イッツ・ア・スモールワールド




ガイガン「くっ、敵ながら天晴れと言った所か・・・だが、ヒジュラスから話を聞いた時に厄介だと思っていた白いバランを消耗させ、要注意怪獣のゴジラ・レジェンドの奥の手も使わせた!攻めるなら今!行くぞ、メガロ!」
メガロ「あいあいさー!」



「‐」バラン達が安堵している隙を突き、ガイガンとメガロは鎌とドリルを突き出しながら一気に突撃した・・・が、それはたった一人の男によって止められた。



ゴジラ・レッド「・・・オレは今、無性に腹が立っている!!」



そう、怒り心頭のゴジラ・レッドだ。
それぞれ片手ずつに持つ鎌とドリルを砕かん勢いで両手に力を込めたゴジラ・レッドはそのまま放射波動を放ち、ガイガン・メガロを弾き飛ばす。



ガイガン・メガロ「「ぐはっ!!」」
ゴジラ・レッド「こんなふざけた事を考えやがったクリス・・・いい奴ぶって子供を騙すテメェら極楽コンビ・・・だがな、オレが一番腹が立っているのはお前だ!!オレの世界のシン・ゴジラ!!」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「・・・?」
ゴジラ・レッド「下らねぇ理由で、こんな奴らにまんまと騙されてんじゃねぇぞ!!そんな友情も無い友達なんて、いる意味あんのか!友達探しなんてな、自分でするもんだ!こんな騒動起こして、迷惑掛けて!誰かにやって貰う事じゃねぇっ!!」
バラゴン『レッドさん・・・』
ドゴラ「そうよ!本当に友達になってくれた人は、友達にそんなひどいことなんてさせない・・・カントさんが、そうだった!」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「・・・う、うるさいッ!!ジブンだって、トモダチをさがしていいならそうする!でも、ブルトンが許してくれない・・・ッ!!だから全部、ブルトンのせいなんだァァァ!!」
ゴジラ・レッド「だったら、本気でソイツにぶつかりやがれ!!友達が欲しいって、ケンカしてでも押し通してみやがれ!!お前は自分さえ良ければいい、楽な方に逃げただけのワガママ野郎だ!!そんな手段を使った、甘ったれた野郎に!友達になってくれるヤツなんていやしねぇんだよッ!!」
「‐」バラン『・・・漸(やや)暴論だが、同時に的確に的を得て要る言葉だ・・・絆とは、其んな簡単に出来る物では無い!』
アンバー『わたくし達の話を、どうか聞いて下さい。わたくし達は、貴方の味方です・・・!』
ガイガン「違う!お前の味方は、オレ達だ!オレ達はお前の望みを何でも叶えてやる!あいつのような独りよがりな事は言わない!惑わされるな!」
ザウルス「独りよがりなのは、お前達の方じゃないか!」
初代ゴジラ「シン・ゴジラの力が欲しいだけの連中が・・・!」
シン・ゴジラ(品川くん)「んんー・・・!!」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「ジブンの・・・だれもジブンの事をしらないくせに!うるさいなァァァァァ!!ジブンは悪くない!!悪くないんだ!!だから、だからあああああァァァア!!」



ゴジラ・レッド達の厳しくも正しい説得を受け入れられずに激怒したシン・ゴジラ(蒲田くん)は、再び溶岩流を発射した。
ゴジラ・レッドも正面から溶岩流を受け止めんと、赤いオーラを纏って両手を炎で包み始める。



初代ゴジラ「お前、一人であれと対抗する気か!?」
ザウルス「む、無茶だ!」
アンバー『無謀な事は止めて下さい!レッド様!』
ゴジラ・レッド「さっきその無謀な事をした、アンタには言われたくないな・・・!悪いが、オレは大人も子供も区別なんてしねぇ・・・ああ言う加減も知らない奴には、特にな!!」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・あ゛(だ)めぇ!!」
レジェンド「!!」



