そうだ 出雲、行こう。







島根組が出雲大社を参拝していた頃。
アメリカ・アリゾナのグランドキャニオン・・・



バトラ「ほらよっと。」
「VS」モスラ「はい、到着。もう大丈夫よ。」
ジラ『はぁ、はぁ・・・た、助かったぁ・・・』
バトラ「ったく、変な方法で飛ぼうとすんなよ。」
ジラ『だって、飛べないジラはただの偽物じゃないか・・・』
バトラ「いや、何言ってんだお前。ゴジラは今も昔も飛べねぇだろ。」
「VS」モスラ「ゴジラや人間にずっと言われてるから、気にしてるのね?大丈夫よ、誰がなんと言おうとジラは立派なアメリカンゴジラなんだから。」
ジラ『あ、ありがとね・・・流石は愛と平和の守護神だよ・・・』
バトラ「俺のモスラなんだから、当然だろ?俺もあいつは気に入らねぇから、お前を応援する事にするか。」
「VS」モスラ「あなたったら、もう。じゃあ、そろそろ私達は行くわね。案内ありがとう、ジラ。」
バトラ「次の夫婦旅行の時も、宜しく頼むぜ!じゃあな!」
ジラ『僕こそ、サンキュー!シーユーアゲイン!僕、あんた達の旅の幸運を祈ってるよ~!』


――・・・はぁ、それにしても、我ながらお馬鹿な事をしちゃったねぇ・・・
モスラとバトラが地面にぶつかる寸前に助けてくれたから、どうにかなったけどさ・・・
さぁて、とりあえずシドニーに戻って新鮮なマグロでも・・・んっ?



???「わぁ、すごい・・・『穴』に巻き込まれた時は驚きましたけど、いいものに出会えましたね。」
???「そうだな。だが、『穴』が開いている時間にも限りがある。長居は無用だ。」
???「そうですね。帰れなくなって、チハヤを悲しませたくはありませんから・・・チハヤ、今どうしているのでしょうか。」
???「きっと大丈夫だ。あいつなら。」


ジラ――・・・あれ?
モスラ夫妻とは今さっき別れた・・・よね?
でもあそこにいるのも、モスラ夫妻だよねぇ・・・?



???「・・・こうして、あなたとゆったり。いいですね・・・」
???「あぁ・・・」



ジラ――・・・はっ!
もしかして、あれ・・・ドッペルゲンガーじゃないかい!?
この世界には同じ顔をした人が三人いて、もし出会ってしまったら・・・デッド!!
まずい、まずいよ!まだオリジナルのモスラ夫妻は近くにいる、このままじゃすぐ出会って・・・デッド!?



???「風が気持ちいいですね・・・このまま流されてしまいそう・・・」
???「そうだな・・・」



ジラ――と、なると・・・このパニックをどうにか出来るのは、私だけ!
モスラ夫妻には命を救われたんだ・・・僕がやらないで、誰がやるのさ!
よーし・・・!たっぷり距離を取って・・・ダッシュ!!


ジラ『そこのドッペルゲンガーめ、くらいなっ!!
きゅううううううううきょく!!』
???「「?」」
ジラ『ジライダァァァァァ!!
キィィィィィ・・・』
???「アロナ、下がれ!」
バチバチィ!

ジラ『・・・ク?
しびれれれれれれれれれれれれれ!!』
???「んっ?何だか威力が・・・」
???「あっ、もういいですよヒタムさん!やめて下さい。」
???「いいのか?」
ジラ『しびればびれぶっ!!
・・・な、なんて電撃・・・なんだい・・・あれ、アロナ・・・?』
アロナ「はい、私はアロナと申しますが・・・どうかしましたか?」
ジラ『いや・・・私もあんた達みたいなモスラ夫妻を知っててさぁ・・・なら、そっちの彼はバトラだったりする・・・?』
ヒタム「あぁ。お前、よく分かったな。ちなみに俺の名はヒタムだ。」
ジラ『そうかい・・・ちょっとね、ドッペルゲンガーに見えたから始末しようと思ったんだけど・・・全然違うねぇ・・・ごめんよ・・・』
アロナ「いえ、私もごめんなさい!私がヒタムさんを止めていれば・・・」
ヒタム「理由はよく分からないが、いきなり攻撃してすまなかった。俺も軽いスタンショックを撃つつもりが、まさかあんな威力になるとは・・・」
ジラ『いや、人類みな兄弟・・・ウィーアーブラザーさ・・・』
アロナ「はい。うぃーあーぶらざー、素晴らしい言葉ですね・・・では、お詫び代わりに。治させて頂きます・・・」
ポゥ・・・

ジラ『あぁ・・・!傷が、疲れが、気分が良くなっていくっ・・・!』
ヒタム「アロナ、俺の代わりにすまない。わざわざ秘密の力を使わせてしまって・・・」
アロナ「いえ、ヒタムさんが謝る事ではありませんよ。私がジラさんを治したいと思って、力を使ったのですから。」
ヒタム「ありがとう。流石はアロナだ。」
ジラ『な、治った~!何もかもがいい感じだよ~!サンキュー!サンキューベリーマッチ!!』
アロナ「いえ、どう致しまして。お元気になられて良かったです。」
ジラ『あっ、自己紹介が遅れたね。私はジラ!ゴッドは無いけど、立派なアメリカンゴジラさ!』
アロナ「アメリカのゴジラさん・・・まるでレジェンドさんみたいですね。」
ジラ『ええっ!!あんた、レジェンドを知ってるのかい!?僕、レジェンドと一度会った事があるんだよ!!』
アロナ「そうなのですか?ええっと、それはもしかして最近噂の「招待」ですよね?」
ジラ『そうそう、それそれ!いやぁ、彼はまさに現代に生きるラスト・サムライだねぇ。最高だよ!』
アロナ「はい、そうですね。しかし、「招待」・・・あっ、ヒタムさん。そうなるともしかして、私達も今「招待」されているのでしょうか?」
ヒタム「いや、俺達は偶然『穴』に巻き込まれただけだぞ?」
アロナ「はっ、そうでした・・・早く戻らないと、ですね。そう言うわけでジラさん、出会ったばかりで名残惜しいですが・・・私達はそろそろ失礼します。またお会い出来るのを、楽しみにしていますね。それでは・・・」
ヒタム「じゃあな。また会おう。」
ジラ『そうかい。残念だけど、ここでお別れだね。シーユーアゲイン!僕、次の招待を待ってるからね~!』


――・・・なんか、今日は慌ただしい日だねぇ。
まぁ、次の「招待」が早くも待ち遠しくなったよ。次こそ、あのダブルモスラ夫妻を対面させたいね♪


ジラ『さぁて、今度こそシドニーで新鮮なマグロを食べて、ニックに色々報告するよ~っ!』











数十分後、アメリカ某所の森・・・



「VS」モスラ「・・・あなた。これ、穴よね?」
バトラ「あぁ・・・穴、だよな?なんか、トンネル潜れば別世界へ~、みたいな感じするし、消しとくか?」



アロナ「あっ、まだ『穴』はありますね。」
ヒタム「早く戻るぞ・・・んっ?」



「VS」モスラ「あら?誰か来たけど・・・」
バトラ「って事はこの穴、誰かが自分で空けたってのか!?どんな奴か顔を確かめて・・・」



アロナ「ヒタムさん、あそこに誰かいらっしゃいますが・・・私達と同じ、迷子さんでしょうか?」
ヒタム「まさか、俺達の他にも巻き込まれた奴がいたのか?一体だれ・・・」



「「「「・・・あっ。」」」」






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好釦