イッツ・ア・スモールワールド




バトラ「あっ、そうだ・・・おい、ゴジラ。だったら、土下座でもしてみるか?」
ザウルス「えっ!?」
ラゴス・ゴジラ「やまとのでんとうげいのう、だっけ?」
ザウルス「でも、それで丸く収まるなら・・・」
「VS」モスラ「もう、あなたったら何をさせようとしているの!」
レオ「ゴジラさんにいじわるしたら、だめ!」
バトラ「じ、冗談だって。ちょっと一回やらせてみたかっただけで・・・ほんの出来心で・・・だ、だから・・・」
「VS」モスラ・レオ「「・・・」」
バトラ「見るな・・・そんな目で俺を見るなぁっ!」
スペース「ふん。じごうじとく、だな。」
シン「スペゴジ~、かっこつけてるけど、かっこよくないよ~♪ねっ!イシュ!シンゴジ!」
イシュタル「だって、スペゴジもおかーさんといっしょだもんね~。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」
ラゴス・ゴジラ「だから、どげざしなくていいからな!Jr.パ・・・あれ?でもいまはザウルス?どっちだ?」
ザウルス「とりあえず、ザウルスでいいよ。ラゴス。ありがとう。」
初代ゴジラ「ゴジラ・・・いや、ザウルス。性格まで昔になったか。」
ザウルス「そういうきりゅ・・・ゴジラさんも、ほんとに昔みたいだよ。でも、昔よりはずいぶん優しそうだけどね。」
初代ゴジラ「・・・それはきっと、満足度の違いだ。」
アイレナ「・・・初代ゴジラ、それが貴方の本来の姿なのね。」
ザウルス「あんたは・・・」
Jr.「アイレナ、さん・・・」



初代ゴジラとアイレナが顔を合わせるや、ベビー時代に戻ったJr.の小さな胸の中は不安で一杯になる。
幼児化しても忘れない記憶・・・2004年、アイレナと初めて会った時の事がJr.の脳裏に蘇ったからだ。









アイレナ『「生命は、定められた時の中にこそあるべし」。機龍・・・いえ、初代ゴジラ。もし、貴方がこのままこの地上に居続けるなら・・・私は、貴方達の敵にならなければなりません。』


Jr.『俺は嫌だ・・・機龍を、仲間を失うのは!それでもって言うなら・・・俺は戦う。あんたとも!機龍とも!』


機龍『・・・なら、俺もお前達と戦わないといけない。何故なら、今の俺は対ゴジラ・怪獣用決戦兵器。「MFS-3 三式機龍」だからだ・・・!』


――・・・人間共、これで満足か・・・?
こんな事になってまで、こんな世界を守って・・・
俺は・・・嫌だね。



ゴジラ殲滅の為に、人間の手で機械の体となって蘇った機龍。
機龍を取り戻す為に、父に代わって機龍と戦っていたJr.。
そして、そんな二人の前に現れた命の摂理の代弁者・アイレナ。
三種三様の考えは平行線を辿り、遂に争いに至ってしまった。
傷付きながら、己の信念と願いを叶える為に戦う三人の戦いは、いつ果てる事なく続くと思われた・・・が。



アジゴ・アジマ『『おかあさん、やめて!!』』
アイレナ『あ、貴方達・・・!』
アジゴ『そのゴジラ、きかいになってもいきてるんでしょ?だったら、もういじめないで!』
アジマ『そっとしてあげようよ・・・いきてちゃいけない、いのちなんてないじゃないか!』
アイレナ『・・・そうね。貴方達の言う通りだわ。命の居場所は私が決める事じゃない、本人が決める事なのだから・・・』



茜『機龍はもう、戦いたくないのかもしれない。』
義人『機龍・・・お前は、眠りたかったんだな・・・ごめんな、機龍・・・!』
機龍『茜さん、義人・・・俺の思いを・・・分かってくれたのか・・・!!』



「VS」ゴジラ『もうよせ、Jr.。』
Jr.『父さん!でも!』
「VS」ゴジラ『お前も、あのモスラも、人間共も、機龍さんの本心は分かった筈だ。なら、あとは機龍さんの好きにさせてやるんだ。』
Jr.『それでもっ!!
・・・うん、分かった・・・!』



各々に理解者が現れ、争いは終わり・・・最終的に「彼」の意思が尊重される事となった。



五十嵐『機龍を・・・永久投棄とする。』



五十嵐(現・元)総理の命令により、機龍は日本海溝へとその身を投げ――理解者・中條義人は一緒に心中させずに助け――、彼の対ゴジラ兵器としての役目は終わった。



『SAYONARA
 YOSHITO』



義人『機龍うううううううううううううっ!!』



アイレナ『貴方達の勇気に、感謝を示します・・・初代ゴジラの魂は、生命の揺り篭の中に戻って行きました・・・あとは、神のみぞ知る領域です。彼がこのまま永遠に揺り篭の中にいるのか、それとも戻って来るのか・・・』
アジゴ『さよ~なら~!』
アジマ『さようなら・・・』



Jr.『さよなら・・・機龍。』
「VS」ゴジラ『・・・これで満足か、機龍さん。』



機龍の最後を見届けたJr.親子とアイレナ親子も去って行き、以降この世界での人類と怪獣の大規模な争いは、ほとんど見られなくなった。
それから、約一年後。
2005年・ある夏の日・・・






『久しぶりだね、義人。』


『久しぶり、機龍。』




『元氣そうでよかったよ。茜さん。』


『ありがとう・・・機龍。』






Jr.『う、うそ・・・!』
「VS」ゴジラ『・・・神様とやらに、なんて言って来たんだ?機龍さん。』



『・・・まだ、満足出来ねぇぜ。ってね。』



「彼」はただの「機龍」として、再び帰って来た。
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好釦