プロジェクト・テイル・リバース







それからカントはガイガン・メガロと共に隣の応接室に連れて行かれ、気絶したまま机に鎖で縛られたドゴラを目の当たりにした。



カント「ド・・・ドゴラ!?貴方達、これは!」
ガイガン「見ての通りだ。ドゴラを殺されたくなければ、オレ達に協力しろ。スポンサーとしてではなく、実力行使要員としてな。」
カント「やはりそう来るか・・・!ですが、お忘れですか?私には契約書があるんですよ?こんな事をするなら今すぐ契約を破棄し、この施設を今すぐ閉鎖して・・・」
ガイガン「お前が契約を破棄するのは勝手だ。だがそうなった場合、誰が代わりにオレ達の共犯になると思う?
・・・ドゴラだ。ドゴラは自分が捕まった件で、お前に負い目を感じているはずだ。だからお前がやらなければ、自分から悪事を働くだろう。
だが、ドゴラではゴジラ達には到底勝てない。そうなれば、怪獣島の連中はよってたかってお前を責める。
お前がオレ達の共犯になるしかないんだよ。」
カント「・・・!」
ガイガン「それに貴様、なんとなくこうなる事が見えていたのではないか?『獅子身中の虫』にでもなったつもりか?」
メガロ「おじゃま虫は、無視しちゃえ!もしくは焼き払え!って事。」
ガイガン「いや、お前も昆虫怪獣だろう・・・ともかく、次は今すぐメガギラスをここに呼び出せ。分かったな?少しでも余計な事をしたら・・・」
カント「分かっていますとも・・・」






ジン「カントさーん、お呼びで・・・」



しばらくして、カントからの連絡を受けたジンがゴジラタワーの応接室に到着。
そこに待ち受けていたのはカントも見た光景、監禁されるドゴラと口を固く閉ざしたカント・・・ジンが想定していた、最悪のパターンだった。



ジン「ドゴラッ!?カントさん、これって・・・!」
カント「・・・そう言う事さ、ジン。」
クリス「ねぇ、トンボ君?私、『戦いは数』って聞いた事あるんだけど、貴方の部下のトンボ達でそのお手伝いをしてくれないかしら?」
ジン「・・・断ったら、どうなるのさ?」
クリス「そうねぇ・・・あそこでうなだれてる女好きの紳士鳥さんと、そこで動かなくなってる可愛いクラゲ娘は、生きながらにして私の結晶オブジェになっちゃうかもしれないわねぇ?」
ジン「っ・・・!」
ナイフヘッド「まぁ、そうなってもいいならせいぜい足掻いてみろよ。それとも、今すぐチビの方をズタズタにしてやろうか?今も俺は夜勤明けでイライラしまくって・・・」
ガイガン「バカかお前は。人質は無事だから意味があるんだ。お前は今まで通りクリスと好き勝手やってればいいんだよ。」
ナイフヘッド「なっ、んだとぉ!!真っ先にてめぇからバラすぞ!」
クリス「怒る気持ちは解るけど、正論なんだから落ち着きなさい。ナイフヘッド。とにかく、分かったなら貴方を含めたトンボ共々、全員私達の為に働きなさい?もうすぐ、楽しい楽しい魔法がかかるから・・・」
ジン「・・・しょーち。」



その後、テイル・リバースが発動。
一部の怪獣達が幼児化し、そこに付け入る形で悪しき怪獣達も行動を開始。
管制室に残ったのはガイガン・メガロ、カント・ジン、そしてクリスが連れて来たシン・ゴジラ(蒲田くん)だ。



シン・ゴジラ(蒲田くん)「とっもだち、ひゃくにんっ!できる、かなぁ~!」
ガイガン「よし、ジンはクリスとナイフヘッドの所へ行き、カントはレザーバックとオオタチとヒジュラスと共に、こちらに向かって来ているゴジラ・レッド達の足止めをしろ。怪獣王に一泡吹かせるいい機会だぞ。」
ジン「りょーかい。」
カント「私は無駄な争いは好まないんですけどね・・・」
ガイガン「そんなわけがあるか、オレ達は怪獣。戦いの本能は誰にでもある・・・そう、お前にも。お前も一度でいいから、ゴジラに勝ちたいと思った事は無いのか?かつてあった、ゴジラと様々な者達が子供達のチャンピオンとなるべく争った『チャンピオン決定戦』。もしそれが今もあったなら、参戦したのではないのか?」
メガロ「違うよガイガン、『チャンピオンまつり』だよ。」
ガイガン「どうでもいいだろ、そこは!」
カント「まぁ、どちらにしてもドゴラがああでは逆らえませんし・・・行きましょう、ジン。」
ジン「はい。」



カントとジンはゴジラタワーから飛び立ち、それを確認したガイガンは装置のコンソールを操作しながらテイル・リバース第二射の準備を開始する。



ガイガン「これで他の怪獣達全てが退行化すれば、最強の兵器の出来上がりだ・・・クリスは子供の製造装置にしか思っていないようだが、退行化は相手から戦力を奪う最高の方法。やがてはこれを世界中に発射し、全ての生物を退行化すれば、我らの野望は子供だけの世界で果たされる・・・!」
メガロ「まさに『イッツ・ア・スモールワールド』、だね。」
ガイガン「昔は失敗したこのゴジラタワーで、今度こそ地球征服を成し遂げてみせるぞ・・・!」
メガロ「そういえばさ、僕達もちびっ子になれば子供用のアトラクションに乗れるね!何に乗る?」
ガイガン「待てメガロ、お前の考え事は侵略より遊ぶ事だけか!ったく・・・!」
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好釦