それぞれのHappy birthday







2017年・7月29日。
とある島の砂浜に、異世界の怪獣達が集められていた。
その理由は・・・
 
 
 
シン「鎌倉さん!品川くん!誕生日、おめでと~!!!」
Jr.「おめでとうございます!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」
レジェンド「・・・おめでとう。」
シン・ゴジラ(品川くん)「やっあ(た)あ、ぽぽさま、かか(はは)さまも、みんなおいわいしえ(て)くえあ(れた)・・・あい(り)がお(と)う。」
チハヤ「と言うか、よくそんなの分かったね・・・一応、僕からもおめでとう。」
レジェンド「・・・心遣い、感謝。」
シン「・・・あっ!そう言えばあたし、明日が誕生日だったりするの!」
チハヤ「えっ、そうなの!?」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・!」
シン「1日違いだけど凄いよね~!やっぱあたし達はなんか運命の繋がりがあるのよ!絶対!」
Jr.「確かに。何だかシンさんとシンゴジさん、どんどん運命的な要素が増えていくなぁ。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・オメデトウ。」
シン・ゴジラ(品川くん)「おめえ゛お(でと)う。」
シン「・・・ふふっ、ありがとう!シンゴジ♪」

 

そう、今日はシン・ゴジラの誕生日だったのだ。
偶然にもどちらの誕生日も同じ事か判明し、当事者と関係が深い者が呼ばれたと言うわけであった。



レジェンド「・・・二人共、良かったな。」
Jr.「そう言うレジェンドさんも、ある意味良かったですよね。」
レジェンド「・・・己を見るな。」
チハヤ「それにしても、なんで僕の世界でも鎌倉さんの世界でもない、この世界に呼ばれたんだろう?」
シン「別にい~じゃない♪あたし、この世界来るの初めてだし!」
チハヤ「まぁ、確かに・・・僕もなんか、セラフィと出会ったあの日を思い出すよ。」



今回彼らが呼ばれたのは、ゴジラ・レッドやセラフィの出身世界である「獣人界」における怪獣達の住処、この世界の「怪獣島」であった。
もうじき、ゴジラ・レッドとセラフィもここに来る手筈になっている。



シン・ゴジラ(品川くん)「かかさま。」
シン「なぁに?」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・よんえ(て)みああ゛(ただ)け!」
シン「コラ♪」
シン・ゴジラ(品川くん)「あはー。」



Jr.「それにしても、品川くんも中々シンさんになついてるな。まぁ、シンさんは本当に母親だけど。」
レジェンド「・・・母様(かかさま)、か。」
チハヤ「それであんたが父様(ぽぽさま)だから・・・シン姉さんとあんたは夫婦みたいな感じ?」
レジェンド「・・・」
Jr.「えっ!?で、でもシンさんと鎌倉さんとは恋人っぽいってみんなで言ってたじゃん!」
チハヤ「それはそれ、これはこれ。ちょっと言ってみただけだよ。」
レジェンド「・・・己は、妻にするならもう少し淑やかな相手を望む。」
チハヤ「いや、だから冗談だって。真に受けないでよ。というかお前結構はっきり言うね・・・」
Jr.「相手が相手だから、ちょっと冗談きついかも。しかし、本当に恋仲なら修羅場になる所だけど・・・」



シン・ゴジラ(品川くん)「かまさま。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・?」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・よんえ(で)みああ゛(ただ)け!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」
シン「もう、品川くんも鎌倉さんを困らせちゃダメよ?まっ、鎌倉さんも気にしてないみたいだからいっか☆鎌倉さ~ん!」
シン・ゴジラ(品川くん)「かまさま~。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・?」
シン・ゴジラ(品川くん)、シン「・・・よんえみああ゛け(よんでみただけ)!!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」



Jr.「・・・あの関係なら、大丈夫か。」



シン「あっ、そうそう!あたし鎌倉さんと品川くんにプレゼント作って来たんだ~。はいっ、受け取って♪」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「!!」
チハヤ「わぁ、Wシン・ゴジラにレジェンドとシン姉さんのマスコット!シン姉さんは編み物得意だってイシュタルから聞いたけど、本当だ・・・」
Jr.「鎌倉さんにはシンさんが、品川くんにはレジェンドさんのマスコットがペアになって付いてる・・・流石はシンさん!俺からも、ありがとうございます!」
シン・ゴジラ(品川くん)「しんお(と)、ぽぽさま・・・かかさま、すごぉ~い。あい(り)がお(と)う。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・!」
レジェンド「・・・重ね重ねすまない。己からも礼を言う。」
シン「ううん、いーのいーの☆みんなが喜んでくれるなら全然♪いつもより気合入れて作って、良かった~!!」