しかし、そこで行動を起こしたのはシン・ゴジラ(品川くん)だった。
第二形態に戻ってからピタリと離れなかったレジェンドの肩をジャンプ台のように使って跳躍し、ゴジラ・レッドの更に前に着地したかと思うと、自ら溶岩流の中へ飛び込んで行った。



ゴジラ・レッド、「‐」バラン「『なっ!?』」
ザウルス、ドゴラ「「えっ・・・!?」」
バラゴン『し、品川くんっ!!』
アンバー『そ・・・そんな・・・!』
初代ゴジラ「どういう事だ・・・!」
コング「・・・」
レジェンド「・・・シン・ゴジラ!!」



シン・ゴジラ(品川くん)「・・・しんお(と)、あかさま・・・しんお(と)、ぶぅさま・・・あかま!
けんか、あ゛めぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」



・・・が、そこへ聞こえてきた叫びと共に溶岩流は消え去り、中に消えた筈のシン・ゴジラ(品川くん)は全身を赤を基調とした、第四形態に似た姿・・・第三形態となって叫んでいた。
第四形態との相違点としては、髪が少々長く揉み上辺りから下が赤色で、服には袖が無くなり、常に体中から湯気が立っている程に体温が高温である事で、この第三形態自体の性質と以前の島根「招待」時にシン・ゴジラ(鎌倉さん)の力を受けて手の封印を解除出来た経験から、シン・ゴジラ(品川くん)はあえて超高熱の溶岩流を受け、その超高熱と同族のエネルギーで自身を強制的に第三形態へ成長させたのだった。



バラゴン『し・・・品川くんまで姿が変わった!?』
ドゴラ「えぇっ!?」
ゴジラ・レッド「・・・ったく。どいつもこいつも無茶しやがって。」
ザウルス「でも、もし俺も品川くんだったら同じ事をしてたかもね。」
初代ゴジラ「本当にその無謀さは昔と変わっていないな。お前は。」
「‐」バラン『他者を助けると言い乍(ながら)、自分を更なる危機に追い込む等、矛盾している・・・然し。」
アンバー『それこそが、どんな生物でも別け隔て無く存在する、群れを作って生きる者の素晴らしい性(さが)なのだと、わたくしは思います・・・!』
コング「・・・シン・ゴジラ、その力もまた脅威的だな。」
レジェンド「・・・無事で、良かった。」



シン・ゴジラ(品川くん)「はぁ、はぁ・・・すごく、あじゅい・・・」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「はッ!!君・・・ジブンの、仲間・・・?」
シン・ゴジラ(品川くん)「うん、あかま。しんお(と)、ぶぅさま。あかま・・・あじゅい。」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「ほんと・・・!?」
シン・ゴジラ(品川くん)「ほんお(と)。あ゛(だ)から、けんかはあ゛めぇ・・・あっ、あじゅゅゅい・・・」



メガロ「・・・なんか、赤いの増えちゃったよ?ガイガン。」
ガイガン「くっ!なんて番狂わせだ・・・!なんとしても、あいつが懐柔されるのは防がなければ!
き、聞け!そいつも仲間のフリをしているだけの、詐欺師だ!そうやって上手い事を言って、お前を・・・」
ゴジラ・レッド「うるせぇんだよテメェは!!いいから黙ってソイツと末長くおねんねしてろォ!!」
ガイガン「っ・・・!?」
メガロ「ひ!」



悪鬼の如き表情をした、先程のブルトンにも負けないプレッシャーを放つゴジラ・レッドの怒号に、生命の危機すら感じたガイガンはつい口を閉じ、メガロも怯えながら今は余計なお喋りをしてはいけないと悟った。
そしてそんな二人をよそに、シン・ゴジラ同士の睨み合いが始まった。



ゴジラ・レッド――ここはお前に任せるから、ちゃんとアイツを説得してくれよ。品川くん・・・
シーサー。サバイヴ。リトル。それに他の奴らも・・・あと少しだけ、待っててくれ・・・!
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好釦