イッツ・ア・スモールワールド




シン・ゴジラ(品川くん)「かまさま、くる・・・あじゅゅい・・・」
レジェンド「・・・ここから来るんだな?」
コング「オレも手伝おう・・・それが今のオレの役割のようだ。」
シン・ゴジラ(品川くん)「ぽぽさまお(と)、ぼーさま、あ(た)すけえ(て)くえうお(くれるの)?やぁ、あぁー(やったー)。」



窓際のシン・ゴジラ(品川くん)の元には、レジェンドとキングコングがやって来た。
シン・ゴジラ(品川くん)の思惑を理解したレジェンドは鞘を素早く青く光らせた後に抜刀し、キングコングは右手の拳を固く握り締めながら力を込め、その「一瞬」のタイミングを待つ。



レジェンド「・・・!!」
コング「今だ!おおおおおおおおおおぉッッッ!!」



・・・そしてその刹那の刻を見逃す事無く、レジェンドは斬撃を、キングコングはコークスクリューパンチを繰り出した。
その僅か一秒後に窓の周囲は大爆発を起こし、すぐに爆煙の中からシン・ゴジラ(鎌倉さん)が飛び込んで来た。



アンバー『何事で・・・はっ、あれは鎌倉さん!?まさか外から?』
ガイガン「な、なんて事だ・・・オレが仕入れた特製対衝撃窓が、破壊された・・・!?」
メガロ「僕、あれ木っ端微塵になったの初めて見た・・・」



そう、三人はシン・ゴジラ(鎌倉さん)の接近を察知し、シン・ゴジラ(鎌倉さん)が外から溶岩流を出すと同時にレジェンド・キングコングは必殺技を繰り出し、中と外の両方から攻撃を加えて窓を破壊したのだった。
この窓は地球製の対衝撃窓とは強度が比べ物にならない、侵略宇宙人も愛用する宇宙産の素材が使われており、こうでもしなければ窓の破壊すら不可能であったのだ。



シン・ゴジラ(品川くん)「かまさま!かまさま・・・あじゅぅい。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」
レジェンド「・・・やはり、お前だったか。」
コング「こいつの同族か。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・!」



先程から常に暑そうにしているシン・ゴジラ(品川くん)を見かねたシン・ゴジラ(鎌倉さん)は彼の両手を掴み、自分の力を送る。
するとシン・ゴジラ(品川くん)の体が大きく、髪や服は黒くなって行き・・・シン・ゴジラ(品川くん)は第四形態に戻る事が出来た。



シン・ゴジラ(品川くん)「あ~!!しん、もお゛えあ(どれた)・・・!あいがおう(ありがとう)、かまさま。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」
シン・ゴジラ(品川くん)「じゃあ、う(つ)ぎはかまさまのばん。かまさま、えぇあしえ(手出して)。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」



今度はシン・ゴジラ(品川くん)がシン・ゴジラ(鎌倉さん)の手を握り、自身の力を注いで彼を元の第四形態に戻そうとしていた。
その様子を、シン・ゴジラ(蒲田くん)が見つめる。



シン・ゴジラ(蒲田くん)「あァ・・・あの子もジブンの、仲間・・・いいなァ・・・!!」
ゴジラ・レッド「そうだ。アイツらはお前と同じ、シン・ゴジラ・・・お前に会う為にここまで来た、お前の仲間だ。」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「ジブンの、為に・・・?」
ゴジラ・レッド「・・・でもな、アイツらはオレ達の仲間、友達でもあるんだ。ちゃんと心を通わせて、なりたいって思ったからオレ達とアイツらは友になって、一緒に「招待」を受けたり、一緒にいたりする。そんなアイツらと、お前も友達になりたいよな?」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「・・・うん。なりたい・・・トモダチに、なりたい・・・!でも、ブルトンが許さない・・・ッ!」
ゴジラ・レッド「なら、オレもそのブルトンに直談判してやる。強いとか特別とか関係ねぇ、こいつに友達作りをさせてやれ、ってな。だから、お前もブルトンに思い切り気持ちをぶつけて、ケンカになるまで気持ちを吐き出してみろ!そしたら・・・って、ケンカしたら品川くんに怒られるか。」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「・・・」
ゴジラ・レッド「お前の本心を、本気を!ブルトンに見せてやれ!それならオレも力になる、オレはこの世界の王だからな。」



ゴジラ・レッドはシン・ゴジラ(蒲田くん)の背中を叩き、行動を促した。
それと共にシン・ゴジラ(蒲田くん)の胸の中に今までしまっていた思い達がこみ上げ、自然と体は第二形態に戻り、同族――異世界の二人のシン・ゴジラ――の所へ、歩を進める。
そして、三つの世界の三つのシン・ゴジラが一堂に会した。



シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」
シン・ゴジラ(品川くん)「あ~、しんお(と)、かまさまのあかま!」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「・・・かま、だよ。よろしく。
ねぇ・・・かま、ずっとともだちがほしかったけど、いなくて・・・ずっとさみしかった。ブルトンもダメっていって、かまにともだちさがしもさせてくれない・・・
でも・・・かま、やっぱりともだちほしい!ずっとひとりは、いやいや!かまもみんなとあそびたい!みんなとわらいたい!みんなと、いっしょにいたい・・・!
だから・・・かまのともだちになって、ください・・・!!」



ぽろぽろと涙を流しながら、シン・ゴジラ(蒲田くん)は二人に床に頭を付けて懇願する。
二人は少しの間、シン・ゴジラ(蒲田くん)を見つめ・・・



シン・ゴジラ(品川くん)「んー、いいよ!しんもぶぅさまお(と)、おもあ゛い(ともだち)、あいあいあ(なりたいな)!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・私(ワタクシ)モ、ナカマ。」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「・・・っ!!かま、ともだち・・・できた・・・!
わ、わああああああああああああああああん!!」



シン・ゴジラ(蒲田くん)は天を仰いで声が枯れる程に泣き、二人もそっと彼の頭を撫でる。
ようやく彼は、本心と涙を堪える日々に終わりを告げたのだ。



ドゴラ「・・・そう。友達って、りゆうなんてないけどとなりにいてくれる・・・そんな人。」
ゴジラ・レッド「言えたじゃねぇか。それでいいんだ、それで・・・」
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好釦