そうだ 出雲、行こう。







出雲「招待」から数日後。
怪獣界・憩いの広場・・・



ゴロザウルス「あ~っ!今日も良い天気だな~!」
ラドン「そうだね。僕は雨の日も好きだけど。」
バルグザーダン「俺も~。」
ゴロザウルス「だろうな。でも前みたいに所構わず稲妻落とすのは勘弁してくれよな。」
バルグザーダン「その時の俺の気分次第だな。」
ゴロザウルス「うおい!」
ラドン「あははは!」



シン「あ!皆やっほー♪」
ゴロザウルス「おぅ、シン。ゴジラ達に差し入れか?」
シン「うん、今日は特製クッキーだよ!たくさんの出来たから後で皆にも持っていくね。」
ラドン「わーい!シンのクッキー大好き!」
バルグザーダン「シン、早く持ってきてくれよ~。」
シン「はいはい。もうバルサンってば慌てなくても大丈夫だから。じゃあね~!」



ゴロザウルス「献身的だな~、シンってほんと。」
ラドン「うん。優しいし、強いし、料理上手だし。」
バルグザーダン「三拍子揃ってる。」
ゴロザウルス「でも恋愛面は・・・だな。」
ラドン「うん、可哀想だよ。」
バルグザーダン「ゴジラが気付かない限り、無理だな。」
ゴロザウルス「そういえばさ・・・前にゴジラに思い切って聞いたんだ。『シンの事どう思ってるんだ?』って。」
ラドン「えぇ!ゴロー兄、直球!」
ゴロザウルス「だってシンの事情も分かるけどよ、いつまでも決着つかないから思わずな。」
バルグザーダン「・・・で、ゴジラは何て?」
ゴロザウルス「そしたらよ、『お世話好きなちょっと年上のアネキみたいな感じかな』・・・ってよ。」
ラドン「・・・そう来たんだ。ゴジラ。」
バルグザーダン「天然通り越して、馬鹿正直だな。」



スペース「お前達もそう思うか・・・」
ラドン「あっ、スペゴジ!」
ゴロザウルス「おう、スペゴジ・・・って、なんか真剣な顔してるけど・・・まさか、また勝負相手探してんのか!?」
バルグザーダン「俺とバトるのかぁ!!」
スペース「違う。ちょっとした相談だ。」
バルグザーダン「あっ、そ・・・」
ゴロザウルス「バルもほんとハイとローの切り替えが激しいよなぁ・・・」
ラドン「それで、相談って?」
スペース「さっきお前達が話していた、ゴジラとシンの事についてだ。オレもゴジラが気付くまでこの事には触れないでおこうと思っていたのだが・・・最近、そうも言っていられない事態になりつつある。」
ゴロザウルス「えっ?それってまさか、どっちかに新しい恋人でも出来たのか!?」
ラドン「ええっ!!」
スペース「騒ぐな、シンに気付かれる・・・!確定では無いが、可能性のある話だ。最近、「招待」先で出会ったシン・ゴジラと言う新しいゴジラがいる事は知っているな?」
ゴロザウルス「あたぼうよ。運命の再会を果たしたゴジラなんだろ?シンもそいつの事をいっつも話してるし・・・あれ?まさか・・・!」
バルグザーダン「ビンゴ。」
ラドン「やっぱり、シンとシンゴジはいい感じなの?」
スペース「バルもラドンも勘付いていたか・・・そうだ。恐らくまだお互いに意識はないだろうが、再会早々シンからのの抱擁、シン・ゴジラからのシンへの個人的なプレゼント、そして詳細不明のフォーゲルパークでの二人きりの時間・・・いつ、恋愛感情に発展してもおかしくない状況だ。」
ゴロザウルス「シンゴジってのも中々やるなぁ~。」
バルグザーダン「ゴジラより恋人っぽい事してるな。」
ラドン「僕としては、これで恋人同士じゃないのが凄いけど・・・」
スペース「そう、そしてそんな状況にも関わらず嫉妬もせずに喜び、イシュタル達に散々尋問されながら相変わらず一向に恋愛感情に目覚めないゴジラ・・・!流石オレの弟だけあって、誰にも優しいのがアイツのいい所だと思って来たが、これはもう問題だ・・・!」
ゴロザウルス「おいおい、さりげなくブラコンアピールかよ!」
ラドン「それで、スペゴジはどうしたいの?」
スペース「オレもゴジラとシンはお似合いだとは思っているし、ゴジラ・レッドもこれは浮気だと強く糾弾していた。だからシン・ゴジラには悪いが、出来ればゴジラからアプローチする形でシンと結ばれて欲しい・・・お前達、この状況をどうにかならないか?」
ゴロザウルス「ええっ!?そ、そんな事言われてもなぁ・・・アイツの中の『アネキ』感を消さない事には無理だろ。」
バルグザーダン「シン・ゴジラがいるから余計に無理っぽい。」
ラドン「それにここで解決出来る問題なら、もうとっくに解決してるよ。だから僕らもお手上げ・・・」
スペース「くっ、お前達でもどうにも出来ないのか・・・!仕方ない、他の者に聞いてみよう・・・」



