イッツ・ア・スモールワールド







「「「『あ~っ!!』」」」



広場では勿論、怪獣達が大混乱の渦に巻き込まれていた。



チハヤ「・・・あれれ?」
ラーバ(セラフィ)「からだが・・・」
幸「ちいさくなってる!」
シン「う、うそーーーーーっ!!?」



悪しき怪獣達の手によって放たれた退行化光線によって、怪獣達が幼児になってしまったのだ。
記憶こそそのままだが、体付きが明らかに昔の・・・子供の頃に戻っており、人格も年齢相応の頃にまで退行しているようだ。



ラゴス・ゴジラ「オ、オレもだ!」
スペース「オレも・・・だと!?」
イシュタル「わたしも!ようちゅうにもどっちゃった!」
レオ「うーん・・・?」
ミニラ(サバイヴ)「お・・・僕もミニラにもどって・・・んっ?俺っていうより、僕って言う方がへんじゃないかんじ・・・」
Jr.「僕もだ・・・」
ニルヤ「俺まで・・・!?そんな馬鹿なっ!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・!?」
シン・ゴジラ(品川くん)「あー、あー。」



緑色のラインが入った黄緑のワンピースを着た、ポニーテールからセミロングに髪型が変わった幼獣イシュタルを筆頭に、体のパーツ一つ一つがミニマムな、幼獣期に逆戻りしたラゴス・ゴジラ達。
赤基調のワンピースを着て、濃茶の髪を小さくツーサイドテールに結った赤い目の「ラーバ」と、リトルとお揃いのサスペンダーがよく似合う灰色の髪の「ミニラ」の頃に戻った、セラフィとサバイヴ。
双方ブラウンのショートヘアーの幼虫期に戻ってしまった、ちょっと強気な麻呂眉毛のわんぱく少女のチハヤと、今に比べて男の子に近い雰囲気の顔立ちになったレオ。
同じく「ベビー」期に戻った、群青色の短髪に大きな瞳に加えてこの中で最も幼く、あどけない様子が見る者を癒す幸と、切れ長の目がほんわかな印象になり、青みがかってやや短くなった髪型のJr.。
両方第二形態となった、シンと出会った頃そのままのシン・ゴジラ(鎌倉さん)と、注連縄が付いた山吹色のダボダボの幼児服に、フードを被った姿が母性本能を強烈に刺激するまん丸目玉のシン・ゴジラ(品川くん)。
そして何故か、アサナ・ティフォンと同じSD体型になっていたニルヤ。
無論、元から子供である怪獣達は変化が無い。



リトル「うわあ~!みんなちっちゃくなってる~!」
チャイルド『ほんとだ~。』
ゆい「みんなかわいい~♪」
アジゴ「私といっしょくらいね!」
アジマ「兄弟が増えたみたいだ・・・!」
ジュニア「ボクら、お兄ちゃんだね!」



だが、何故か幼児化していない者もおり、その事とも合わせてこの異常事態にただ驚くしかない。



「‐」ゴジラ「・・・あれ?おれ、戻ってねぇぞ?」
紘平「そういや、俺も。」
レジェンド「・・・己もだ。」
「‐」モスラ『わたくしもですわ。』
「‐」バラン『先程の妙な光線を防御した、其れだけでは無いのか?』
ゴジラ・レッド「確かにそうならオレが庇ったシーサーが元通りなのは納得だ。だが、ならどうしてオレも子供にならない?」
愛美華「私も兄様と一緒に防御したけど、それでもノーガードのレジェンドさんには確実に直撃していたわよ?」
キングシーサー「一体、この違いは何なのでしょうか?」
アンバー『・・・はっ!もしや、自分の年齢の認識がはっきりしていない方や、既に親の身の方には効果が無いのでは?』
「VS」モスラ「それなら私やあなた、チャイルドパパやアロナちゃんにあのレジェンドって人が元通りなのも納得出来るわ。」
ダガーラ「俺はそこの池に飛び込んで回避したが・・・」
イードゥ「俺もだ。それに自分の年齢もよくは分からない。」
シゾット「だが・・・」
ベーレム『ニルヤハ「定員オーバー」ダッタッテコト?』
アロナ「私とヒタムさんは一度生まれ変わってますから、きっとそうですね。」
ヒタム「俺もアロナも自分が今何歳かなんて、考えた事も無かったな・・・」
ラドン「でも、じゃあなんでシンは小さくなったの?シンは間違いなくイシュのお母さんだよ?」
バトラ「そりゃ、あの二人は親子って言うよりは友達みたいな感じだからじゃないか?友達親子、ってやつ。」
アイレナ「機龍、その姿・・・!」



更に、確かに退行はしているのだが・・・この二人はまさに「昔の姿」に戻っていたと言った方が適切であった。



ザウルス「あっ!?俺、ゴジラザウルスに戻ってる!」
初代ゴジラ「・・・この姿も懐かしいな。」









???「いやぁ~、それにしても着くやいきなり光線が飛んで来て、びっくらこいたねぇ~?しかもうっかり光線浴びたキミが昔の姿に戻っちゃうなんて、びびでばびでぶぅ~!」
???「・・・」
???「そもそも、キミが筋トレのし過ぎで遅れるからいけないんだよ?ボクちゃんあれだけ時間厳守って言ったのに、なっ!」
???「・・・太陽の位置でしか刻が分からぬオレに時間を守れ?バカバカしい。」
???「も~、ボーちゃんったらいつにも増して感じ悪いねぇ?」
???「ボーちゃんと呼ぶな・・・」



それからしばらくして、怪獣ランドの入り口に見慣れない二人組の男が現れた。
どちらも常人離れした筋骨逞しい肉体と褐色の肌をしているが、一方は真黒、一方は真白の色の髪であった。
移動民族のように頭に巻かれた布の隙間から覗かせる、「K」の形のような黄色い痣が全体に刻まれた顔、見ただけでストイックさが伝わる寡黙で黒髪短髪の青年の名は、キングコング。
UW出身で、髑髏(ドクロ)島と言う獰猛な怪獣達がひしめき合う弱肉強食の世界の頂点に君臨する、まさに「王」たる存在だ。
もう一人の口も態度も軽い、痣が無く糸のように細い目が特徴の顔に、透明なマントを肩から羽織っている白髪セミロングの男の名は、レガシィコング。
キングコングの知り合いであり、今回は彼の付き添いとして同行している。
そう、UWの招待主が言っていた「最後の一人」とは、キングコングの事だったのだ。
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好釦