レガ母蘇・愛の物語「暇を持て余した神々の遊び」
2019年・6月。
UW・髑髏島、砂浜・・・
レガシィ『よ~しっ!じゃあ誰が一番電流を遠くまで飛ばせるか、サイコバルチャーチャレンジだ~っ♪』
ナハト、テルマー『『おー!!』』
サイコバルチャー『『『コッカッコッカッ・・・』』』
レガシィ『せ~の、の後にサイコバルチャー君の羽根をキュッ、って引っ張るんだよ~?可哀想だからそのままちぎらないように、バファリンの半分くらい優しく・・・さっ、しっかり持って~?』
ナハト『こら、あばれるなよっ!おとなしく、しろ~!!』
テルマー『どうどう・・・』
コング「・・・」
レガシィ『準備はオケオケオッケーかな?それじゃ、せ~のっ!!』
ナハト『てえええい!!』
テルマー『えいっ!』
サイコバルチャー『『『コッカッコッカッコッ、カーーーーーッ!!』』』
ナハト『あっ!ボクちんのかち!!』
テルマー『ううん、テルマーのほうがいっぱいとんでた!』
ナハト『ちがうよ!!テルマーよりボクちんのほうがい~~~っぱいとんでたよ!!』
テルマー『テルマーが、ナハトよりたっくさんとんでたもん!』
ナハト『ボクちん!!』
テルマー『テルマー!』
レガシィ『はいはい、ケンカはそ・れ・ま・で!ナハくんもルーたんも一緒くらいだったんだから、もう一回やればい~じゃん!どっちもすげ~じゃん?それでもケンカを続けるなら・・・ボクちゃん、泣いちゃうかもぉ・・・』
ナハト、テルマー『『ダディ、ごめんなさい・・・』』
レガシィ『それでよろしい☆いやぁ~、それにしてもいい水平線だねぇ~。ここからこんなにいい水平線が見れる日が来るなんて、夢にも思わなかったよ~。ほらほら、ナハくんとルーたんもよ~く見とくんだよ~!』
ナハト『あおーーーーーいっ!!』
テルマー『ひろ~~~い!』
コング「それは、誰の仕業だと思っている。」
レガシィ『あっ、誰かと思えば「招集」を舌打ち一つでサボったボーちゃんだっ!』
ナハト、テルマー『『ボーさん!』』
コング「子供にまでその呼び方をさせるのは止めろ。それからオレはサボったんじゃない、断っただけだ。」
レガシィ『無断で休む事を、サボりって言うんだよ~?せっかくボクちゃんが髑髏島から出られるようにしてあげたのに、ボーちゃんったら久々に出て来たスカルクローラーの相手にぞっこんだし・・・』
テルマー『ぞっこん?』
ナハト『ボーさんのすきなひと~?』
コング「違う。憎っくき相手だ。オレが鎮圧に動かなければ、この島はまた奴等に蹂躙されていた。あの時、バラナス・ドラゴンと地下へ追放した残党がまた現れたとあっては、見過ごすわけにはいかない。」
レガシィ『じゃあ、その後でも「偽りの王」共にご挨拶に行ってくれても良かったんじゃないの?キミが地団駄踏んでる間に、レジェっちの王位戴冠式の出汁(ダシ)になっちゃったんだよ?』
コング「オレは最初(ハナ)から、『偽りの王』共もゴジラ・レジェンドも『王』となぞ認めてはいない。勝手に冠を奪い合っていればいい。」
レガシィ『え~っ、まだそんな事言ってるの?ボクちゃん、別にレジェっちだって好きだし、キミの髑髏島LOVEな所も分かるけど・・・ボクちゃんはボーちゃんこそが、怪獣(タイタンズ)の「王」に相応しいって思ってるんだよ?だからいい加減、地元を出て都会デビューしなきゃだよ~!ナハくんとルーたんも、ボーちゃんにはグローバル化して欲しいよね?』
ナハト『ボクちん、ダディさんせ~い!ボーさん、すっごくつよいもん!ボクちんも、ボーさんみたいになりたいなっ!』
テルマー『テルマーも、もっとみんながボーさんをすきになってほしい・・・!』
コング「説得に子供を使うな。お前の事だ、誰でもいいから「偽りの王」達を倒して欲しかっただけだろう?オレは気にくわないと思った事なら、誰の指図だろうと受けない・・・例え、お前相手でも。」
レガシィ『誰でもいいわけじゃないよ?ボクちゃん、ボーちゃんなら「王」になってもいいってずっと思ってたんだけどな~?なんで、たまにはボクちゃんのお願いを聞いてくれないんだろうな~?』
ナハト、テルマー『『ダディ・・・?』』
コング「・・・オレは、オレだ。誰が何と言おうと、オレはあくまで髑髏島の『王』・・・オレはこの島を守り続ける。これからもな。」
レガシィ『・・・そっ。ボーちゃんならそう言う気がしたよ、ボクちゃん。まぁ、この島は他の誰にも渡しちゃいけないのは事実だけどね?特に人間みたいな、残忍さとズル賢さが取り柄の生物には・・・さ。』
テルマー『ダディ、なんかこわい・・・』
ナハト『どうしたの?ダディ?』
レガシィ『ううん、何でもナイサ~!ほら、ルーたん♪たかいたか~い!!』
テルマー『わあ~っ♪』
ナハト『ダディ~!ボクちんも~っ!』
レガシィ『はいは~い☆じゃあ、次はナハくんを、たかいたか~い!!』
ナハト『ひゃああああああ~!!ダディ、はやああああああい!!』
テルマー『ダディ、もっと~!』
レガシィ『おやおや、ルーたんがおねだりかな?じゃあ、ナハくんと一緒にボクちゃんの両手に捕まりなっ♪』
ナハト、テルマー『『は~い!』』
レガシィ『そして、このままぐるぐるだ~!!』
ナハト、テルマー『『わぁ~いっ!!』』
レガシィ『ぐるぐる~!ぐるぐる~!』
ナハト、テルマー『『ぐるぐる~!ぐるぐる~!』』
コングーー・・・こう見ると、ただのコング族の親子だな。
レガシィに良く似たナハトに、レガシィの血を引いたようなテルマー・・・お前達が、虚像で無ければと思ってしまう。
レガシィよ、お前も同じ事を思っているのか?
