ロダン温泉湯煙事件 前編・後編







それからしばらくして各々の入浴が終わり、浴衣に着替えた一同は大広間で憩いの時間を過ごしていた。
普段は髪を結いて・括っている者達は風呂上がりと言う事で髪を下ろしており、普段と一風違う雰囲気を醸し出している。



アロナ「皆さん、とても長くて綺麗な髪ですね~。」
シン「でしょでしょ~♪まさにイメチェン、ってやつ☆」
アジゴ「モスラお姉ちゃんなんか、こんなに長くて色がちがう髪だったんだね~?」
「‐」モスラ『お褒めに預かり感謝しますわ。アジゴ。いつもは金髪の部分をお下げにしていますからね。』
レオ「イシュタルって、髪下ろしたら私と一緒くらいの長さなのね。」
イシュタル「ほんとだ~!それに、レオママも結構髪長~い!」
「VS」モスラ「そうね。そろそろちょっと切ろうかって思ってたけど、もう少し伸ばしてみようかしら?」
セラフィ「普段ロングヘアなのってあたしとアロナ姉さんだけだから、何だか姉妹感が上がったかも・・・あっ、でもチハヤとアジゴとアイレナお母様のセミロングとショートもいい感じよ。」
チハヤ「気づかいありがとう、セラフィ。僕はショートでいいって思ってたけど、たまには伸ばしてみるのも悪くはないかな?」
イム『~♪』
アイレナ「一緒にお風呂に入って、また姉妹の絆が深まったわね。私も温泉は久々だったから、嬉しかったわ。」
アジマ「お母さん、俺ラムネ飲みたい!」
アジゴ「私も飲みたい!いいでしょ、お母さん?」
アイレナ「いいわよ。さっ、買ってらっしゃい。」
アジゴ、アジマ「「やったー!お母さん、ありがとう!」」
アンバー『キングシーサー様の髪、ふわりとしていて良い髪質ですね。』
キングシーサー「ありがとうございます。アンバーさんも、綺麗な髪と肌ですよ。」
ゆい「みんないいなぁ~。あたしもいつか、つよくてきれいなお姉さんになるぞ~!」
愛美華「女はいつだって、キレイでいたいものよ。特に好きな男の人がいるなら尚更・・・

その画面から見ている貴方も、そう思わない?」
ゆい「えっ?画面?愛美華お姉ちゃん、それ誰に言ってるの?」
愛美華「うふふっ、誰だと思う?

・・・今、この話を読んでいる貴方に、よ♡」
ゆい「・・・だれ?」
イム『・・・??』
チハヤ「普通に第四の壁を壊さないでよ。愛美華さん。」



ダガーラ「・・・髪を下ろしているイシュタル・・・可愛い・・・!」
イードゥ「風呂上がりのレオは、やっぱり水も滴るいい女だ・・・!」
シゾット「・・・シーサー、でーじちゅらかーぎー。」
ベーレム『チナミニシゾット、沖縄弁デ「とても美しい人」ッテ言ッタンダヨ!』
バトラ「いやぁ、俺の妻と娘は風呂上がりでも最っ高だな!」
ヒタム「アロナとチハヤも、だ。」
「‐」バラン『何だ・・・何故今のアンバーを見て要ると、胸騒ぎが収まら無いんだ・・・?』
「VS」ゴジラ「おい、せっかく風呂から上がったってのにまた熱くなってんぞ。あいつら。」
サバイヴ「こう見るとセラフィって、大人になったよなぁ・・・」
ニルヤ「・・・チハヤは相変わらず、だな。」
レジェンド、シン・ゴジラ(鎌倉さん)「「・・・。」」
「VS」ゴジラ「・・・こっちもか。」
ゴジラ・レッド「好きな女に惚れ直すいい機会だ、そう言ってやるな。」
ラゴス・ゴジラ「オレはなーんか慣れないなぁ~。やっぱシンはツインテールで、イシュタルはポニーテールの方がいいって。」
ラドン「くれぐれもそれは二人の前で言わないでよ、ゴジラ・・・」
紘平「・・・よし、愛美華はヤンデレってないな。」
「‐」ゴジラ『ヤンデレ?』
紘平「いや、お前は気にすんな。」
幸「イメチェンって言えば、スペースさんやレジェンドおじさん、チャイルドパパさんとバランさんも印象が変わるよね。」
スペース「オレが、か?」
レジェンド「・・・?」
「‐」ゴジラ『あっ。そういやおれ、かみくくって無かったな。』
「‐」バラン『特段、強調掏る事でも無い・・・』
シン・ゴジラ(蒲田くん)「みんな、かまがにょきにょきってしんかしたときみたいだね!」
ラゴス・ゴジラ「髪下ろしたアニキって、ちょっと母さんに似てるんだよな~!」
ジュニア「そうなんだ~!今のスー兄、やさしいかんじ!」
スペース「そんなに違うのか・・・?まぁ、母に似ているなら悪くはないが。」
シン・ゴジラ(品川くん)「ぽぽさま、いう(つ)もお(と)いがぁえ(ちがって)、かぁこいい!」
リトル「僕もそう思う!お父さんやお兄ちゃんとちがうかっこよさだよね!」
レジェンド「・・・あまり見るな。」
チャイルド『いまのとうちゃんとばらんさん、そっくりだね~?』
「‐」ゴジラ『そっか?それなんか、おれがイヤミなやつみたいじゃん。』
「‐」バラン『ゴジラ、其の台詞は聞き捨て成らんな?私も御前と一緒に去れるのは、堪忍だがな。』
Jr.「まぁまぁ、バランさん。落ち着いて下さい。アンバーさんが見てますよ。」
「‐」バラン『!?』
アンバー『・・・?』
幸「あと、機龍って人も・・・って、あれ?」



