それぞれのHappy birthday
ここまで見て頂き、ありがとうございます。
本作は特別編第3弾同様、幾つかのSSSをまとめたオムニバス短編ですが、前回が主に第七弾関係の話だったのに対して、今回は「誕生・記念日」のテーマを共通に各SSSの時事列はバラバラにして、前回との重複をなるべく避けました。
また、テーマの強調及び時事列がバラバラな各SSSの全体的な統一の為、全ての話に「おめでとう」か「ハッピーバースデー」のメッセージを入れています。
短編の数は一本減りましたが、代わりによりバラエティ豊かな作品になったと思いますし、次回作である第八弾へと繋がる伏線も色々と描けました。
前回がフルーツパフェなら、今回はミックスグリルのような感じでしょうか。
では、各SSSのあれやこれやの説明をば・・・
・「シン・バースデー」
この短編は、前半部の2ページがシン・ゴジラの誕生日(7月29日)とシンの誕生日(7月30日)がたった一日違いなのに気付いたみかんさんが、城村さんと一緒に書かれたイラストやリクエストを元に書いた所謂「唐突シリーズ」で、後半部の3ページは「せっかくのシンゴジ誕生日短編なんだから、残る皇さん宅のシンゴジも出したい!」と思い立った僕が書き足した追加分・・・と、二つのエピソードが一つの話になった色々経緯の多い作品です。
当初は前半部の執筆が全体的に、後半部が蒲田くんこと皇さん宅のシン・ゴジラ登場のすり合わせが上手く行かなかったので、珍しくボツにしようと思っていましたが、みかんさんの完成への熱望と後述の都合で上手く書けるようになったのを受けて完成、城村さんの添削と皇さんからのアドバイスを経てようやく形になりました。
今作のタイトル「それぞれのHappy birthday」も本来はこのSSSの題名で、掲載に合わせて変更しています。
前半部は最初、みかんさんから「鎌倉さんとラゴス・ゴジラがシンを巡ってケンカになり、品川くんがそれを制止して一件落着」と言う話にして欲しいと言われていたのですが、僕の中で第六弾での描写を考えるとどうしてもこの二人が争う展開が浮かばず、柳さんから聞いた鎌倉さん像と照らし合わせても鎌倉さんも誰かに嫉妬したりしないだろうと思ったので、この展開は残念ながら無しにして頂き、代わりに他のリクエストや唐突シリーズを順序通りに書いて行って、ようやく上手く書く事が出来ました。
それから、前半部でのリクエスト・唐突シリーズの内訳ですが・・・
・メンバーはWシンゴジ、シン、レジェンドはみかんさんからの絶対条件で、Jr.は鎌倉さん・チハヤは品川くんと縁の深いので、ゴジラ・レッドとセラフィは後半部の都合でセレクト。
僕宅の怪獣がいないのも、特にシン・ゴジラ二人と密接な縁のある怪獣はいないと判断し、なら出す必要が無いと思ったからです。
・品川くん→シンへの呼び名は「かかさま」。
→両者から。最初は「ねねさま」だったが品川くんの「タ・ナ・ラ」の法則で却下。
・品川くんとシンの「よんえ(て)みああ゛(ただ)け!」辺りのやりとり
→みかんさんと城村さんが描いた唐突コラボイラストの台詞をほぼそのまま使用。
・シンの誕生日プレゼント
→みかんさんリクエスト。
・・・と、なっています。
後半部は「夢の中へ」の下りが無ければもっと簡潔になった筈なのですが(汗)、思いつく限りに書きました。
結果として「アーメンの日」制作に繋がったり、城村さんが「あかさま」呼びを気に入って下さったり、皇さんが蒲田くん&ブルトンのイラストを描いて下さったり、ブルトンの設定・立ち位置そのものが変化したり・・・と、終わりよければ全て良しとなりました。
ブルトン自体、蒲田くんのプロフィールに名前があったので世話役として出してみただけなのですが・・・「許されたるいのち」や「「G」を継ぐもの」を見た方なら分かる通り、まさかの大躍進です・・・!
