イッツ・ア・スモールワールド
ブルトン「・・・分かった。じゃあ、ここにいるみんな。蒲田くんと友達になってくれる人、この指とーーまれっ!」
そう言うとブルトンはシン・ゴジラ(蒲田くん)を抱き寄せ、両手の無い彼の代わりに人差し指を立てた右手を高く上げる。
そして少しの間も無く、周囲にいた怪獣達全員の指がブルトンの・・・シン・ゴジラ(蒲田くん)の指に止まった。
シン・ゴジラ(蒲田くん)「ぁあ・・・!!」
ドゴラ「やくそく、したよね・・・かえってきたら、友達になろうって。」
ゴジラ・レッド「タワーから出た後にドゴラがブルトンに、お前が寝ている間にオレがお前の望みをアイツら全員に言っておいた。これはその結果だ。」
キングシーサー「私達も貴方と、ずっと会いたいと思っていたんですよ。」
「‐」ゴジラ『って言うかお前、チャイルドのたんじょうび祝いの時にとつぜんメッセージ送って来てたよな?じゃあもうおれ達、ともだちだ!』
チャイルド『ぼくも、かまたくんのともだち!』
ジュニア「ボクも、ともだち!かまたくんと、ともだち!」
リトル「僕も!おとうさんからきいて、ずっとあいたかった!」
シン「違う世界のシン・ゴジラが揃い踏みするの、あたしずっと楽しみにしてたんだ~♪」
アイレナ「貴方のその純粋無垢な願い・・・私達でよければ、叶えるわ。」
セラフィ「貴方が善であってくれるなら、ここにいるみんなはいつでも貴方を受け入れる・・・もちろん、あたしも。」
イム『~~♪』
チハヤ「レッドやセラフィがあんなに必死になって探してたんだから、僕としてはむしろ友達になってくれないと困る・・・かな。」
Jr.「『招待』って『いい人』だけの集まりだから、心配はしなくていいよ。」
「VS」ゴジラ「お前が『敵』にならないのなら、俺達も敵にはならない。」
レジェンド「・・・己も、お前を脅威とは思わない。」
ラゴス・ゴジラ「シンゴジやみんなが信じたんだ、オレもお前を信じるぜ!!」
シュウ「めんどくせぇから、もうあんなバカな事すんじゃねぇぞ?」
ダガーラ「きっとお前は孤独の辛さを、嫌なくらい知っている・・・だからこそ、俺達が力になる。」
ジン「これぞユウジョウ!いいコトダマだよなぁ・・・」
シン・ゴジラ(品川くん)「しんうぉ(と)ぶぅさま、おもあ゛い(ともだち)。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・私(ワタクシ)モ、トモダチ。」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「ぁ・・・あぁ・・・!!」
ブルトン「参ったなぁ。これじゃあ、ダメだなんて言えるわけがないよ・・・なら、この『ブルトン五つの誓い』が守れるかい?
一つ、まず僕に言ってから外に出ること。
一つ、太陽が沈む前に帰って来ること。
一つ、必ず誰かと一緒にいること。
一つ、力を勝手に解放しない事。
そして、一つ。いつでも世界中の誰かと友達になりたいと言う気持ちを無くさないこと。」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「えぅ、うん・・・!ぜったぃ・・・まもるぅ・・・!!」
ブルトン「・・・じゃあ、みんなと友達になっておいで。」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「うっ・・・・わあああああああああああああああああん!!」
感極まったシン・ゴジラ(蒲田くん)は空を仰ぎ、大粒の涙を流しながら泣き声を響かせる。
ブルトンはそんなシン・ゴジラ(蒲田くん)の頭を優しく撫で、子供達も彼の元に駆け寄って来た。
ジュニア「どうしたの?どこかいたいの?いたいのいたいの、とんでけ~っ!」
リトル「でもかまた君、かなしくなさそうだよ!」
チャイルド『きっとかまたくん、うれしくてないちゃったんだね・・・!』
シン・ゴジラ(蒲田くん)「だって、だってぇ・・・かまに、ともだち・・・こんないっぱいいるんだもぉん・・・!!ふぇ、ふえええええええええええええええええん!!」
ドゴラ「いっぱい泣いていいんだよ、蒲田くん。あたしにも、その気持ち・・・すっごくわかるからぁ・・・!」
ゆい「良かったね・・・!蒲田くぅん・・・!」
ラドン「大丈夫、君には僕達がいるよ!」
アジゴ「じゃあ、蒲田くんを入れてかけっこの続きをやるわよ~!」
アジマ「俺も、やる!」
シン・ゴジラ(品川くん)「しんも、あんあ゛か(なんだか)・・・ぶうぅぅぅぅぅ・・・!!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」
バトラ「ありゃりゃ、なんかもらい泣きしちゃってんな。」
「VS」モスラ「こうして見ると、何処にでもいる男の子ね。」
カント「泣かせてあげましょう。あれは世界で一番、キレイな涙なのですから・・・」
機龍「五体が不満足でも、心が満足すればそれでいいじゃないか。」
イシュタル「それに、心から友達になりたいって思ってるのに断る理由なんて無いよ。」
「‐」モスラ『まず、手を差し伸べる。共存とはそうして広げて行くものですわ。』
ニルヤ「まぁ、俺もこういうのは嫌いじゃない。」
ベーレム『チョーイイネ!サイコー!シゾットモ、ソウ思ワナイ?』
シゾット「・・・そう、だな。」
イードゥ「昔、レオが俺にやってくれた事をしている、それだけだ。それに『親友』を意味する『イードゥ』の愛称を付けてくれた、ベルベラの為にもな。」
レオ「ありがとう、イードゥ。その名前が似合う素敵な人になれてるって、私は思うわ。」
イードゥ「そ、そうか・・・」
サバイヴ「一人で強くなる事も大事だが・・・今のあいつにはきっと、仲間の力が必要なんだ。」
幸「友情、努力、勝利はいつでも少年の鉄則だしね。」
紘平「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン、ってか?」
愛美華「英恒(アヤヒサ)に比べたら全然可愛げもあるし、いいじゃない♪」
「‐」バラン『結束・・・昔は凡庸な言葉と意忌み嫌って居たが、今なら其の有難味が理解出来る。』
アンバー『今の貴方のように、どうかこの出会いがシン・ゴジラ様に光明を差して下さる事を祈りましょう。』
アロナ「誰もが喜びで満ちた、この感じ・・・本当にいいです・・・!」
ヒタム「そうだな。俺もそう思う。」
バラゴン『蒲田くんも、ようやく本当の友達と出会えたんっすね・・・!』
ゴジラ・レッド「あぁ。だからこの出会いを、大切にしろよ。蒲田くん・・・」
ブルトン――・・・僕は君を、束縛し過ぎたのかもしれない。
君が世界を滅ぼす危険性ばかり考えて、君の気持ちごと押し込めた。
きっと君がこの世界を好きになってくれる事こそが、一番の解決法だったのに・・・
でも、こうして君には友達がたくさん出来て、ここにいるみんなが友達になってくれた・・・
僕はこんな光景が見たかったんだ。たとえ勝手に世界を巻き戻して、くっつけてでも。
ありがとう、みんな。
僕は今やっと、この箱庭を作って良かったと思えるよ・・・