イッツ・ア・スモールワールド








それから一時間程が過ぎ、ゴジラタワーから突然アナウンスが入った。



『ご連絡申し上げます。至急お伝えしたい事があるので、皆様全員広場までお越し下さい・・・』



ゴジラ・レッド「広場に?ったく、オレとシーサーの時間を邪魔するとはな・・・!」


紘平「広場?どこだったっけ?」
愛美華「えっと・・・兄様、こっちみたいよ。」


「‐」ゴジラ『よっしゃぁ~!!おれ達のかちだ・・・って、えっ?』


「VS」ゴジラ「やっと終わりか?」
機龍「とにかく、行ってみるか。」



何事かと疑問に思いながらも、怪獣達はイベント等に使われる予定である広場に集合する。
そしてその様子を、ゴジラタワー最上階の管制室のカメラ映像越しに見つめる、複数の影があった・・・



ガイガン「・・・よし、全員来ているな。ゴジラ・レッド辺りが来るか怪しいと思ったが、杞憂だったか。」
メガロ「いいなぁ、僕もガイガンと乗りたいなぁ~。」
オオタチ「何言ってるの?あんたなんか行ったら計画がバレるじゃない。絶対ダメよ?」
レザーバック「まぁそう言ってやるな、オオタチ。またどっかで勝手にやらせといてやれ。」
ヒジュラス『ふん、あんな連中と共に楽しむなど、俗物めが・・・それより姫を誘おうとしたあの軟派鳥めが!許さんぞ!後で極刑に処してくれる!』
クリス「それも計画に支障が出るから、やめなさい?まぁ私も、もう少しリトルやチャイルド達を見ていたかったわぁ・・・」
ナイフヘッド「いや姐さん、これ以上はフードコートの奴らが帰る危険性があるし駄目だ!」
ティフォン「そうだ・・・我が念願の『子沢山(ハーレム)計画』を、汝ら雑兵に邪魔されるなど、誠に遺憾としか言い様が無い。さぁ、早急に計画開始だ・・・!」
アサナ「ボクもさんせ~い。もうさっきからチハヤちゃんとかあの子とかあの子とか早くイジメたくて、ウズウズしてるんだよ?」
ブラウニー「おっと、お姫サマはオレに置いといてくれよ?あのチハヤってのはオレも恨みがあるがなぁ!ケーッ!」
カナエ「俺は断然レオ!俺は同じ日に生まれたあいつを、ぜってぇ許さねぇ・・・ってか!俺を『カナエ』って書くな!俺の名前は『デスギドラ』だ!」
死魏怒羅「はっはっは!何でもいいよ、おれはシンとイシュタルにリベンジ出来ればな!お前ら、とことん暴れてくれよ~!!」



細身の身体に藍色のレザースーツを着込んだ、鋭く尖った青い髪と赤い瞳が特徴的な青年は、獣人界きってのヒール怪獣のサイボーグ怪獣・ガイガン。
白いキトンを纏い、頭部から甲虫の如し銀色の一本角を生やしたショートカットの茶髪少女は、ガイガンのパートナーである地底怪獣・メガロ。
頑強なメタボリック体型を惜しげ無く晒す、両肩の黒い角と青く燃える炎のような髪といかつい顔付きが特徴的な大男は、カテゴリー4の「KAIJU」のレザーバック。
チューブトップの上から青いコルセットを腹部に覆い、藍色のTバックという扇情的な格好に相反する、口のように三本の牙が生えた禍々しい尾を持つ銀髪の女性はカテゴリー4の「KAIJU」でレザーバックの妻のオオタチ。
オオタチが両手で抱えている、おしゃぶりをくわえた赤子の女児は、夫との愛の結晶である我が子のコタチ。
高圧的な態度を身に纏っている、地に付きそうな程に長い金髪と全身白の高貴なスーツ、常に余裕綽々な美麗な顔立ちをした男はUWのグランドギドラの、ティフォン=フリサフェニオス。
無邪気さと邪気さ、相反する印象を感じさせる、黒と赤の古風な衣装と全てを見下す真紅の鋭い眼差しを向ける黒髪の少年はUWのデスギドラのアサナシオス。
肘までの意味がなさそうなマントと背中に無意味そうなヒラヒラが付いた全体的に黒っぽい衣装に、前髪を半分に分けアホ毛が後ろへ向かって2本立っている、黒めの銀髪に赤眼のチャラ男は人間界のデスギドラのカナエ。
白童子風の出で立ちと、足や顔に付いた幾つもの古傷が印象強い、高笑いをする黒髪ロングの男は怪獣界の死魏怒羅(デスギドラ)だった。
加えて、以前の「招待」に乱入したクリス・ナイフヘッド・ヒジュラスに、「ゴジラジオin京都」に乱入したブラウニーがいる。



ナイフヘッド「お前ら、うるせぇぞ!俺達KAIJU達をこきつかってこんな施設を作らせたんだから、絶対に成功させるぞ!リム!」
ガイガン「そうイライラするな、ナイフヘッド。あれはまさに一夜城、いい仕事だったぞ。さて、『テイル・リバース』も起動可能だ・・・これより、作戦に移る!」



そう・・・実はこの怪獣ランド自体が、悪しき怪獣達が用意した罠そのものであり、数日前にセラフィの夢の話を聞いたクリスが他の悪しき怪獣達を巻き込み、欲望渦巻く計画を企てたのだった。
このゴジラタワーの中枢にして、対象の時間を逆行させてしまう退行化装置「テイル・リバース」を使い、怪獣達の弱体化と一部のメンバーの汚れた少年・少女愛を満たす、趣味と実益を兼ねた計画を。



クリス「うふふっ、私のアイデアも怖いわぁ・・・可愛い男の子が欲しいなら、みんな子供にしてしまえばいいなんて、ね♪」
ティフォン「いや、これは我の崇高な理想郷。我が悲願・・・その偉大な第一歩への協力へは感謝の意を示そう。分かったなら勿体ぶらず、計画実行だ!」
ガイガン「あくまで、怪獣達の弱体化が目的なんだがな・・・」
クリス「そうそう、もうちょっとだけ待っててね?貴方の友達を、たっくさん連れて来てあげるから・・・」
シン・ゴジラ(蒲田くん)「ほんと!!やったぁ~!ば~ぶ~っ!!」
ナイフヘッド「あ~、もう!始めっぞリム!くらえ、怪獣共!ばぶばぶビィ~ムッ!!」



何故か悪しき怪獣達の後ろの椅子に座って喜ぶ、蒲田くんこと獣人界のシン・ゴジラ。
そして今、計画の第二段階である退行化光線がゴジラタワーの口から、広場の怪獣達に向けて発射された・・・
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好釦