キャラとしては「新世紀エヴァンゲリオン」の渚カヲル君みたいな感じとの事・・・と言うか、僕はもうほぼカヲル君そのままに動かしていたのもあって只者であるわけが無いですし(汗)、元のブルトンからしてとんでもない能力と活躍を見せている怪獣ですから、必然的だったかもしれませんが・・・
皇さんからイラストと参考台詞を頂いたお陰で、本作中の様々なSSSで暗躍(?)する事となったこの二人は、今後もどんどん出して行きたいですね。
・「許されたるいのち」
蒲田くん登場フラグ第2弾となったこのSSSは、本来なんばマルイで開催されていたゴジラハロウィンイベントにて皇さん向けに書いたものを、諸事情で11月3日のゴジラフェスに合わせて送ったものです(ハロウィンイベント関連の経緯は、番外編3のあとがきを見て下さい)。
ですが実は、ビオランテの台詞の半分程はみかんさんから送られて来た「唐突シリーズ」が元で、何処かで使えないかと思っていた時にこの話を思い付き、使用させて頂きました。
第三弾特別編のあとがきでも書いた通り、レオゴンは「怪獣界にはウルトラシリーズの怪獣はいない」と言う設定を知らないまま出した完全なる出オチキャラなのですが、その設定の整合性を取りつつも他世界との繋がりを強くし、時事列上は後になる第五・第六弾への繋がりを示し、レオゴンと言うキャラクターにとって救いとなる話になったと思います。
タイトルもレオゴンが登場した「帰って来たウルトラマン」第34話「許されざるいのち」を一文字変えただけで、獣人界なら元からウルトラシリーズも世界観に入っているのでレオゴンをここ出身にしても大丈夫ですし、ミステリアスなブルトンのキャラクターの掘り下げも出来ました。
あえてレオゴンを謎だらけのキャラにした事が、功を奏しましたね。
なお、レオゴンが口ずさんでいるのはアンパンマンの歌として有名な「手のひらを太陽に」です。
また「シン・バースデー」の直接の続編である「アーメンの日」に割り込む形で掲載したのも、あくまでこの二つの話は独立しているのと、ブルトンの「ハッピーバースデー」の台詞を重ねる意図があり、この並びで掲載しました。
・「アーメンの日」
このSSSもハロウィンイベント向けに城村さんに送ったもので、城村さんへは大阪に来られたタイミングで送りました。
書いたきっかけは「「シン・バースデー」でレジェンドが妻にするなら淑やかな女と言っていたが、ならアンバーは当てはまるんじゃないか?」とみかんさんと言われた事で、城村さんに質問してみて返って来た返答を元に前半部分を、後半部分は僕が個人的に愛美華さんを再登場させたかったので書きましたf^_^
まぁ、どちらにしてもアンバーを好きになろうが「想い人(隼薙)がいる」に至ってしまうので、レジェンド→アンバーについて以降は深く描かないと思い、愛美華さんについては今後も出して行きたい所存なので、どちらかと言えば番外編2と合わせて彼女の自己紹介となる後半部分を重視しています。
後に「まだ愛美華さんの外見描写をちゃんと書いていない!」と思い、わざわざ丁寧に書き足したくらいですし(笑)
当初愛美華さんはもっとマイペースにする予定でしたが、城村さん曰くはレジェンドが最大のマイペースキャラなので、レジェンドには負けるようにしました・・・そうなっているかは微妙ですが(汗)
ちなみに、今回使ったパロディですが・・・
・タイトルは愛美華さんが出ると言う事で、「VSビオランテ」の権藤一佐の名言「アーメン。」から採りました。
ある意味、後半の展開を示唆してもいますし・・・f^_^
・愛美華さんが言った「何なの、この人・・・」は、「新機動戦記ガンダムW」にてヒロインのリリーナ・ドーリアンが言った台詞です。
同作で有名な、主人公のヒイロ・ユイの台詞「お前を殺す」が初めて使われた後の台詞ですが・・・そりゃ、いきなり招待状を目の前でドヤ顔で破られて泣いたら涙を拭って来た矢先にこの台詞が飛び出して来たら、そうも言いたくなりますよね(汗)
