ロダン温泉湯煙事件 前編・後編
カント「・・・えっと、これは・・・」
しばらくして、カント達は全員で混浴風呂にいた。
ドゴラとジンだけでなく、えんば組も全員露天風呂に浸かっており、それほど広くはない露天風呂は滅多に無い大混雑状態となっていた。
ジン「いや~、やっぱりみんなで入るお風呂は最高だね~!お前達もどう?」
メガヌロン達『『『サイコー!』』』
メガニューラA『感謝です、若様!』
メガニューラB『我等へのご配慮に、涙が出そうです・・・!』
メガニューラC『こら!そこのメガヌロン、騒ぐな!』
メガニューラD『申し訳ありません、若様。メガヌロン達が羽目を外し過ぎてしまい・・・』
ジン「いーよいーよ!同じ湯に浸かれば、みんな家族みたいなモンなんだし!まさにテルマエ・ユートピア!そう思いません?カントさん?」
カント「えっ?」
ドゴラ「こうしていっしょにお風呂に入ったら、何だか家族みたい。」
カント「家族・・・」
ジン「駄目だった事も嫌だった事も全部水に流して、明日から頑張りましょう!」
ドゴラ「カントさんには・・・あたし達がいるから。ねっ。」
カント「・・・そうだね。」
カントーー両親が死んでから、私は孤独に怯える日々を過ごしていた・・・
ゴジラ達と共に戦って、友になってからも、何処か心の中は空っぽだった・・・
でも、この心の空白を満たしながら両親の無念に報いろうと阿蘇でラドン旅館を始めて、餌にしようとしていたジン達が延命の為と言って従業員として転がり込んで来て、迷子になったドゴラを引き取って・・・
もし、彼らが家族と言える存在なのなら・・・あぁ、そうか。だから、最近の私の夢に両親が出てくる事が無くなったのか。
もう何も怖くない、怖くはない。
こんなに沢山の家族が、私にはいるのだから・・・
カント「・・・ありがとう、みんな。」
翌朝、九州・阿蘇のラドン旅館。
開業前の旅館の裏、関係者しか入れない先代ラドンの墓の元に、カントの姿があった。
二つの墓にそれぞれ二つの線香を供え、正座しながらカントは両手を合わせる。
カントーー・・・お父さん、お母さん。
今の私には、「家族」と呼べる存在がこんなにもいる・・・その大切さと素晴らしさに、昨日の「招待」で私は気付きました。
だからどうか、今の私達をずっと見守っていて下さい。
昔の貴方達と同じ幸せを知れた今の私と、私の「家族」達を・・・
カント「・・・さて、それじゃあ・・・」
ジン「カントさん、終わりましたか?」
えんば組『『『『お時間です、オーナー!』』』』
ドゴラ「行こっ、カントさん。」
カント「・・・うん。そうだね。では、ラドン旅館のオープンだ!今日も忙しくなるから、きびきび働かないと年末のボーナスは無しですよ!」
カント達「「「『ようこそ、ラドン旅館にいらっしゃいませ!』」」」
こうして、今日も人気旅館「ラドン旅館」の営業が始まる。
オーナー・カントの沢山の願いを満たす為に・・・
終