愛美華「とりあえず、今はその話は保留にして・・・じゃあ、最後にそこでだんまりしている貴方も自己紹介どうぞ？」
シュウ「んだよ、ったく・・・オレはシュウ。もういいだろ。」
ゆい「あたしのお兄ちゃんだよ！ねぇ、お兄ちゃん。サバイヴくんって元ミニラなんだけど、あたしもサバイヴくんみたいにカッコかわいいゴジラになれるかな？」
シュウ「知るかよ。聞くな。」
「‐」ゴジラ『そんな言い方ないだろ、シュウ。ゆいがかわいそうだろ？』
ゴジラ・レッド「いや、あれであいつ普通に答えてるっぽいな。オレはゴジラ・レッド。ゴジラジオでレジェンドに話聞いてから気になってたんだ、よろしくな。」
シュウ「オレは別に興味ねぇ。」
ゴジラ・レッド「新参のくせに、言うじゃねぇか。シンパシーを感じるってのは間違いじゃ無いかもしれねぇな。お前はどうだ？」
シュウ「だから興味ねぇっての。余計な事しやがって、あのおっさんゴジラが・・・」
レジェンド「・・・？」
シン・ゴジラ(品川くん)「おぅ、さん？ぽぽさまお(の)、こお(と)？」
ゆい「もう、お兄ちゃんったらおじさんもいるのに・・・ごめんなさい、うちのお兄ちゃん、交友関係が広くないからこんな団体行動は初めてで・・・でも、本当に普段からこんな感じだから気にしないでね。」
ラゴス・ゴジラ「まぁ、確かにシュウはそんなに怒ってないみたいだな。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」
ラゴス・ゴジラ「鎌倉さんも、よろしくだってさ。」
ゆい「えっ？この人しゃべってないよ？なんで分かったの？」
紘平「レジェンドが言ってた、こいつの読心術か？」
愛美華「あら、それは凄いわね。私が一番欲しい能力じゃない♪」
紘平「お前に一番与えちゃいけない能力の間違いだろ。」
幸「異世界のゴジラって、凄いね～。」
サバイヴ「あぁ・・・俺も、負けてられない。」
シュウ「めんどくせぇ、勝手にオレの心を読むんじゃねぇよ。」
ラゴス・ゴジラ「そう言うなって、そんなに怒ってないのにさ！」
「‐」ゴジラ『そうなのか？』
「VS」ゴジラ「・・・俺に聞くな。」
リトル「とうさん、ゴジラのみんながだいすきなんだ。だから紘平さんにもシュウさんにもはやくあいたい、っていってたよ！」
キングシーサー「ゴジラさんは皆さんの中でも、かなり上位のゴジラ一族好きですから。」
機龍「俺としては、レッドよりうちのゴジラの方にシンパシーを感じるけどね。」
スペース「オレも同感だ。」
紘平「ちなみに、放送禁止用語を言わないだけこれでもましなんだよなぁ、シュウは。」
「‐」ゴジラ『ほうそうきんし？』
ラゴス・ゴジラ「放送ってなんだ？」
シン・ゴジラ(品川くん)「ん～？」
「VS」ゴジラ「・・・お前らは気にすんな。」
ラドン「チャイルド達も、聞いちゃだめだよ・・・」
チャイルド、ジュニア、リトル、シン・ゴジラ(品川くん)『「「ん～？」」』
ゴジラ・レッド「オレも口が悪いくらいなら気にしねぇ。ただ、ゆいの前で悪事や迷惑を平気でやるようなら許さねぇな。」
幸「そこは問題ないですよ。ゆいちゃんが悪い事をした事なんて無いですし。」
レジェンド「・・・己も保証する。」
サバイヴ「ゆいが本当にシュウを慕ってその背中を追いかけてるなら、間違いだと思う所まで似たりしない。良いと思った所を似せて行くんだ。」
紘平「ってか、流石にあいつもお前ら初顔がいる中で暴れるわけ・・・」






ドゴラ「ご、ごめんなさ～いっ！！」



合流からしばらくして、お化け屋敷でゆいが泣いた事によって何故かキレたシュウが屋敷を爆破。
どうにか屋敷から逃げられたお化け役・ドゴラはほうほうの体でゴジラタワーの入り口に辿り着き、一息ついていた。



ドゴラ「はぁ、はぁ・・・お化け屋敷なのに、なかせたからおこられて・・・しかもこわされるって・・・おかしいよぉ・・・」


――やっぱり、なんだかんだ言ってカントさんってふつうなほうなんだ・・・
この前も女の人に声かけてて、つぎナンパしたら出て行くとか言っちゃったけど・・・あやまらないと。


