イッツ・ア・スモールワールド
シン・ゴジラ(蒲田くん)「めぇ~~~~~~~~~!!」
と、そこへシン・ゴジラ(蒲田くん)の強烈な金切り声が管制室から聞こえて来た。
バラゴン『うわっと!?』
ザウルス「あの声、あっちの部屋からだ。」
ドゴラ「きっと、あの子だ・・・」
アンバー『わたくし達も行きましょう!』
バラゴン達が管制室に行くと、ガイガン・メガロの前にシン・ゴジラ(蒲田くん)が立っていた。
それぞれ両手に鎌・半々のドリルを生成し、既に臨戦態勢になっている二人を庇っているらしい。
レジェンド、コング「「!!」」
ゴジラ・レッド「お、お前は・・・!」
「‐」バラン『両手の無い、子供・・・?』
初代ゴジラ「五体不満足・・・はっ、まさか・・・!」
ザウルス「ゴジラさんも感じた?俺も思ったんだけど、あの子って・・・」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・あ(な)かま?」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「もうもう!!もうすぐかまのおともだちがいっぱいここにくるのにじゃましないでよぉ!!」
メガロ「いや、邪魔なのは蒲田くんなんだけど・・・」
ガイガン「いや、ここは利用させて貰おう・・・そうだ!オレ達が折角友達が出来ないで困っている、この子の願いを叶えようとしているのに・・・なんて奴らだ!」
メガロ「そ、そーだ!そーだ!」
ゴジラ・レッド「お前らは悪い事しかやった事のねぇ、生粋の悪党共だろうが!」
ドゴラ「だまされないで!この人たちはそうやって、あなたをりようしようと・・・」
ガイガン「黙れスパイ!悪党はお前達の方だ!我々がこの子とその友達の為に用意した怪獣ランドを壊そうとしている連中め!オレ達こそが味方だ、騙されるな!」
「‐」バラン『貴様等、詭弁ばかり並べるな!』
アンバー『わたくし達の話を聞いて下さい!わたくし達はただ、ブルトン様に・・・』
シン・ゴジラ(蒲田くん)「・・・かまは、みんなとあそびたいだけなのに・・・!なんでじゃまするのぉ!!」
ガイガン「蒲田くん・・・いや、シン・ゴジラよ!お前の願いの邪魔をするこいつらを、追い返してくれ!」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「かまの・・・じゃまするやつなんて・・・!!
きえちゃえ、きえちゃえーーー!!
ぶうううううううううううううっ!!」
するとシン・ゴジラ(蒲田くん)の全身から赤い体液が血飛沫のように噴出し、それと同時にシン・ゴジラ(蒲田くん)の全身が赤く、大きくなって行き、やや小ぶりながら両手までも生えた「第三形態」に変化した。
ただ、同じシン・ゴジラでも進化の行き着いた先として第四形態となっている鎌倉さん・品川くんとは違い、蒲田くんは自分の意思で形態を操作出来る点が違う。
バラゴン『し、進化した!?』
レジェンド「・・・いや、違う。」
コング「今の奴は、パワーを調整(コントロール)していた・・・」
初代ゴジラ「あのシン・ゴジラは『進化』ではなく『変化』した、そうだろう?」
シン・ゴジラ(品川くん)「あぁ・・・しょんあ(な)ぁ・・・」
ドゴラ「どうして・・・」
ザウルス「この前のゴジラジオの時、『次のシン・ゴジラは味方なのかも分からない』みたいな事を言ったけど、こんな形で当たるなんて・・・!」
ゴジラ・レッド「別にお前のせいじゃない、気にすんな。問題は、あいつの目をどう覚まさせるかだ!」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「ここからァ・・・出ていけェェェェェェェェェェ!!」
