イッツ・ア・スモールワールド




ナイフヘッド「よぉ、トンボ君。さっきから随分生意気だなぁ?反抗期か、リム?」
ジン「滅相もありませんわ、おにーさま♪」
ナイフヘッド「おい!愛しのムタヴォアの声真似すんな!バカにしてんのかぁ!」
ジン「若干そのつもりだよ、ブラザー。」
ナイフヘッド「今度はアックスヘッド兄貴の真似かよ!どっちも結構似てるのがムカつくぜ・・・リム。まぁとにかく、お前もまた俺達に反抗出来ない立場って事を再確認しに来ただけリム。あのクラゲだかイカだか分からないチビが丸焼きになってもいいなら、今度は姐さんの声真似でもすればいいリム!」
ジン「分かってますって・・・」
ナイフヘッド「よろしい、リム。しっかし、姐さんもこの中にいるゴジラ親子がなんで好みなのかが分かんねぇ・・・子供はろくに熱線も吐けない役立たずで、親は見た目は大人で頭脳は子供って言う欠陥ひ・・・!?」



同じ頃、ナイフヘッドが反抗的なジンの態度を諌めつつも「‐」ゴジラ親子への陰口を言おうとした・・・が、その瞬間ナイフヘッドの足元のアスファルトがめくれ上がったかと思うと、ナイフヘッドの顎に強烈なアッパーが叩き込まれた。



ナイフヘッド「ンバーニンガガッ!!」



奇声と共にナイフヘッドの体は宙に舞い、頭から地面に墜落。
それと同時にアッパーの使い手であり、アスファルトをめくり上げた張本人・・・「‐」ゴジラが穴から現れた。
あまりに突飛で想像しえないこの展開に、ジンはたた驚くしかなかった。



ジン「ど、土遁の術!?」
「‐」ゴジラ『ふぅ、やっと外までつながったぜ・・・バラゴンから穴ほりのやり方、おしえてもらっといてよかった~。お~い!チャイルド~!だいじょうぶだからこっち来いよ~!』
チャイルド『は~い!!』



気絶したまま動かないナイフヘッドと固まるジンをよそに、今度は穴からチャイルドが外に出てきた。
そう、あれから「‐」ゴジラはジン達に気付かれないように熱線で器用に地面を掘削し、結晶の檻を地下から脱出したのだ。



「‐」ゴジラ『よっしゃあ!!外に出られたし、みんなを助けっぞ!!』
チャイルド『お~!!・・・あっ!さっきのおにいさんだ!』
ジン「よ、よう。元気そうでなにより。」
チャイルド『うん!にかいめのずきずきはあなのなかにいたから、へいきだったよ!』
「‐」ゴジラ『お前もクリスのなまか、なのか?やるってなら、あいてになるぜ?』
ジン「・・・いや、オレはお前らの味方さ。あいつらの味方のフリをして、助け出すチャンスをうかがってたんだよ。敵を欺くにはまず味方から、ってね。」
「‐」ゴジラ『ほんとか!おれ、前にわるいメガギラスとたたかったことあるからお前をうたがってたんだけど、それならごめんな。』
チャイルド「おにいさん、ずっといやそうにしてたけど、きっとぼくたちをたすけたかったからなんだね!ありがと~!!」
ジン「いや、礼には及ばないって。見て見ぬ振りはしてるし・・・・じゃあ、そろそろあの年増に一泡吹かせますか!来いっ!えんば組!!」
えんば組『『『『ぎょいー!!』』』』



ジンが天に向かって指を鳴らすと、陣形を組んで檻を包囲していたえんば組が全てジンの元に戻って来た。



クリス「あら?トンボ達が動いて・・・えっ?チャイルド親子が脱獄してる!?ナイフヘッドもやられてるし・・・トンボ君、じゃなくてジン?これはなんのつもり?」
ジン「悪いね、姐さん。オレってば忍者だから、魅力のある人の方にコロって移っちゃうんだ。オレは仲間をどうとも思わない拷問が上手い人より、仲間の為に見事な土遁の術が使える人の方がいいねぇ!」
クリス「そう・・・流石は忍者、やる事が汚いわね?せっかく傷付けずにしてあげてた、あのクラゲ娘がどうなっても知らないみたいだから・・・」
スペース「どうなっても知らないのは、お前の方だ!!」



更にその刹那、結晶の檻の一部が砕け散り・・・結晶剣を手に元の年齢に戻ったスペースがそこにいた。
スペースもまた、結晶の檻からのエネルギーを我が物にして元に戻れたのだ。



クリス「スペゴジ君!?しかも元に戻って・・・まさか、私の結晶からエネルギーを盗んだわね?」
スペース「そのまさか、だ。オレがお前と同じスペースゴジラなのを、忘れたわけではあるまいな!」



スペースが右手を上げると、結晶の檻の下からスペースの力によって生み出された、無数の新たな巨大な結晶の棘が瞬時に突き出し、クリスの結晶の檻を木っ端微塵に破壊した。
子供達と親達の自由を奪う檻は無くなり、子供達が続々と檻から出てくる。



ラゴス・ゴジラ「やったぜあにき!!これでおれたち、じゆうだ~!!!」
ジュニア「じゆ~~~だ~~~!!!」
アジゴ・アジマ「「おかあさぁーん!!」」
アイレナ「アジゴ!アジマ!よかった・・・!本当に無事で、よかった・・・!!」
ゆい「お・・・おにいちゃぁん!!あたし、こわかったよぉぉっ!!」
シュウ「ゆい・・・!」
幸「とうしゃああああああんっ!!わああああああんっ!!」
紘平「幸っ!!もう大丈夫だ、もうお前を離さないからな!!」
愛美華「良かったわね、幸ちゃん。兄様・・・」
Jr.「すごい、ほんとに出られるなんて・・・さすがはスペースさん!」
ミニラ「そこにしびれる・・・」
リトル「あこがれるっ!!」
クリス「逃げようったって、そうはさせないわよ?さぁ、私の元に戻りなさぁい!」



檻から逃げようとする子供達に向けてクリスはロッドから緑色の重力光線を放ち、強引に引き戻そうとする・・・が、その前に立ちはだかったのはキングシーサーのミラクルアイだった。



クリス「なっ・・・!」
キングシーサー「光線なら、なんでもお返しですっ!!がるるるるうっ!!」



ミラクルアイは右で全ての重力光線を吸収、左から吸収した重力光線を倍化させて撃ち返し、クリスがすかさず張ったバリアを破っていとも簡単に彼女を弾き飛ばした。
まさに「倍返し」の格好だ。



クリス「うっ、ああああああっ!!」
キングシーサー「ゴジラさんと、約束したんです・・・あの人が帰って来るまで、皆さんを絶対に守ると!だから、絶対に手出しはさせません!!」
リトル「す、すご~い!クリスのあのこうせんもはねかえしたよ!シーサー!」
ミニラ「シーサーさんがほんきになったら、あんなことまでできるんだ・・・!」
スペース「・・・すまないが、ここからはオレがやる。お前は子供達を安全な所に逃がしてくれ。あの女の相手はオレが・・・いや、オレ一人でやらせてもらう!」
キングシーサー「・・・はい。あとはお願いします、スペースさん。さぁ、皆さんこちらへ!」
ラドン「みんな、僕に着いて来て!」
ジン「えんば組!総員、子供達を守れ!」
えんば組『『『『お任せあれ!若様!!』』』』
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好釦