ゴロザウルス「・・・なんか、バトル以外でこんなに積極的なスペゴジ、初めて見たな。」
ラドン「うん。それだけスペゴジの中じゃ、大変な事なんだね・・・」
バルグザーダン「妬けるねぇ。」






カメーバ「えっ、ゴジラとシン?お似合いなのはお似合いじゃないっすかねぇ。それよりその『シン・ゴジラ』の方が怖いっすよ、なんかあの二人がフュージョンしたみたいで・・・ひいっ!」






エラブス「ゴジラさんもシンさんも、理想的だと私は思いますけど・・・何か足りないような?」
レッドムーン「そうだな・・・はっ!そうだ、分かった!」
エラブス・レッドムーン「「愛の結晶、つまり子供!!」」
ハーフン「ばぶ、ばぶ!」






マンダ「うむ?あの二人はもう結婚していたのではなかったのか?あの安心感と貫禄は、おしどり夫婦でないと出せないと思っていたがのう・・・」






メガギラス「つーか、そんなのどーでもいいっての。いいから作曲の邪魔すんな・・・って、ひいっ!!わ、分かった!聞くだけでラブラブになれる曲作るから、串刺しだけはやめてぇぇぇ!!」






ダガーラ「・・・俺に聞くのか?イシュタルとすら上手くいってない、俺に・・・!逆に教えてくれ、どうやったらイシュタルと上手く話せるんだ!どうやったらイシュタルを上手く笑わせられるんだ!どうやったらイシュタルが・・・」






僧バラン「聞いたぞ、シンとゴジラをどうくっつけようか悩んでいるようだな?全く、そんな事はこの自称フェミニストの拙僧に任せれば良かったものを、何故もっと早く相談に・・・えっ?最初から拙僧に聞く気など無かった?
な、なんとぉーーっ!?」






スペース「キングシーサーはまた留守か・・・くっ。」
ゴロザウルス「おぉ、お帰り。どうだ?なんかいい案はあったか?」
スペース「残念だが、全滅だ。まともな答えを返せる者がこうもいないとは・・・」
ラドン「ありゃりゃ・・・」
バルグザーダン「残念、無念。」
ゴロザウルス「骨折り損、だなぁ。ほら、シンのクッキー食うか?」
スペース「あぁ・・・うん、やはり旨いな・・・しかし、この問題はどうすれば・・・んっ?」



ラゴス・ゴジラ「なぁシン!今日のクッキーやばいくらいうまかったからさ、また作ってくれよ!」
ジュニア「ボクも、食べたい!シンのクッキー、おいしい!」
シン「ほんと!?今日のクッキーは隠し味を入れてみたんだけど、大成功みたいね♪よ~しっ!また作るわよ~!!」
イシュタル「わたしも頑張って、今度こそダガーラに喜んでもらうぞ・・・!」
ラゴス・ゴジラ「シン、オレとお前がマンダみたいなジーさんバーさんになっても、ずっとこうやってクッキー作ってくれよ。」
シン「モチのロン、よ♪」




スペース「・・・オレが過敏になる事も無い、か。100年を超えるあいつとシンの繋がりが、そんな些細な事で消えるわけがないのだからな・・・
ゴジラ!リラックスは終わったか?ならオレと特訓だ!」
ラゴス・ゴジラ「おっ、アニキか!よっしゃ、今日もアニキに勝つからな~!!」
シン「ゴジラもスペゴジも、がんばれ~!!」



ゴロザウルス「こりゃ、シンはまだまだ苦労しそうだな。」
ラドン「でも、やっぱりシンも今の関係を楽しんでる感じするし、僕達もまだ見守っとこうか。」
バルグザーダン「続くったら、続く・・・」












ビオランテ「・・・それにしても、いつになったら私の所へ相談しに来るのかの?スペゴジめ・・・」
レオゴン『・・・オシマイ。』
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好釦