イッツ・ア・スモールワールド








しばらくして、異世界の怪獣達も怪獣ランドに到着。
各々が自由に別れ、自由にアトラクションを楽しんでいた。






まずは遊園地と言えばまず名前の挙がるであろう、観覧車。
観覧車にはゴジラ・レッドとキングシーサーが早速乗り込んでおり、二人だけの空間で愛を確かめ合う。



キングシーサー「私、この観覧車が大好きです。皆さんで来ている筈なのに、こうしてゴジラさんと逢瀬の時のように、二人っきりでいられますから・・・」
ゴジラ・レッド「そうだな。だが、一応は周りの目がある。それさえなければお前にいくらでも触れられるんだがな・・・」
キングシーサー「もう、リトルさんや子供達も来ているんですからそれはいけませんよ?ゴジラさん。どうしてもと言うなら・・・「招待」が終わってからで・・・」
ゴジラ・レッド「分かってる。でも肩を寄せ合うくらいは、させて貰うぞ・・・」



メガニューラ『お疲れさまで・・・って、あれ?まだ乗るんですか?』



更に一つ飛ばしてのゴンドラにはイシュタルとダガーラが、これまた更に一つ飛ばしてのゴンドラにはイードゥとレオが乗っていた。
勿論、双方共にダガーラ組が誘っている。



イシュタル「わぁ、飛んでないのに飛んでるみた~い!」
ダガーラ「そ、そうだな・・・」
イシュタル「もう、ダガーラったらまた固い顔してるよ。せっかくこんなに楽しい所に来たんだから、もっと笑って。」
ダガーラ「あ、あぁ・・・こうか?」
イシュタル「う~ん、まだ固いなぁ・・・わたしやってみるから、見本にして。ほら、ニコーッ!」
ダガーラ「!!!」

――お・・・俺にとってそれはまるで、微笑みの爆弾・・・!



レオ「こうやって空から世界を見てみるのも面白いね、イードゥ。」
イードゥ「あぁ、そうだな。」
レオ「でも、せっかく他の世界のダガーラが来てるのに、一緒に集まらなくていいの?」
イードゥ「時間はまだあるから、また後で集まればいい。そう思っただけだ。」
レオ「そう?だったら、もうちょっとだけ楽しもっか。」
イードゥ「あ、ありがとう。楽しみだ。」



メガニューラ『・・・おりろよ。』






次にこれまた遊園地のアトラクションの代名詞、メリーゴーランド。
基本的には親子連れが乗るアトラクションだが、このメリーゴーランドには意外な人物が乗っていた。



シゾット・ニルヤ「「・・・」」



そう、残り二人のダガーラ組だ。
それぞれペアになりそうなチハヤ・セラフィをを差し置いてここにいる理由、それはなんとも彼ららしいものだった。



シゾット・ニルヤ「「・・・海の中にいる気分だ・・・」」
ベーレム『ダッテ!』



一方で、そんな二人を後方の馬から見ながら溜息をつくのは「‐」モスラ。
他二人と違って何故セラフィとチハヤを誘わなかった事に疑問を感じて着いて行き、二人の様子からその事情を悟ったと共に、恋愛感情の薄さに落胆していた。



「‐」モスラ『あの二人にとって、優先順位は新モスラより海ですのね・・・なんだか、がっかりですわ・・・』



アジゴ「わぁ~い!」
アジマ「わーいっ!」
アイレナ「アジゴ、アジマ、ちゃんと柱に捕まっているのよ?」



「‐」モスラが他の馬に目を向けると、アイレナ・アジゴ・アジマ親子が仲良く楽しんでいた。
他にも誰か乗っていないか、「‐」モスラが更に見回すと・・・



レザーバック「うぉぉぉぉぉっ!!こりゃタノシーぞぉぉぉぉぉ!!」
オオタチ「全力で楽しむレザーったら、素敵よ~!コタチはど~う?」
コタチ「・・・(こたち、たのしい!)」



「‐」モスラ『あの一家・・・もしかして、いつぞやの「カメゴリー4」さん?』






次もアトラクションそのものとして普遍的である、ジェットコースター。
三席で一列のコースターに、前からJr.・サバイヴ・幸・紘平・愛美華が搭乗しており、今まさにジェットコースター恒例の下りコースを走っていた。



Jr.「うおぉぉぉぉぉっ!!」
幸「さいこおおおおおっ!!」
サバイヴ「うっ・・・!」
愛美華「きゃあ~、兄様~!」
紘平「抱きつくな、愛美華ーー!!」



メガニューラ『お疲れ様でしたー。』



下りコースを持ってジェットコースターは終わり、五人は従業員のメガニューラに連れられてコースターから降りる。
Jr.とサバイヴはややきつかったのかぐったりとしているが、他三人は何事も無かったかのようにピンピンしていた。



Jr.「はぁ、すごかった・・・」
サバイヴ「慣れない衝撃だった・・・」
幸「僕は何度も乗ってるから平気だけど、二人は初めてだからちょっときつかったかな?」
サバイヴ「こ、こんなの平気だ!怪獣と戦うのに比べたら・・・」
Jr.「慣れるくらい乗ってるって、凄いなぁ・・・でもまぁ、これで『新』ゴジラ同士、ちょっと仲良くなれたかな?」
幸「ニュージェネレーション枠って事だね。なんか胸熱!」
サバイヴ「俺も悪くない・・・と思う。」



愛美華「幸ちゃん達、若いゴジラ同士で青春しているわね。それじゃあ私は、兄様と二人で甘酸っぱい恋枠をしましょうか♪」
紘平「アオハルかよ。って言うか、俺と愛美華は兄弟なんだから変なくっつき方すんなって。勘違いされるだろ?」
愛美華「あら、今でも兄弟同士の恋愛って人気があるのよ?だったらそのニーズにお応えしないと、ね?」
紘平「お前がしたいだけだろ。はぁ・・・」



強引な理論で恋人繋ぎをしてくる愛美華に、紘平は深く溜息を付くのだった。
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好釦