と、そこへゴジラ・レッドとイムを連れたセラフィが歩み寄って来た・・・が、何故か二人共に体に幾つか木葉が付いている。



ゴジラ・レッド「お前ら、遅れて悪いな。探し物に手間取った。」
セラフィ「みなさん、こんにちは・・・あっ、チハヤ~!」
チハヤ「セラフィ!本当に来てくれたんだね!」
Jr.「レッドさんにセラフィ、それにイムもこんにちは。」
イム『~♪』
シン「おじゃましてま~す!」
レジェンド「・・・邪魔している。お前も、挨拶だ。」
シン・ゴジラ(品川さん)「・・・あかさま、こんいい(にち)わ。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」
Jr.「ん?『あかさま』?」
レジェンド「・・・ゴジラ・レッドの事だ。」
ゴジラ・レッド「オレの名が『レッド』、つまり『赤』だからか。まぁいい。」
チハヤ「えっ?なんであっさり受け入れられんの?と言うか、なんで二人共葉っぱ付けてんの?」
セラフィ「えっと、それはまた後で話すわ。とにかく、二人のシン・ゴジラさん。お誕生日おめでとう。」
イム『~~!』
ゴジラ・レッド「オレからもおめでとう。残念ながらプレゼントは無いんだが・・・気持ちだけ受け取ってくれ。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」
シン・ゴジラ(品川くん)「あかさまも、あいがおう(ありがとう)。」
レジェンド「・・・気持ちだけで十分だ。感謝。」
シン「うんうん!レッドもセラフィも、ありがとねっ!」


チハヤーー・・・みんな突っ込まないで普通に流してるけど、この「あかさま」に行き着くまでにあいつ、品川くんに何百回「レッド」ってちゃんと言わせようとしてたか・・・
結局何回言わせてもげっぷみたいな感じになって、あいつが「レッドは赤って意味だ」って教えたら品川くんがいきなり「あかさま」とか言い出して、言いやすいならいいってあいつも納得して終わったんだけど・・・やっぱ、誰か突っ込んでよ!
あの時だけでいいから来て欲しかったよ!Jr.!


