イッツ・ア・スモールワールド







キングシーサー「あうっ・・・!」
クリス「ふふっ、いい気味ね・・・」



その少し前、広場では抵抗出来ないキングシーサーがクリスのロッドで容赦なく殴打されている所だった。
普段のキングシーサーなら特に問題無くロッドを受け止められるのだが、子供達を人質に取られている状況で下手な抵抗や反撃は出来ず、他の者もそれを見ているしかない。



クリス「今の貴女なら間違ってもミラクルアイは使わないでしょうけど、こうやって甚振る方が好みなの。お義兄様にあっちに行った事を後悔させる為にも、貴女にはもっと痛々しくなって貰わなきゃ・・・♪」
シュウ「この最低サイコ女が・・・吐き気がするぜ・・・!!」
ナイフヘッド「おっと、減らず口は慎んだ方がいいぜ?お前の一言でまたチビ共が傷ついてもいいなら、好きなだけ吐いてみやがれ!」
紘平「悔しいのは分かるけどよ・・・今はやめとけ。シュウ。」
シュウ「チッ・・・!」
愛美華「こんな汚らわしいものを私や兄様達に見せた以上は、覚悟は出来ているのでしょうね?」
クリス「あら?私の見立てでは、貴女も案外嫌いじゃなさそうなんだけど?貴女もビオランテなら、尚更。」
愛美華「貴女と一緒にしないで下さる?私が好きなのは、やり過ぎた兄弟へのツッコミとお仕置きよ?」
紘平「それ、相手と加減が違うだけで大して変わんねぇって。」
アイレナ「貴方達はどうして、こんな酷い事をするの!貴方達が悪事さえ働かなければ、私達も貴方達と争う事なんて無いのよ?」
クリス「どうして?そんなの、私達が悪い子で好きにしたい・・・それが私達の生き甲斐だからに決まってるじゃない。貴方達が生き甲斐を阻むから、私達は応戦してるだけよ?」
ナイフヘッド「そうだ!俺達は最初から、てめぇらと根っこの造りが違うんだよ!」
クリス「あ~あっ、何だか私不愉快になって来たわ・・・トンボ君、お願い。」
ジン「あいあいさー。」



クリスに指示され、不愉快そうな態度を示しつつジンは高周波を結晶の檻に発射。
結晶から発せられる宇宙エネルギーによって高周波の威力は増幅し、中の子供達の脳に直接ダメージと苦痛を与える。



子供達「「『あああああああああっ!!』」」
アイレナ「やっ、やめなさいっ!!」
紘平「やめろぉ!!」
ナイフヘッド「はっ!お前らの聞き分けが悪いからだ!だからさっきからおとなしくしてろって言ってんだろうが!」
クリス「それとも、一人くらい犠牲にならないと分からないのかしら?じゃあ、あのミニラの女の子か・・・それとも、双子モスラのお姉ちゃんか・・・どっちにしようかなぁ・・・♪」
アイレナ「ア、アジゴ!?」
シュウ「んの、ヤロォォッ!!」
愛美華「・・・吐き気を催す邪悪、生まれながらの悪と言う事ね。いっそ清々するくらいだわ・・・!」
キングシーサー「私は、どれだけ傷ついても構いません・・・だから、これ以上皆さんを傷付けないで・・・!」
クリス「それを決めるのは、こっちなんだけど?少なくとも、貴方はこれから徹底的に痛めつける予定だから、安心してね?」






ラゴス・ゴジラ「ちっくしょう!!やりやがったなぁー!!いくぞ、ジュニア!」
ジュニア「うん!」
ラゴス・ゴジラ、ジュニア「「おりゃー!!!」」



結晶の牢獄内では子供達が頭を抱えて苦しむ中、ラゴス・ゴジラとジュニアはそれぞれ棍棒を取り出し、結晶をひたすら攻撃し始めた。
しかし、宇宙エネルギーに満ちた結晶はヒビ一つ入る気配が無い。



