暴龍乃決意‐三魔獣怪獣島襲撃‐







ウルフォス『ゴジラの兄貴?主、もしかしてゴジラなんかに恭順しているんですか?』
イーブルス『なんですとっ!?鳥頭の私が言うのも何ですが、それはいくら何でも物忘れをし過ぎかとっ!』
ホーエンス『これは・・・やはり主もあれからゴジラに破れ、またも倒されないように服従を強いられているのか・・・』
アンギラス「お前ら、今度は兄貴まで馬鹿にする気か!オイラは兄貴の一番弟子だけど、服従なんてしてない!兄貴の仲間として兄貴と色んな戦いを乗り越えて、噛ませ犬とか言われてもオイラの意思で一緒にいるんだよ!そんな兄貴を馬鹿にするってなら、絶対に許さないぞ!」



怪獣島では、「ゴジラ」を中傷する三魔獣にアンギラスが怒りの形相を示していた。
だが皮肉にも、怒るアンギラスの姿はますます三魔獣の知る「アンギラス」に近付いてしまっていた。



イーブルス『うおっ、この恐さは私も忘れまい・・・怒る主と瓜二つだっ!』
ウルフォス『主こそ、まだ自分達を試しているならそれこそ馬鹿にしないで下さいよ。ゴジラは自分の事を殺し、我らの使命の邪魔をした憎むべき存在ですよ?』
アンギラス「それがおかしいんだろ!兄貴は強くて立派でかっこいい、オイラ達怪獣の王なんだ!顔も名前も知らないお前らが、兄貴を悪く言うなっ!」
イーブルス『ほらっ、お前が馬鹿って言うから更に怒ったぞ、ウルフォス。主もバルゴンの様に、「馬鹿」と言われると怒る方だったんだよっ・・・!』
ウルフォス『そうだっけ?』
ホーエンス『我らは主を侮辱した事は無い以上、バカとアホの壁があるかは分からないが・・・もしも、主がゴジラへの恐怖心から自我までも封じているのならば、目覚めて貰わなければ・・・「大魔獣」として。ウルフォス、イーブルス、我らも玉砕する覚悟で主に言うんだ・・・ゴジラに従ってはならない事を・・・!』
ウルフォス『分かったよ、ホーエンス。
主、我等の怨敵たるゴジラの噛ませ犬に甘んじたり、こき使われる日々はうんざりではないですか?そんな存在で、果たして本当に強いと言えるのですか?』
イーブルス『本当のアンギラス様は、誰よりも強き存在っ!だがゴジラに従っていては、いつまでも弱いままっ!!」
ホーエンス『今こそ真の「暴龍」となり、ゴジラを超える時なのです・・・!主よ・・・!』



三魔獣が発する、アンギラスへの無責任な期待の言葉。
当然、ただの勘違いの果ての言葉なのでアンギラスが動じる事は無い・・・



アンギラス「・・・!」



と、思われたのも束の間。
アンギラスの心に、三魔獣の言葉が届きそうになっていたのだ。
理由はゴジラ・レッドが今この島にいない事と、もう一つ・・・彼の父親・先代アンギラスを殺した、彼にとって真の怨敵である二代目ゴジラの立ち位置と宿命を受け継いだ男・・・ゴジラ・レッドを憎んでいた頃の事を思い出していたからであった。






アンギラス『・・・お前が、ゴジラ・レッドだな?このバンダナを巻いてた・・・オイラの父ちゃんを殺した、あの憎っくきゴジラの生まれ変わりの・・・!』
ゴジラ・レッド『ちょっと違うが・・・まぁ、似たようなもんか。オレに何の用だ?』
アンギラス『決まってるだろ・・・お前に復讐しに来たんだよ!!よくも、父ちゃんを殺したな!父ちゃんはただ、新天地を目指してただけなんだぞ!それを、お前は・・・!』
ゴジラ・レッド『・・・アイツとやったのは、命懸けの縄張り争い・・・「死闘」だ。決闘とか試合とか、そんな生易しいやつじゃねぇ・・・獣の本能のままに、相手の息の根を止めるまでやり合う「殺し合い」をな。アイツはオレの居場所を奪おうとして、アイツが負けた。それだけの話だ。』
アンギラス『ふ、ふざけんな!!人の親を殺しときながら、それだけの話で済むわけないだろ!!お前も同じ事をされたら・・・オイラと同じ感情を持って・・・!オイラと同じ事を考える!!』
ゴジラ・レッド『・・・だから、復讐か?いいぜ、来いよ・・・オレが全部受け止めてやるからよ!』
アンギラス『なら・・・!覚悟しろ!
死ねぇ!!ゴジラァァァァァ!!』
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好釦