イッツ・ア・スモールワールド







虹色の繭は光の粒子となって弾け飛び、そこにいたのは七色の光沢を放つ純白のロングスカートドレスと、まるで羽根のように背中に付いた巨大なレースのリボンが見る者全ての視線を釘付けにする、降ろした長髪を優雅になびかせる女神・・・「エターナル」体になった「‐」モスラがいた。



「VS」モスラ「・・・なんて、美しいんでしょう。」
アロナ「女神様みたいですねぇ・・・」
シン「す、すっご~い!!!」
イシュタル「『守護神・母蘇羅』も、こんなかんじなのかな・・・!」
チハヤ「これが、『エターナル』・・・」
レオ「・・・やりましたね、ねえさん。」
ラーバ「きれーい・・・あっ、イムもおんなのこのすがたになってる!どう?」
イム『~~♪』



ダガーラ「あれは・・・?」
ヒタム「アロナが何かしていると思っていたが、この為か。」
バトラ「しっかし、すごい衣装だな・・・ラスボスか?」
イードゥ「奥の手、と言うやつだな。」
ニルヤ「チハヤで言う『鎧』形態と言った感じか。」
シゾット「・・・まだ、あんな力があったなんて。」
ベーレム『スゴイネー、シゾット!』
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」




カナエ「な、なんじゃありぁ!?」
ブラウニー「ケ、ケーッ!!やっぱりやばいパターンじゃねぇか!コレ!!」
アサナ「そんな生着替えとか、ほんといらないんだけど・・・!」
ティフォン「どれ程着飾ろうと、所詮中身は半端者・・・我らの集中砲火で撃破すれば、問題はあるまい!」
デスギー「そうだ!おれ達DG連合の総力を持って返り討ちにしてやれ!いくぞぉ!!」



突如現れた「‐」モスラエターナル体に混乱するも、DG連合は臆さず各々の光線を撃って「‐」モスラに攻撃を仕掛けるが、「‐」モスラは毅然な様子を全く崩す事なくその場に留まり、微動だにしない。



「‐」モスラ『皆様、本当にありがとうございます。まさか、異世界でこの姿になれるなんて・・・ではまず、お邪魔虫達を退治しないといけませんね!そういうわけで、ちょっと殿方達は下がっていて下さいませ!』



すると「‐」モスラの右手に身の丈はありそうな程に大きい銀色の弓が現れ、そのまま弓を空に向けて左手で弦を引く。
それと同時に先端が球状になった光の矢が弓に生成され、球体はみるみる内に大きくなっていく。



「‐」モスラ『これで決めますわ!
降り注げ、閃光!アストラル・レインッ!!』



そして「‐」モスラは叫ぶと同時に左手の指を放し、光の矢を天に目掛けて射った。
光の矢はDG連合のちょうど真上の位置で閃光を放つと同時に拡散し、何百もの小さな矢となってDG連合に降り注ぐ。



ティフォン「む、うううううううう・・・!」
アサナ「なんだこれ、うわぁっ!!」
カナエ「ぎゃあああああああ!!」
デスギー「うわあああああああっ!!」
ブラウニー「こんなのよけれ・・・ケェ~~~ッ!!」



「‐」モスラ『ふふっ、わたくしから逃れられると思って?さて、では本命と行きましょう!』



光の矢の雨にDG連合は一気にダメージを受け、彼らがしばらくは反撃出来ないと判断した「‐」モスラは今度はシン達の元に向かい、彼女達の上空に飛び上がる。



「‐」モスラ『お見せしましょう、愛の奇跡を・・・!
総てを戻す、輝きの雨・・・エターナル・シャワーズ!』



先程とは打って変わった、慈悲深き表情を見せながら「‐」モスラは両手を掲げる。
すると背中のリボンが倍近くにまで巨大化し、七色の輝きを放ち・・・リボンから流れる虹色の雨が、シン達に降り注いだ。



レオ「わぁ・・・!」
ラーバ「ちからが・・・」
チハヤ「もどっていく!」
イシュタル「おかーさん!」
シン「うん!それじゃあみんな、もどるわよ~!!」



虹色の洗礼を浴びながら、目を開けていられない程の瞬きと共にシン達の体は元に戻って行き、それを確認した「‐」モスラは雨を止める。



「‐」モスラ『皆様、元に戻れたようですわね・・・良かった、ですわ・・・』



だが、遥のいない異世界で限られた力を限界まで行使した「‐」モスラは力を使い果たし、目的を果たして安堵した影響か通常形態に戻ってしまい、意識が朦朧としながら地上へ落ちて行く・・・



「‐」モスラ『・・・あら?』



・・・そんな彼女を救ったのは、元の姿に戻ったシン達であった。
五人で落ち行く「‐」モスラの体を受け止め、ゆっくりと地面に下ろす「姉妹」達。



セラフィ「ふぅ、大丈夫そうで良かった・・・」
レオ「姉さん、私達を戻す為に相当の力を使ったんですね・・・」
チハヤ「でも、お陰で元に戻れたよ。」
イシュタル「あとはわたし達に任せて、休んでて。」
シン「それから・・・」
姉妹達「「「「ありがとう!」」」」



「‐」モスラを優しく地面に降ろすと同時に、シン達は強くエネルギーに満ちた瞳でDG連合を見つめながら、彼らへ向かって飛んで行った。



「‐」モスラ『・・・ふふっ、やっぱり貴女達は最高の姉妹ですわ・・・!』



ダガーラ「イ、イシュタルが・・・!」
イードゥ「レオが・・・元に・・・」
シゾット「・・・戻った。」
ベーレム『スゴーイ!!』
ニルヤ「チハヤめ、先に元に戻れて羨ましい限りだな。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・シン・・・!」



「VS」モスラ「私からもありがとう、モスラちゃん。あとは、私達と一緒に休んでいましょう。」
アロナ「私からも、チハヤを元に戻してくださってありがとうございました・・・貴女を、治させて頂きます。大丈夫ですよね?ヒタムさん?」
ヒタム「あぁ。俺もアロナの判断が正しかったと思う。」
バトラ「しかし、あんなのになれるなんてお前凄いんだな。」
イム『~!!』
「‐」モスラ『切り札は最後まで取っておいてこそ、切り札と言えるんですのよ?それに、レオママさんとアロナとイム・・・あと・・・』






遥ーー・・・良かった。姉妹を救えたみたいで・・・
ありがとう・・・モスラ・・・






「‐」モスラ『・・・「特別顧問」がいたからこそ起こせた、奇跡なのですから。』
30/49ページ
好釦