しかも、これが「第1話ラスト」と言う・・・全く凄い作品です。
・再び愛美華さんが言った「あら、あらあら?あんた、もしかしてまだ自分が死なないとでも思ってるんじゃないのかしら?」の台詞の内、「あら、あらあら?」は「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する艦娘・陸奥の台詞、「あんた、もしかしてまだ~」は「幽☆遊☆白書」に登場する名悪役・戸愚呂(弟)の名台詞が元です。
どちらも危機感を感じさせる、この場面に似合った台詞ではあります(笑)
この短編の執筆は全体的に苦戦しましたが、一番苦労したのはラストのレジェンドの誕生日オチです。
短編を書いていた時から「記念・誕生日」と言う共通のテーマは決めていたのですが、それとどう結び付けるかに悩み、ギャレゴジの誕生日が7月25日とシンゴジの誕生日に近い事を思い出し、どうにか強引に結び付けました。
本当に、レジェンド(ギャレゴジ)様々ですね・・・
・「「G」を継ぐ者」
この短編はハロウィンイベントとは関係なく、「ガジャ・ナーガがいなくなったら、人間界の招待主はどうなるのか?」とみかんさんと話している内に生まれた短編で、柳さんにもお伺いを立てた上で執筆しました。
もはやSSSと言えるか微妙なボリュームですが、前回のオムニバス短編「そうだ 出雲、行こう。」で言う「チハヤ、降る」と同じく、このオムニバス短編で一番気合を入れて書いた話で、目次の紹介文通り第七弾の・・・いや、「呉爾羅」と言うキャラにとっての真の完結編として書きました。
個人的に第二弾~七弾はある意味、呉爾羅が様々な怪獣達との交流によって新たな自分になるまでの物語とも言えますし、まつろわぬ魂達を受け入れつつ再び「火」の護国聖獣となった、今の呉爾羅なら人間界の招待主に相応しいと思い、苦しみ続けた彼へのご褒美も兼ねて正真正銘の「神」とする事としました。
柳さんからも「胸熱!本当によかったね、呉爾羅・・・」とのお言葉を頂き、この短編を読んだ皆様も同じ思いだと思っております・・・!
この短編のもう一つのポイントとして「招待主の総登場」があり、一応伏せているとは言えここまでのネタバレはまずいかな・・・とも思いましたが、新しい招待主が生まれる話には招待主との顔合わせは必須だと思い、思いきって登場させました。
「ガジャ・ナーガに似た巨大なゴジラ」、「美しき蛾の女神」、「時計を持った少年」、「代表者」、そして何故ビオランテがいたかはなんとなく分かると思いますが、「チャラい巨大な類人猿」と「関西弁を話す普通の男」は今回初めて登場させたキャラ・・・厳密には「関西弁の男」は別の小説で出しているのですが・・・これ以上はここでは控えておきます。
今後の話で招待主達も少しずつ出して行きたいと思っていますので、今は色々と予想してみて下さい。
それから、本作での諸々の元ネタを。
・タイトルは「ウルトラマンティガ」第1話「光を継ぐ者」からで、様々な意味で本作にとても合ったタイトルだと思います。
受け継がれる「G」の名・・・これは「Next「G」」ですね(汗)
・呉爾羅の「今日からこの俺がニューリーダーだ!」は、「戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー」に登場するスタースクリームの代名詞と言える台詞で、最近のシリーズでも同名のキャラや裏切り・野心家キャラが使う事のある息の長い台詞です。
最珠羅がいないので(?)、「この愚か者めが!」とはなりません(笑)
・呉爾羅とビオランテの待ち合わせ場所である波止場は、一応「GMK」ラストで立花親子が再会したあの波止場と全く同じです。
「魚につつかれるのは勘弁」と言わせたのも、その点を強める為です。
