イッツ・ア・スモールワールド








数日後、獣人界のある場所で 「招待」が行われる事になり、各異世界で怪獣達が集合場所に集っていた。
今回は各異世界で新旧入り交じって多数の怪獣が参加する事になっており、ここUWでも続々と怪獣達が集まっている。



レジェンド「・・・招待主曰く、後から一人来るらしい。」
紘平「つまりシークレットゲストか。楽しみだな。」
愛美華「私と兄様の、愛の逃避行も楽しみね♪」
幸「本当に逃避行したら駄目だよ?ミカ姉。それにしても誰が来るのか、わくわくだね。父さん。チハヤ。」
チハヤ「まぁ、あのバカギドラみたいなのが来ないなら誰でもいいよ。突っ込む覚悟は出来てるし。」
ニルヤ「突っ込むのに覚悟が必要?どんな連中なんだ・・・?」
シュウ「けっ、招待主かなんだか知らねぇがもったいぶりやがって。絶対ロクな奴じゃねぇな。」
ゆい「そんな事言わないでよ~、お兄ちゃん。あたしはすっごく楽しみ!」
アロナ「私も楽しみです。チハヤと、貴方と一緒にあの時出会ったモスラさん達に再会出来るなんて・・・!」
ヒタム「そうだな。俺も楽しみだ。」
シン・ゴジラ(品川くん)「かまさま、かかさま、あいあ(た)いあ(な)ぁ。」



全身灰色のツナギを着た、サバサバとした印象の黒髪の男。
所謂「平成ゴジラ」の紘平。
紘平の息子で、深緑のジャケットの下に緑黄色のインナーを重ね着した少年。
UWのゴジラジュニアの幸(さき)。
バンダナのような布を額に巻いた、ヒレに似た耳と鋭い目を持つ屈強な男。
UWのダガーラのニルヤ。
無造作ながら、何処か猫耳のように左右に跳ねた薄黒のセミロングヘアーが特徴のストリートファイター。
「最終戦争」の勝者となったゴジラのシュウ。
シュウの妹で、灰の短髪とワンピースを着た小学生高学年程の少女。
UWのミニラ、愛称はゆい。
以前人間界に迷い込んだチハヤの両親、たおやかでやわらかな雰囲気に包まれた極彩色のドレスの女性・UWの親モスラのアロナと、ジレのような複雑な服とレギンスを着こなすツンツン頭の男性・UWのバトラのヒタム。
それに愛美華を加えた、今回最多のUW新規参加怪獣達だ。






人間界、シン・ゴジラ(鎌倉さん)の小屋・・・



シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」
Jr.「シンゴジさん、またシンさんの事を考えているのかな。」
「VS」ゴジラ「だろうな。」
機龍「この前、レッドの世界で二人のシンゴジとシンの合同誕生日をしたんだっけ。一日違いの誕生日、満足しないわけがないよ。」
「VS」モスラ「それは素敵ね。いつか、モスラ姉妹で誕生日会をしたいわ。」
バトラ「その時はボディーガード役として、メンズ組も呼び掛け頼むな!」
レオ「もちろんよ。それからイードゥにアイレナお母様、アジゴ、アジマ、今日は来てくれてありがとう。」
イードゥ「あぁ。折角のレオからの誘いだ、断るわけにはいかない。」
アイレナ「私も久々に行けて嬉しいわ。でも、まさか・・・」
アジゴ「あれ?どうしたの、お母さん?」
アジマ「機龍さんをじっと見てるけど・・・」
アイレナ「なんでもないわ。アジゴ、アジマ。さっ、行きましょう?」



深海の緑色をした髪とカナリア色の虹彩を持つきつめの瞳、民族舞踏の衣装を彷彿させる格好をした青年。
人間界のダガーラの、イードゥ。
オレンジ色の長髪、水色の澄んだ眼差し、首元に白いファーが付いた黄色い衣装と帽子が印象的な、モスラ姉妹の長女・アイレナ。
彼女の子供である、双子の幼虫モスラ。
親譲りの水色の目と異なる茶色の髪、服は二人で鏡揃いになるようにした、毛先を揃え後髪を短めのポニーテールにした姉のアジゴと、シンプルにセミロングにした弟のアジマ。
イードゥは新参、アイレナ親子は4年振りの「招待」参加だ。






