高めた足で蹴り上げ、首絞めから脱した。



イーブルス『あつっ!!ってか、いってええぇっ!!』
ルシカ「っ、はああっ・・・はあっ・・・もうすこしで、しぬ・・・とこ、だった・・・」
ウルフォス『逃がすかよ、裏切り者。今度は自分が・・・』
アンギラス「どけえええええええっ!!」
ウルフォス、イーブルス、ホーエンス『『『ぐわあああっ!!』』』



必死に呼吸を再開させ、息も絶え絶えながら三魔獣から離れようとするルシカをウルフォスが追い討とうとするが、アンギラスはさながらアルマジロのように体を丸めて球状になり、その身を武器として三魔獣に特攻した。
アンギラスの必殺技、「暴龍怪球烈弾(アンギラスボール)」だ。
三魔獣の知るアンギラスも使っていた技だが、それでも計り知れない勢いを持ったこの技を回避する事は出来ず、三魔獣は先程のルシカのように宙に舞い、砂浜に叩き付けられた。



アンギラス「ルシカ、大丈夫!?」
ルシカ「アンギラス・・・私を、助けてくれたの・・・?」
アンギラス「当たり前だ!キミが死ぬのも、キミを置いて逃げるのも・・・オイラはまっぴらごめんだ・・・!」
ルシカ「・・・あんたなら、そう言うかなって・・・ちょっと思った。」
アンギラス「ごめん、ルシカ・・・オイラがあの時迷ったりしなかったら・・・キミがこんな酷い目に遭う事なんて、無かったのに・・・!」
ルシカ「もう、せっかくカッコよかったのに・・・ほら、メソメソしない!私は私の意思で、あいつらにケンカ売ったんだ・・・あんたが気にする事なんて、ないよ。」
アンギラス「・・・分かった。でも、大丈夫・・・!オイラがキミを、絶対守るから!」



そう言ってルシカの前に立ち、右手を上げてルシカを守る体勢を取る、何者にも屈しない意思が宿ったアンギラスの眼には、再び起き上がる三魔獣の姿が見えていた。



ウルフォス『主、どういうつもり?まだ自分達を試してるの?それとも、本気で自分達の敵になる気?』
アンギラス「ああ、そうだ!オイラは、お前らを許さない・・・!お前らと因縁があろうがなかろうが、オイラはお前らと戦う!」
イーブルス『し、正気ですか!主っ!我ら三魔獣よりも、その裏切り者を庇うと言うんですかっ!?』
アンギラス「ルシカは裏切り者じゃない・・・オイラの、大切な怪獣(ヒト)だ!!また酷い事をするってなら、オイラは容赦しないぞ!!」
ルシカ「・・・もう、アンギラスったら・・・!」
ホーエンス『まさか、某も知らない技を使って来るとは・・・これも、人間に転生した影響なのか?なら余計に、主には思い出して貰わなければ・・・』
アンギラス「オイラが思い出したのは、兄貴とルシカとの忘れちゃいけない思い出だけだ!まだオイラを大魔獣とか言うなら、分かるまで戦ってやる!」
ウルフォス『なんか、自分も主じゃない気がして来た。見ててイライラするし、本気でやろうかな?』
イーブルス『容赦しないと言うなら、我らも容赦無しでさせて頂きましょうっ!ついでに、私への御仕置きも無かったと言う事でっ!!』
ホーエンス『荒療治ですが・・・これも、我らの覇道の為・・・!暴龍様、覚悟・・・』
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好釦