・呉爾羅の台詞「バリバリ最強No.1なゴジラ」は、「地獄先生ぬ~べ~」のOPが元です。
まぁ、GMKゴジは最強ゴジラ候補の一体ですし、どちらも亡霊的なものを扱った作品ですので・・・f^_^
・「高次元領域」の描写は「ウルトラマンメビウス」における光の国の描写、「光の神殿」がモデルです。
神々が集う場、招待主達の集う空間としては本当に相応しい感じなので、知らない方は是非調べるか「メビウス」本編を見てみて下さい。
・呉爾羅の台詞「ニンニンか?シュシュッとか?なんなんじゃ!」は、歴代忍者戦隊ネタになっていまして、「ニンニン」は「手裏剣戦隊ニンニンジャー」から、「シュシュッと」は「忍風戦隊ハリケンジャー」のOPの歌詞及びよく出るフレーズ、「なんなんじゃ」は「忍者戦隊カクレンジャー」のOPの歌詞が元ネタです。
・「擬人怪獣シリーズは、永遠に不滅です!」は、もはや説明不要の野球界のミスター・長嶋茂雄氏の引退時の名言が元です。
あと、呉爾羅は今後も登場させる予定なので「もしかしたら呉爾羅はもう出て来ないんじゃ・・・」と不安に思った方はご安心下さい。
ただ今後は招待主として、これまでと立ち位置がやや変わっての登場になると思います。
まぁ、それでも変わらず電波キャラなのは間違いないですが・・・(笑)
・「みんなで、おめでとう!」
蒲田くん登場フラグ第三弾になったこのSSSは、9月20日に登場怪獣紹介を整理していたら偶然チャイルドの誕生日だと気付き(汗)、そのお詫びに慌ててその日の内に書いたチャイルド誕生日記念短編です。
最初は久々に志真達を出したいなぁ・・・ぐらいに思っていたのですが、書いている内に「チャイルドの誕生日を祝ってくれそうな異世界(他作者)の怪獣も出したらどうだろう?」と思い、2009年のカレンダーを見て綿密に誕生日を設定しながら、最近すっかりチャイルドの誕生日を忘れていた反省と、昔書いた「‐」ゴジラ・チャイルド親子の誕生日短編(「依頼物置場」の「拍手短編集」内に掲載している「たいせつな日」「ぼくのたんじょうび」)との差別化もあり、急遽異世界の怪獣の皆さんを出してみましたf^_^
手抜き感が否めないながら、怪獣の登場数なら随一の豪華な話になったのはその為で、このSSSが今回のオムニバス短編全体のテーマである「記念・誕生日」のきっかけになりました。
なので、今回のオムニバスの〆としてはいい話かと思います。
経緯が経緯ですので、このSSSはみかんさんにしか送っていないのですが、みかんさんからは「チャイルド・・・幸せ者め!」と感想を頂きました(笑)
また、呉爾羅だけは旅人兼招待主なので今回は手紙と言う形での登場にしましたが、これで呉爾羅はこれからも変わらず電波な感じで登場するのがお分かりになったと思います(汗)
あと、呉爾羅が言った「バ、ハ、ハーイ。」は「20世紀少年」の「ともだち」・・・ではなく、一応「ケロヨン」と言う70年代の人気キャラの台詞です。
・・・かと言う僕も、「ともだち」の台詞で知ったのですがf^_^
最後に、前回のオムニバス短編から早速の第二弾となりましたが、前回が女性陣の「唐突シリーズ」が元だったのに対して、今回は僕の方から思い付いた短編を書く形になりました。
当初は今作に入れる予定だった番外編第3弾と合わせて、それだけ僕と女性陣の本シリーズへの思い入れが強い証になったと思います。
「最近擬人怪獣シリーズに偏り過ぎだろう!」とは僕も思うのですが、過去の失敗から鉄は熱い内に打って形にしたいのが最近の僕のポリシーなので・・・
まだゴジラ63周年記念短編と、只今諸事情で延期中の第八弾がありますので、今年はまだまだこのシリーズの更新が続きますが、やらないよりはやれる限りをやってみる、の精神で行く所存です。
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