ロダン温泉湯煙事件 前編・後編







卓球場の近くには、今や田舎かマニアックな所にしか置かれていない、一昔前のアーケードゲームばかりが並ぶ相当にレトロなゲームセンターがあり、Jr.・サバイヴ・幸、新モスラ組、紘平と愛美華が訪れていた。



Jr.「ん?これだけ外国のゲームだ・・・なになに、『ランペイジ』?」
幸「ゴリラのジョージ、オオカミのラルフ、ワニのリジーのどれかを操作して、一番街を破壊した人の勝ち・・・だって。」
サバイヴ「なんか、単純明快で面白そうだな。」
幸「じゃあ、ちょうど三人いるしやってみよっか!僕はジョージで!」
Jr.「なら、俺はラルフにしようかな?」
サバイヴ「俺はリジーで行く・・・!」



チハヤ「あっ、プリクラだ・・・」
セラフィ「でもこれ、だいぶ旧式みたいよ?デコ機能すらないみたいだし・・・」
レオ「こんなに古いと、逆に新鮮かも。」
イシュタル「わたし、やってみたい!わたしはこんなの初めてだもん!」
レオ「イシュタルにとったら、古いも新しいもないよね。じゃあ、私もやってみようかな。」
チハヤ「僕も、初心に返る感じでやってみるよ。」
セラフィ「あたしも勿論やるわ。イム、貴女もやってみない?」
イム『~♪』
イシュタル「みんな、ありがと~!それじゃあみんなと一緒にプリクラデビュー、するぞ~♪」
新モスラ達「「「「おー!!」」」」



紘平「しっかし、どれもコレも古過ぎんだろ・・・むしろ、よく見つけて来たな?」
愛美華「いいじゃない、兄様。私達と同じ時代の物みたいだから、何だかノルスタジックな気分になるわ・・・あら、あのゲームって。」
紘平「うわっ、『うてうてゴジラ』!なっつかしいな~。しかも『たたかえ!メカゴジラ』に『激突!ゴジラVSキングギドラ』まであるじゃん!」
愛美華「兄様、ここは童心に返ってやってみない?」
紘平「そうだな、やってみるか!」






愛美華「・・・あっ、また失敗したわ・・・どうして上手くいかないのかしら?」
紘平「あー!くっそ!このキングギドラ、強すぎんだろ!」
愛美華「今なら出来ると思っていたのに・・・何だか、もやもやするわね。」
紘平「こうなったら、クリアするまでやってやんぞ!」
愛美華「次失敗したら許さないわよ?この、兄様もどき・・・!」
紘平「いやいや、こいつのせいにすんなって。」






大広間からほど近いリラックスルームでは、シン・ゴジラ(品川くん・鎌倉さん)と、二人の付き添いのレジェンド、シンがマッサージチェアに座って背中をマッサージしていた。
勿論、全員が初めての体験だ。



シン・ゴジラ(品川くん)「あ゛ばばばば。ぶう゛ぶう゛(ぷるぷる)ゆええ(ゆれて)、おもじお(ろ)ぉぉぉぉぉい・・・」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・!」
シン「ん~♪きもちい~♪♪こんなの作れるなんて、人間ってやっぱしすごいわ~♪シンゴジもレジェも、すっごくきもちよさそうね~!」
レジェンド「・・・快、感。」






シン「レジェ~?レジェったら~!そろそろ次のとこ行くわよ~?」
シン・ゴジラ(品川くん)「ぽぽさま~?」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・?」
レジェンド「・・・次は肩たたきだ。」






シン・ゴジラ(品川くん)「ぶう゛ぶう゛・・・しんお(と)ぽぽさま、ぶう゛ぶう゛しえ(て)う(る)~。」
レジェンド「・・・何故そうなる。」



こうしてレジェンドと、彼をまるで椅子のようにして座るシン・ゴジラ(品川くん)は、当分マッサージチェアから離れる事は無かったと言う・・・






温泉の入り口からすぐのお土産コーナーでは、ダガーラ4がそれぞれの想い人へのお土産を選んでいる所であった。



ダガーラ「イシュタルは・・・この髪飾りなら喜ぶだろうか・・・?」
イードゥ「この色なら、レオにも合うな。ユナ王女には・・・うっ!
お、俺の目に入って来る、このクズ三角錐のペンダントめ・・・っ!!」
ニルヤ「そんなにピラミッド的なものが嫌いなのか、お前・・・とりあえず、ミサンガならチハヤでも大丈夫だろう。」
シゾット「・・・」
ベーレム『コレ、シーサー二似合イソウダネ!ハイビスカスノ、ピアス!』
シゾット「・・・余計な事を言うな、ベーレム。」






「‐」モスラ――・・・惜しい、惜しいですわ・・・!
何故、あのシゾットとか言うダガーラだけお土産をセラフィに渡す気が無いんですの?
貴方がセラフィに好意があれば、統一感がありますのに・・・っ!



何故かダガーラ4に同行した「‐」モスラが、一人だけ新モスラ組に想い人がいないシゾットに歯痒さを感じている中、すぐ隣のベンチではアンバーとスペースがお土産屋に隣接した売店で買ったアイスを食べていた。



アンバー『入浴の後に食べるアイスは、本当に美味ですね・・・!』
スペース「お前達の地球だと先の時代のアイスクリームが食べられて、羨ましいな。オレの世界の地球ではまだ、日本にアイスクリームすら伝わっていない・・・」
アンバー『そちらの日本はまだ、江戸時代なのでしたね・・・わたくし達の地球とスペース様達の地球が同じ歴史を辿るかは分かりませんが、もし同じでしたら今の時代が終われば、日本にアイスが伝来すると思います。』
スペース「そうか・・・なら、まだ何十年かは待つ必要がありそうだな。」
アンバー『最初は「あいすくりん」と言う名前で販売されるので・・・』
「‐」バラン『此れの事か?』



と、そこに妙な自信を漂わせながらカスタードアイスを持った「‐」バランが歩いて来た。



スペース「バラン、お前もアイスを食べるのか?昼の時は糖分の塊とか言って、嫌がっていただろう?」
「‐」バラン『気が変わった・・・其れだけだ。』
アンバー『カスタードアイス、「あいすくりん」はその味でしたね。バランも一緒に、こちらで頂きましょう。』
「‐」バラン『良いだろう。今は御前に同調して遣る。』


スペースーー・・・なるほど。
あいつもやはり、昼の事を気にしていたんだな・・・



ジン「て、てぇへんだ!てぇへんだぁ~!!
カントさんが、カントさんが~~っ!!」



するとその時、血相を変えてジンが飛び込んで来た・・・










後半へ、続く!
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好釦