裂けそうな程に見開いた三白眼でゴジラ・レッド達を睨み、シン・ゴジラ(蒲田くん)は半開きの口を開けて咆哮と共に溶岩流を吐き出し、ゴジラ・レッド達に向かわせる。
アンバー『皆様、わたくしの後ろに!』
いち早く動いたアンバーが最前線に立ち、両手を突き出して強力な風の壁を張って溶岩流を受け流すも、溶岩流の勢いは流されたままに壁や床を破壊してしまう程の威力であり、アンバーの全力を持ってしても壁を維持するのに精一杯だ。
アンバー『ううっ・・・!!』
バラゴン『アンバーさん!?』
コング「なんという風圧だ、だがそれでも防ぎきれないかもしれん・・・」
ドゴラ「そ、そんな・・・」
「‐」バラン『私も力添え掏るぞ!アンバー!』
アンバー『いえ、バランはわたくしの後ろで壁を作って下さい・・・!わたくしの壁が破られても、皆様を守れるように・・・っ!!』
「‐」バラン『何を馬鹿な事を言って要る!犠牲にでも成る積もりか!』
ザウルス「そんなの駄目だよ、アンバーさん!なぁゴジラさん、あんたのかめはめ波でどうにかならないの!?」
初代ゴジラ「下手に撃てば、あの溶岩流の勢いに巻き込まれて逆効果になるだけだ・・・!」
ゴジラ・レッド「上手く溶岩流の勢いに巻き込まれる事なく、あのシン・ゴジラの足元をすくえる、正確で強力な一撃があればいいのかもしれないが・・・そんな職人技、流石にオレにも出来るかどうか・・・!」
シン・ゴジラ(品川くん)「しお(ろ)さま・・・?」
レジェンド「・・・無茶をするな。下がっていろ。」
そこへ突然、何の気配も無く歩いて来たレジェンドがアンバーの隣に立ったかと思うと、背中の刀を抜刀。
刀身が何故か既に青くなっている刀をそのまま無造作に振り下ろすや、必殺技の斬撃波が繰り出され、溶岩流を切り裂いてシン・ゴジラ(蒲田くん)の足元に直撃し、体勢を崩したシン・ゴジラ(蒲田くん)が転倒した事で溶岩流が収まった。
シン・ゴジラ(蒲田くん)「うわあァァァァッ!!」
ゴジラ・レッド「・・・マジかよ。アイツ、職人技を普通にやりやがった・・・」
コング「・・・『王の一族』の末裔だけあって、やはり大した奴だ。脅威的なまでに。」
シン・ゴジラ(品川くん)「ぽぽしゃま、しゅご~い!」
アンバー『恐らく、シン・ゴジラ様に配慮して・・・ここに移動するまでの間にエネルギーを少しずつ刀に集め、緊急時に一回でも技が使えるようにしていたのでしょう・・・流石は、レジェンド様ですね・・・』
それと同時にアンバーも力無く座り込み、慌てて「‐」バランとバラゴンが駆け寄る。
バラゴン『はっ!アンバーさん!?大丈夫ですか!?』
「‐」バラン『御前の力の供給源たるニンゲン、ミコ(巫子)のホノカが不在の癖に無理に力を引き出した結果だ・・・馬鹿者め。』
アンバー『申し訳ありません・・・ですが、わたくしはバラン達とあのシン・ゴジラ様が争い傷付く事だけは、避けたかったのです・・・』
レジェンド「・・・だが、お前がいなくなれば何の意味も無い。己も、寂しい。」
アンバー『そう、ですね・・・先程はありがとうございました。レジェンド様。貴方は本当に偉大で、素敵なお方ですね。』
レジェンド「・・・。」
バラゴン『・・・あれ?レジェンドさん?』
「‐」バラン『彼の妙な様子・・・もしや、御前もか!?』
シン・ゴジラ(品川くん)「ぽぽしゃま、しお・・・しゃあ(じゃな)い。あんさま、あ゛(だ)いすき。ぱぱぱぱ~ん。」
レジェンド「・・・シン・ゴジラ、黙るんだ。」
シン・ゴジラ(品川くん)「ん~!!おうい(おくち)、ひゃぁうぅ(チャック)!」
「‐」バラン『成る程・・・為らば今後、御前の事を隅々迄見極めねばな・・・!』
レジェンド「?」
バラゴンーー・・・うーん。
これはこの騒動が解決しても、新しい争いが起こりそうっすねぇ・・・