シン「あっ、機龍髪下ろしてる!!サラサラヘアーで、いい感じじゃな~い☆」
レオ「人によったら、女の人にも見間違えられるかも・・・」
イシュタル「じゃあ、リボンとかかんざしとか似合いそう♪」
機龍「嬉しい事言ってくれるじゃないの。じゃあ、かんざし付けてみます・・・」



シン達から髪を下ろした姿を持てはやされ、満更でも無い様子の機龍は懐から何かを取り出し、髪に付ける。
しかしそれは風呂上がりに使おうと持っていた、アメニティの歯ブラシだった。



チハヤ「いや、それ歯ブラシじゃん。かんざしじゃないって。」
アジゴ「へんなの~。」
セラフィ「せめて、もっとかんざしっぽいものじゃないと・・・」
アロナ「わぁ~、歯ブラシも髪飾りに出来るんですね~。」
チハヤ「断じて違うよ、母さん!ほら、母さんが誤解するから早く外してよ、それ!」
機龍「・・・じゃあ、これにしときますんで。」



苦情を受け、歯ブラシを懐に戻した機龍はまた違うものを懐から取り出し、歯ブラシの代わりに髪に付ける。
だが、それは使う機会があるかもしれないと思って持って来ていた、自前の黒いボールペンだった。



イム『・・・???』
チハヤ「いや、そういう問題じゃないから!あの人、もしかしてわざとやってんの?」
「VS」モスラ「機龍さんは天然な所はあるけど、支離滅裂な事は言わない人・・・のはずよ?」
「‐」モスラ「不意打ちのように意味不明な事を仕掛けて来るのは、ままありましたけれど。」
アイレナ「機龍はどこか、壊れているのかしら?」
Jr.「それ、正解です・・・機龍、品川くんに驚いた拍子に電気風呂に入っちゃって、それから・・・」



シュウ「くっだらねぇ。いいから早く『アレ』の準備でも・・・」
愛美華「あら、また外れの方にいるのね?そうそう、貴方に一つナイショの話があるの。」
シュウ「あん?なんだよ。」
愛美華「貴方、さっきゆいちゃんにとばっちりを食らわせたら[ピー]す、とか言っていたのよね?残念ながら兄様は覗かなかったみたいだけど・・・あの柵の中に監視カメラがあったの。」
シュウ「!?」
愛美華「しかも柵の中にあったのは、女湯向きのカメラだけだったわ。カメラは私がすぐに破壊したし、みんなが嫌がるからあえて言っていないんだけど、あんな隠し方だからきっと覗き用のカメラね。と言う事は・・・」
シュウ「んのヤロォ、今すぐ[ピー]すッ!!」



愛美華の言葉を最後まで聞く間も無く、静かに・・・だが怒りのボルテージが最高潮に達したシュウは凄まじいスピードでダッシュしながら大広間を出て行き、警備室にいるカント目指して突き進むシュウによって壊される柱やふすまの破壊音と、弾き飛ばされるえんば組の悲鳴が遠巻きに聞こえて来た。



ゆい「えっ?ちょっとおにい・・・行っちゃった。どうしたんだろ?」
愛美華「大丈夫よ、ゆいちゃん。お兄さんは女湯を覗こうとした悪い人を懲らしめに行っただけだから・・・まぁ、その懲らしめられる人がどうなるかは保障出来ないけれど・・・ね♪」
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好釦