リトル「ぐすぅ・・・あたま、いたいよぉ・・・」
ミニラ「だいじょうぶ、リトル!?ほら、あたまなでてあげるから・・・」
リトル「ありがとう、おにいちゃん・・・」
幸「おとーしゃぁん・・・はやく、たすけにきてぇ・・・」
ラドン「心配しないで、幸。お父さんも頑張ってるから、幸も頑張ろっ。」
幸「う・・・うん!ぼく、おとうしゃんくるまでがんばるっ!らどんしゃん、ありがと!」
ラドン「どういたしまして。それにしても、子供達をこんな目に遭わせるなんて、絶対に許せない!こうなったら、僕が飛んで外に・・・!」
スペース「やめておけ。上にはバリアが張ってある、お前でもだっしゅつはむりだ。」
ラドン「そ、そんなぁ・・・空の大怪獣の面目、丸潰れだよ・・・」
リトル「ねぇ、おにいちゃん。もしかして、僕がみんな小さくなったらたのしそうっていったから、こんなことになっちゃったのかな・・・?」
ミニラ「そんなわけない!クリスがかってにやっただけだから、リトルのせいなんかじゃないよ!」
ゆい「そうだよ!あのオバサンがパクったのかもしれないし、『ちょさくけんしんがい』で絶対捕まえないと!」
ラゴス・ゴジラ「この!この!こんのぉ・・・っはぁ・・・だめだ、ぜんぜんこわれねぇ・・・」
ジュニア「あれ?このけっしょう、スー兄のとほとんど同じ。じゃあスー兄、どうにかできないの?」
スペース「さっきやってみたがむりだった。今のオレでは、この結晶はこわせない。」
ジュニア「え~っ!!」
ラゴス・ゴジラ「うあ~っ!!ほんと、どーにかできね~のか~!!」
アジマ「お姉ちゃんがもっとひどい事されるなんて・・・俺、嫌だ・・・!」
アジゴ「ふんっ!私に何かしようとしたら、あのおばさんに思いっきりかみついてやるわ!だからアジマも、しんぱいしないの!」
アジマ「でも・・・なら、俺がおとなしく行けば・・・」
アジゴ「それだけはダメ!お母さんが私たちのためにじっとたえてるのに、それをダメにしたらもっとダメなの!」
アジマ「じゃあ、どーすればいいんだよ~!」
ゆい「ここで待とっ?きっと、レジェンドおじさん達がなんとかしてくれるよ!なんたっておじさんは最強だもん!ねっ、幸くん!ミニラくん!」
幸「うんっ!おじちゃん、つよぉ~いもんね!」
ミニラ「そうだよ、ゆいお姉さん!それに僕の父さんだってさいきょうだし!」
Jr.「それなら僕の父さんも、機龍だってつよいよ。」
ラゴス・ゴジラ「オレがおとなにもどれたら、こんなのぶっこわしてやんのに~!!」
スペース「もどる・・・はっ!!そうだ!でかしたぞ、ゴジラ!」
ラゴス・ゴジラ「えっ?」
スペース「この結晶はジュニアの言うとおり、オレのスペース・ミネラルとほとんど同じ・・・なら、オレもこの結晶からエネルギーをうばえるはずだ。」
ラドン「そ、そんな事出来るの!?」
スペース「できるかどうかは分からない・・・だが、このまま指をくわえて見ているのがいやなのは、オレもいっしょだ・・・!やってみるかちはある!」
ラゴス・ゴジラ「なにいってんだ、ラドン。あにきができるっておもったなら、ぜったいできる!だろ、あにき!」
スペース「・・・その通りだ、ゴジラ。」
ラドン「うん!きっとスペゴジなら出来る!僕も応援するよ!」
ジュニア「ボクもスー兄、おうえんするっ!」
Jr.「がんばって下さい!スペースさん!」
スペース「あぁ。じゃあ・・・行くぞ!」



スペースは両手を結晶に置き、自らの体内にあるスペース・ミネラルと結晶の宇宙エネルギーを強引に共鳴させた。
おびただしい量のエネルギーがスペースの両手から全身に伝わって行くが、やはり性質が少々違うからか、スペース・ミネラルに拒否反応が発生し、スペースの全身に痛みが走る。



スペース「ぐう・・・!うあああああっ!!」
ラドン「スペゴジっ!?」
ジュニア「ス、スー兄!?」
ラゴス・ゴジラ「あにき!!がんばれぇ!!」
スペース「うぐぐぐぅ・・・ぁああああああああ!!」
Jr.「スペースさん!や、やっぱりいったんやめましょう!なんだか、やばいですよ!?」
スペース「いや、オレはやめないっ・・・!!もうすぐ・・・この力をモノに、できるんだ!!!」
ゆい「あたしも応援する!がんばれーー!!」
アジゴ「私も!!がんばれぇーー!!」
アジマ「俺もっ!がんばれー!!」
リトル「僕も!!がんばれ~!!」
幸「ふれ~っ!ふれ~っ!おに~いしゃ~ん!!」
ミニラ「まけないで!僕も信じてるから!」



スペース――・・・おぞましい力が、オレの中に入ってくる・・・!
だが、オレは・・・まけない!!
オレを、あまくみるな・・・!
子供になろうと・・・オレは、スペースゴジラだ!!
オレを・・・止められるとおもうな!!
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好釦