Jr.「二人共、ありがとうございます!あっ、そういえばレッドさんが言ってた探し物は何ですか?」
チハヤ「見つけにくいものですか?」
セラフィ「そうね、鞄の中も机の中も探したけれど・・・」
ゴジラ・レッド「って!おい!お前ら馬鹿な事すんな!」
チハヤ「いや、ノったのはセラフィであんた関係ないじゃん。」
ゴジラ・レッド「うるせぇ!」
セラフィ「もう、チハヤったら。でも、歌詞ネタも初めてチハヤと会った時みたいで懐かしいわ。ねっ、イム。」
チハヤ「それより僕と踊りませんか・・・なんてね。」
セラフィ「うふふっ。チハヤが相手ならあたし、いつでも大歓迎よ。あたしと、夢の中へ行ってみたいと思いませんか?」
イム『~~♪』
Jr.「まさか、俺の言葉がダシに使われるなんて・・・」
ゴジラ・レッド「それはさておいて、だが・・・」
シン「なになに?今の何の話?」
セラフィ「あっ、シン姉さんは知らないか・・・『夢の中へ』って歌があって、その歌詞のネタなんです。」
チハヤ「この前のカラオケで、愛美華さんがしつこいくらい歌ってたからかなぁ。」
ゴジラ。レッド「それはさておいてだな・・・」
Jr.「そういえばその歌詞、『探し物』は麻薬で探してる人は『警察』の暗喩って言うネタがあったっけ。」
チハヤ・セラフィ「「えっ!?本当!?」」
Jr.「いや、ただのネタだよ。面白半分で広まった、100%嘘。」
チハヤ「なんだよ、嘘か・・・愛美華さんがまさか、って思っちゃったよ・・・」
レジェンド「・・・あの女が持っていたらいけない物なのか?」
セラフィ「もちろん!それは人でも怪獣でも一度使ったら体も心も狂わせる、最悪の植物よ!」
イム『~!』
ゴジラ・レッド「それはさておき・・・」
レジェンド「・・・帰ったらすぐ、あの女を問い詰めなければ。」
チハヤ「いや、だからそれは僕の勘違いで愛美華さんは関係無いんだって!ちゃんと話聞いてよ!」
Jr.「まさか、俺の一言で知らない人が冤罪になりかけるなんて・・・」
シン「怪獣界にも危険な植物はあるけど、食べなきゃいいだけなんだけどなー。なんか、人間の世界ってややこしいのね、シンゴジ。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」
シン・ゴジラ(品川くん)「??」
ゴジラ・レッド「・・・お前ら、いい加減にしろぉ!それはさておき、って言ってんだろうが!」
Jr.「あっ、すみません・・・それで改めて、探し物ってなんですか?」
ゴジラ・レッド「はぁ・・・色々話そうと思ったが、ヤメだ。だから単刀直入に言う、この世界にもシン・ゴジラがいるようだ。」
シン・Jr.・チハヤ「「「ええっ!!?」」」
レジェンド「なにっ?」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「!!」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・あ(な)かま?」
セラフィ「最近、怪獣島の各所で見た事も無い謎のゴジラを見たって噂で持ちきりなの。アンギラス、『カンピ・ルーラ』ことこの世界のバラン、マンダさん、クモンガにカマキラス、エビラにガバラまで・・・」
ゴジラ・レッド「更にオレとシーサーもこの前微かにだが見た。そして確信した、アイツはシン・ゴジラだってな。」
シン「それ、すごすぎるじゃな~い!!三つの世界に、違うシンゴジがいるのよ!ねぇねぇ、そのシンゴジ連れて来れないの!?」
ゴジラ・レッド「だから、最後まで話を聞け!それで今日に間に合わせようと、セラフィとソイツを探したんだが・・・見つからなかった。だから遅刻したんだ。」
セラフィ「そのシン・ゴジラは次元を自在に移動出来るみたいで、見つけたと思ったらすぐ消えちゃうの・・・まさに『神出鬼没』ね。」
チハヤ「だから二人共、葉っぱ付けてたんだ。お疲れ様。」
シン「そっか、それは残念・・・もし見つけたらシンゴジ三兄弟にしたかったのに~!!」
Jr.「でも、わざわざセラフィに頼んでまでそのシン・ゴジラを連れて来ようとしたなんて、やっぱりレッドさんは仲間思いですね。」
チハヤ「前の「招待」の時も思ったけど、あんた見かけに寄らずいい事するよね。」
ゴジラ・レッド「お前こそ、さっきからなんかオレに突っ掛かってくるな?まぁ、オレは気の利いたプレゼントなんて用意出来ないからな・・・代わりにと思っただけだ。」
レジェンド「・・・流石はゴジラ・レッドだ。」
シン「まっ、レッドってリトルとサバイヴって言う子供がいるパパだから、なんだかんだ言ってほっとけないんだよね!」
セラフィ「やっぱり?だからゴジラさん、あんなに必死になって・・・」
ゴジラ・レッド「お前ら・・・!いいからシン・ゴジラの誕生日をもっと祝ってやれ!その為に来たんだろ!」
シン「分かってるって♪とにかく、鎌倉さんも品川くんもおめでとーーー!!!」
イム『~~!!』
シン・ゴジラ(品川くん)「わー、わー。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」










???「・・・この箱庭も、お客様の来訪で最近賑やかになってきたね。君はどう思う?」
???「えぅー、友だちいっぱい・・・かまも行きたい!」
???「ダメだよ。君は只でさえ箱庭を壊しかねない力を持っているんだ。今日の所はおとなしく帰ろう。」
???「ぶーぶー!ブルトンのいじわる!いつもいつもそうやって、かまとみんなを会わせてくれない~っ!」
???「何を言われても、僕は答えを曲げないよ?さっ、早く行こうか。」
???「しゅーん・・・でも、いつか、ぜったい・・・!」
???「そう落ち込まないで。君の事は、僕が祝ってあげるから。
ハッピーバースデー、シン・ゴジラ・・・」



一方、先程からシン達を物陰より見ていた二人の少年が、時空の歪みの中に消えて行った。
見た目は中学生、しかしそうとは思えぬ程に沈着冷静かつ空虚的で、ホヤの様な形のヘッドギアを付けた、時計を手に持つ一人の少年の名はブルトン。
そして幼稚園児程の外見ながらおぞましいまでの迫力を醸し出す、両手が不完全に成長した五体不満足な体に目を奪われるもう一人の少年。
その名は・・・シン・ゴジラ。
三人のシン・ゴジラが出会う日は、そう遠くはない・・・






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好釦