かつてオレよりも多く、仲間が死に行く所を見てきたお前は・・・
レガシィ『はい、終わり♪ボクちゃんのメリーゴーランドは楽しかったかな~?』
ナハト、テルマー『『は~いっ!!』』
レガシィ『それはサンキューで~す♪じゃあ、そろそろお休み・・・』
ナハト、テルマー『『ダディ・・・もっと・・・zzz』』
レガシィ『・・・ごめんね、ボクちゃんもそろそろここを出なきゃいけないんだ。多分しばらく会えないから、その間は母蘇羅たんに遊んで貰うんだよ?』
コング「連れて行かないのか?」
レガシィ『当たり前田のクラッカーだよ~?ボクちゃんの夜逃げに愛しのベイビーを連れて行く程、ボクちゃんもバカな親じゃないよ?』
コング「まだ朝だぞ・・・しかし、本当に行くつもりか?お前とて、逃げ続けられる保証も無い。『招待』とやらもその間、出来なくなる。それでも行くのか?」
レガシィ『ボーちゃんが「偽りの王」共を倒しに行ってくれてれば、こうならなかったかもしれないんだけどなぁ~?』
コング「それは無理な相談だと言っている。」
レガシィ『でしょ?だ・か・ら、ボクちゃんだけが勝手にシンドバットになればイインダヨ、グリーンダヨ!
・・・ってわけで、いきなり名残惜しいけど~、チャオッ♪』
コング「・・・オレはいつでもここにいる。なるべく早く帰って来い。」
レガシィ『・・・うん。』
こうして、レガシィちゃんは私達の前から姿を消した。
顔には出してはいなかったけれど・・・キングコングが言っていた、レガシィちゃんが「偽りの王」達の「召集」を聞いた時、怒りの眼差しを空に向けながら、「先代の加護」を外してしまった後・・・きっと、先代達から責められた筈。
あの時・・・眠ったナハトとテルマーを高次元領域に預けに来たレガシィちゃんに、私は何か出来なかったのかと・・・今でも思う。
『じゃあ、ナハくんとルーたんを頼んだね?母蘇羅たん?』
『ええ、それは大丈夫。けれど・・・貴方は本当に大丈夫なの?』
『ダイジョブダイジョブ~♪こう見えてボクちゃん、昔の頃は逃げる事だけは得意だったのSA☆だから、きっと母蘇羅たんでもボクちゃんは見付けられないから・・・いつか、ボクちゃんが帰る日が来るのを待っててね?』
『分かったわ。いってらっしゃい、レガシィちゃん。』
『あれ?あれれ?意外とフツーだねぇ?ボクちゃん、涙チョチョ切れる母蘇羅たんを無理矢理振り払ってでも、我が道を行く!そんなイメージをしてたんだけどなっ!』
『だって、存在が消えるわけでは無くて、いつかは帰って来るのよね?箱庭と共に生まれてから過ごした時に比べたら、刹那にも近い時よ。』
『あ~っ!母蘇羅たんったら、またボクちゃんに億年自慢するんだ~?そんな一方的な事をするなら・・・ボクちゃんも一方的な事、しちゃおっかな♪』
刹那にも近い時と言いながら、レガシィちゃんがいなくなってから感じ始めた、空虚な感情・・・
私はこれが、「恋」の副産物なのかもしれないと思って、高次元領域や地球のインファント島でナハトとテルマーと触れ合いながら、レガシィちゃんがこの場にいたら・・・そう思う事が増えた。
きっと、その原因はレガシィちゃんが最後に私と交わした・・・
『・・・?』
『・・・いってきますのチュー、だよ?それじゃ、チャオッ。』
・・・それから、レガシィちゃんの世界の地球で二つの季節が過ぎた頃・・・
『チョリ~スッ♪ナハくんにルーたんに、母蘇羅たん?元気元気ポンキッキーズ?』
『『あっ!ダディ~!!あいたかったよ~っ!!!』』
『・・・おかえりなさい、レガシィちゃん。』
レガシィちゃんは、帰って来た。
終
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