プロジェクト・テイル・リバース




カント「・・・すまないな、ジン。やはり、君まで共犯にしてしまった。」
ジン「なんとなく分かってましたから、いいですよ・・・でも、代わりにオレが裏切るタイミングはオレに任せて貰いますよ?」
カント「分かった。君を信じよう。」
ジン「ありがとうございます。それにしても、あの噂のシン・ゴジラまでいましたけど、いたいけな子供まで騙して悪事を働かせるなんて・・・」
カント「あの子も孤独に付け込まれ、何かしらの嘘を付かれているんだろう・・・そう思う。」
ジン「カントさん・・・なら、最後はオレと貴方だけになっても、絶対ドゴラもあの子も助けましょう!じゃあ、行って来ます・・・!」
カント「・・・必ず、また会おう。」
ジン「えんば組・・・総員、配置に付け!」
えんば組『『『ぎょいー!!』』』



ジン――・・・孤独に付け込むなんて、オレとカントさんが絶対に許さないやり方を・・・
あんな、仲間をどうとも思わない奴ばっかりの連中の言う事を聞くなんて、嫌で嫌でしょうがないよ・・・!
けど、カントさんは覚悟を決めたんだ・・・オレも覚悟を決めないと!



カント――ドゴラ・・・君は必ず助ける。
ジン・・・もう少しだけ、辛抱してくれ。
たとえ私がどうなっても、この身で責任を償う事になっても・・・君達を解放する。
そういうわけだ、まずは久々の真剣勝負をしよう・・・ガイガンの言う事は、遠からずも当たってはいるからね・・・だからこそ私はここに来て、あえて今から君に戦いを挑む。
そうだろう・・・ゴジラ・レッド!






遊園地を舞台にした「正義」と「悪」の戦いはこうして幕を開け、最初こそ子供達の人質作戦やシン・ゴジラ(蒲田くん)の存在で悪しき怪獣達が優勢だったものの、「招待」怪獣達の予想外の奮闘やブルトンの介入、シン・ゴジラ(蒲田くん)の改心、ドゴラが無事助け出された事によってカント・ジンとえんば組も「招待」怪獣側に戻り、悪しき怪獣は一気に劣勢に追い込まれる。
そしてゴジラ・レッド達によってゴジラタワーごとテイル・リバースは木っ端微塵に破壊され、悪しき怪獣達の野望は阻止されたのだった・・・









愛美華「・・・あら?もしかしてドゴラちゃんが拐われたのは、お化け屋敷を爆破したのが原因で・・・それはシュウがキレたから・・・つまり、シュウがシスコン過ぎるせい・・・あっ、全部シュウのせいじゃない?あらららら・・・カントさん、全部シュウのせいよ?」
シュウ「あん?なんで全部オレのせいなんだよ。」
ゆい「もう、あたしの度胸試しなのにお兄ちゃんの方が暴れるなんて・・・お兄ちゃんの代わりに、ごめんなさい。」
ドゴラ「ううん、ゆいがあやまらなくていいよ。」
カント「そうです、貴女に責任は無い。だから自分を責めないで下さいね。可愛いミニラさん。責任があるのは私の方ですから、爆破の点は問わないでおきますが・・・ではせめて、爆破した屋敷の修理費くらいは払って頂きたいですね?」
ドゴラ「え、ええっ!?」
ゴジラ・レッド「カント、お前なぁ!」
「VS」ゴジラ「この流れで言うか?その台詞。」
ゆい「うーん・・・別にあたしもお兄ちゃんも山暮らしは出来るけど、ターザンスタイルはちょっと嫌かなぁ・・・」
シュウ「金なんて持ってねぇぞ?」
愛美華「だが私は謝らない、とだけは言ったら駄目よ?」
シュウ「うるせぇよ。」
「‐」ゴジラ『ゆいみたいにごめんなさい、って言うんだぞ。シュウ。』
シュウ「分かってるっての・・・オレが悪かった、すまねぇ。」
カント「いやぁ、謝罪は結構なんですが・・・それで爆破された屋敷が直ったら、お金はいらないんですよね。」
ゴジラ・レッド「お前、本当に腹黒野郎だな!別に旅館は儲かってんだから、ケチ臭い事言うなよ!」
ドゴラ「もう、カントさん!あたしは気にしてないからいいのに・・・」
愛美華「相手がここまでリアリスト・・・と言うかイケズな人だなんて、これは一筋縄でいかなさそうね?」
ラゴス・ゴジラ「じゃあさ、お金払う代わりに働くとかどうだ?オレの怪獣島じゃそうしてるぜ?」
ゆい「お兄ちゃんは壊す事は出来ても直すのは無理だから、それが一番良いかも!」
シュウ「めんどくせぇっての・・・」
「‐」ゴジラ『じゃあ、おれも残っていっしょにはたらく!みんなではたらいたら、すぐに終わる!』
ラゴス・ゴジラ「オレもオレも!他の世界に残れるなんて嬉し過ぎだし!」
「VS」ゴジラ「お前はこの世界に残りたいだけだろ。そもそも、バランやバルグザーダンの例から考えて無理だな。」
ドゴラ「そうだ・・・カントさんもあたしにせきにんをかんじてるなら、お化け屋敷のことは水にながしてあげて?」
カント「いや、それとこれは話が別なんだよ。ドゴラ。彼は大人なんだから、大人としての責任の取り方を・・・」
ドゴラ「エロイム、エッサイム・・・エロイム、エッサイム・・・」
カント「そ、その呪文だけは良くない・・・!分かった、分かったよ!君に免じて、修理費は不問にしよう。だから今すぐ詠唱を止めるんだ!」
ゴジラ・レッド「情けねぇくらいのブーメランだなぁ?カントさんよ?女好きと言うより、女の尻に敷かれてるだけか?」
カント「君は黙ってくれ!あの呪文がどれだけ恐ろしいかを知らないで・・・」
愛美華「シュウへの責任追及が、カントさんへの責任追及にすり代わるなんて、意外な展開ね。」
シュウ「もうオレは関係ねぇんだろ?だったら帰るからな。」
愛美華「待って。最後に一つだけ告知・・・
悪しき怪獣達を退け、旅館の温泉で休息を取る私達に突き刺さる、邪な目線。まさか、その正体は・・・!
次回、『それでも兄様はやってない。』をお楽しみにね♪」
紘平「それ、俺が女湯覗いたみたいだろうが!だから覗くかっての!」
シュウ「くっだらねぇ・・・」
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好釦