ドゴラ「ふぅ・・・とりあえず、カントさんの所に戻らないと・・・！？」
オオタチ「あら？迷子の迷子の子猫ちゃん・・・かしら？」
レザーバック「じゃあ、迷子センターに連れて行ってやらねぇとなぁ？」



と、そこにやって来たのはアトラクションから帰ってきたレザーバック・オオタチ夫妻であった。
「KAIJU」特有の独特な気配、加えて不敵な笑みを浮かべるオオタチに強面のレザーバックを前に、ドゴラはすっかり怯えてしまう。
だが、カントが密かに手伝い兼護衛に付けていたえんば組も、お化け屋敷の爆破に巻き込まれて失神しており、今ドゴラを助けられる者は誰一人いない。



レザーバック「あれ？そういや迷子センター、何処だっけな？」
オオタチ「あの生き物だか機械だか分からない半端者の所に引き渡せばいいんじゃない？一応この作戦のリーダーみたいだし。」
レザーバック「それもそうだな。オイ、手痛い事はしねぇからこっち来いよ。」
ドゴラ「えっ、あの・・・」



ドゴラは怯えながらも突破口を探し、彼女の肩を掴もうとレザーバックが手を伸ばした瞬間、呪文を呟きながら浮遊してレザーバックの上を飛び越えようとする。



ドゴラ「エコエコアザラク、エコエコアザラク・・・！！」
レザーバック「なっ！アイツ、逃げやがった！」
オオタチ「私達の折角の親切を無駄にするなんて、許せないわね！」



オオタチもまたコタチをレザーバックに預けると袖を外して飛翔し、あっさりとドゴラを尻尾に捕えて地面に舞い戻った。



ドゴラ「エコエコ、えっ！？イヤー！カントさん！助けてー！！」
オオタチ「黙りなさい！これから少しでも余計な事をしたら、このまま噛み砕いて真っ二つにするわよ？」
ドゴラ「・・・！！」



僅かに腹部に食い込むオオタチの尻尾の刃と、殺気すら感じる彼女の声色に、脅迫が本気だと察知したドゴラはそれ以降、一切何も出来なくなった。
まるで鉱物の塊のように、触手すら動かさないままドゴラはオオタチの尻尾によってゴジラタワー内部へと運ばれて行く。



レザーバック「わざわざ尻尾使うなんて、随分強引だなぁ。お前も。それにあの台詞、とても母親が子供に言う台詞じゃねぇぜ？」
オオタチ「だって、私は母親でも本来は凶悪な侵略兵器なのよ？他所の子供にはちゃんと厳しくしなくちゃね？」
レザーバック「おう。オレもお前のそう言うとこ、愛してるぜ？」
オオタチ「ありがと♪まぁいずれにしてもこの子は捕らえろって言われてたし、これでさっきの家族サービスに文句を言う奴もいないでしょ。そもそもゴジラタワーには私達『悪しき怪獣達』以外、誰も入れちゃいけないし・・・そういう訳だから悪いけどクラゲちゃん、アンタには暫くここの世話になってもらうわよ？」
コタチ「・・・(ひとじち、ひとじち！)」



ドゴラ――・・・ジン兄さん、カントさん・・・
ごめんなさい・・・！



レザーバック「しっかしアイツ、関係者以外立ち入り禁止の看板が読めなかったのか？『飛んでファイヤーに入るなんたらの虫』だったじゃねぇか。」
オオタチ「どこのKAIJUが書いたか知らないけど、すごい悪筆で書かれてたから分からないと思うわよ？」



そう、ゴジラタワーの入り口に立つ看板の「立ち入り禁止」の文字は、文字の覚えたての子供が書いたような歪さであり、パッと見では読めない有様だった。
更に裏には「KAIJU参上！」と、これまた歪な文字がペンキで書かれている。




レザーバック「確かこの看板、ライジュウの担当だったよな？よりによって能天気なアイツに書かせときながら、ちゃんと見とけよ。コメディアン気取りのバカナイフが・・・
つーか、オレ・・・子供にビビられる位に顔が怖ぇのかよ。何かショックだ・・・」
オオタチ「そんな事ないわ。寧ろアナタはアンティヴァースでもトップランクな男前よ♪」
コタチ「・・・♪(パパ、いけめ～ん♪)」
レザーバック「お、おぅ。ありがとな。」