怪獣界・怪獣島・・・



ラゴス・ゴジラ「よっしゃあ!じゃあみんな、行くぜ!」
シン「シンゴジにモスラ姉妹に、会いに行くぞ~!!」
ジュニア「お~っ!!」
ラドン「待っててね、チャイルド!子供のみんな!」
イシュタル「ダガーラ、今日は来てくれて本当にありがとう。」
ダガーラ「いや・・・イシュタルの頼みを、断るわけにはいかない。」
スペース「しかし、今回行くテーマパークとは何だ?変な所で無ければいいが・・・」



いつもの五人組に、「招待」されるのは初めてのダガーラと久々に参加のラドンを交えたメンバーだ。






「‐」世界、鍵島・・・



「‐」ゴジラ『そろそろだな・・・』
チャイルド『らどん、じゅにあ、しながわくん、みんなにはやくあいた~い!』
「‐」モスラ『今回はアイレナお母様とアジゴ、アジマに久々にお会い出来るなんて、嬉しいですわ~!』
アンバー『四年前、わたくしとバランが法師様とお会いしていた時に来られていたのでしたね。』
「‐」バラン『彼の時か・・・本当に色々な事が有った「招待」だったな・・・』
バラゴン『あっ、あと俺っち今日向こうで待ち合わせしてる人がいるんで、後から行きますね~。』
「‐」ゴジラ『待ち合わせ?』
チャイルド『えぇっ、ばらごんこないの?なんで~?』
バラゴン『大丈夫だよ~、その人と合流したらすぐ行くから。一応その人「シークレットゲスト」扱いらしいから、俺っちが案内しないとね~。』



出雲「招待」時と同じメンバーだが、何故かシークレットゲストを知るバラゴンはしばらく別行動となった。







そして、今回の「招待」の舞台である獣人界。
ゴジラ・レッドを筆頭にした今回の参加メンバー達は、集合場所の「ある施設」に向かっていた。
ちなみに今は真冬と言う事で、ゴジラ・レッドは紺のロングコートを羽織っている。



セラフィ「シゾット、来てくれてありがとう!他の世界のダガーラ達も来るみたいだし、楽しみね。」
シゾット「別に・・・」
ベーレム『「俺と同じウチナン(沖縄)仲間のキングシーサーがいるから来ただけだ」、ダッテ!』



セラフィと共に歩く、半魚人を思わせる全身に黄色い鰭が付いた緑の服を着た、クールな青年の名はシゾット。獣人界のダガーラだ。
彼の回りを飛び回りながら喋る、ヒトデのような生物はシゾットの体内の毒素が結晶となって作られた、特別なベーレム。
このベーレムは最も知恵のあった個体にシゾットが知性を与えた特別なベーレムで、寡黙なシゾットの代わりに他者とのコミュニケーション役を担っている。



キングシーサー「そうですか。私もシゾットさんとご一緒出来て、嬉しいですよ。それから、ゴジラさんとも・・・」
サバイヴ「リトルは俺が見とくから、デートして来なよ。父さん。」
リトル「シーサーとたのしんできてね、お父さん!」
ゴジラ・レッド「ったく、子供の癖に変に気利かせやがって・・・」
キングシーサー「サバイヴさん、リトルさん、ありがとうございます。ですが何か困ったら、いつでも言って下さいね。」
ゴジラ・レッド「オレはお前らの親まで休む気は無いからな・・・よし、着いたか。」



しばらくして一行が着いたのは、様々な巨大遊具と中央に昭和期のゴジラを模したゴジラタワーがそびえ立つ、遊園地であった。
この遊園地こそが今回の「招待」の舞台、獣人界に新しく出来た怪獣専用一大娯楽施設・「怪獣ランド」。
ラドン旅館がスポンサーに付いているこの遊園地はまだオープンしておらず、正式なオープン前のプレ・オープンイベントに怪獣達が今回「招待」されたのだった。



ゴジラ・レッド「・・・あの塔、やっぱりゴジラタワーだよな?相変わらずダサい造りだな。」
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好釦