LAST TRAIN ―新しい朝―
――・・・成し遂げたか。おめでとう。
私は信じていた、お前がいつかここに来る事を・・・
と、その時一行の頭に聞こえて来た謎の声。
それと同時に境内の時が止まり、この突然の出来事に驚く一行は声が聞こえた方向である空を見上げる。
するとそこには光に包まれた・・・いや、光そのものと言える巨大な怪獣がこちらを見ていた。
更にその姿はゴジラに酷似しており、どの世界のゴジラには無い神々しい印象を感じさせると共に、指一本動かせない程の威圧感を放っていた。
Jr.「あれ・・・もしかして、ゴジラですよね?」
スペース「何だ、あのゴジラは・・・!」
ラゴス・ゴジラ「この不思議な感じ・・・なんだろ?」
チャイルド・ジュニア『「おっきい~!」』
「‐」ゴジラ『おれがコワくなったすがたよりすごい・・・けど、にてる・・・!』
ゴジラ・レッド「この威圧感、神と対峙するってのはこう言う時の事を言うんだな・・・!」
レジェンド「・・・圧倒的過ぎる。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・!」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・あえ(だれ)?」
呉爾羅「あっ・・・!この声、あの時俺達を地上に戻して、俺に「招待」させた声だ!」
「VS」ゴジラ「お、お前は・・・まさか!」
――そうだ。
お前を「招待」させ、お前に歌を授けた者こそがこの私、「ガジャ・ナーガ」。
私はずっと待っていた、この時を。
「VS」ゴジラ「お前は何者だ?本当に神なのか!」
ラゴス・ゴジラ「もしかして、お前が今までオレ達を「招待」してたのか!?」
スペース「もしや、お前は怪獣界に伝わる「創造神」なのか!」
――少し合ってはいるが、間違いだ。
私は「創造神」ではないし、神と名乗れる程、全能全智の存在ではない・・・だが、理を超越した「高次元」の存在で、招待主の一人なのは確かだ。
シン「一人?って事は、他にもたくさんいるの?」
――そうなるな。
何者なのかなどの詳細は話せないが・・・誰もお前達怪獣を思う、良き者達なのは事実だ。
かつてブラックホールに落ち、消え失せかけていたそのゴジラを救ったのも、仲間の一人だ。
シン「それ・・・もしかしなくても鎌倉さんの事じゃない!!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」
――それからゴジラだけでも呼んでみたいとお前を試しに呼び寄せたり、「穴」に巻き込まれたお前を誘導した者もいたりした。
レジェンド「・・・己と、ゴジラ・レッドの事か?」
ゴジラ・レッド「なるほどな。じゃあ、あの出来事はアンタらの掌の上での出来事ってコトか。」
キングシーサー「偶然では無く、必然だったのですね・・・」
――ゴジラだけではない、そこのモスラが異世界に迷い込んだ時、正しい時空へ送り届けた者もいた。
チハヤ「えっ!?それ、僕の事だよね!?」
セラフィ「そういえばあの時、1億5千年前の昔のキングギドラを倒して来たあとだって言ってた!でも、帰り先は現代へって・・・」
チハヤ「うん。「穴」の先に、現代で暴れるあいつが見えたから・・・でも、僕をそこまで導いてくれたあの『意思』が、招待主だったのか・・・」
――その者は更に怪獣界の聖域で、死した母親の魂を一時的に別のモスラの体に宿らせたりした事もあった。
「‐」モスラ『!!』
シン「それってもしかしなくても、レオママがモスラのママになってたあの時!?」
レオ「物凄い迫真的だったけど、本当にモスラ姉さんのお母さんが降りて来てたなんて・・・!」
「‐」モスラ『・・・これが、真なる神の力なのですね。』
――更に・・・おっと、口が滑り過ぎてしまった。
兎にも角にも、悪意だけは無い事を分かって欲しい。
イシュタル「じゃあ、貴方は怪獣界やこの世界では無い、異世界から来た存在なんですか?」
――その通りだ。
かつて、私は遥か古代の時代にただの恐竜の生き残りとして「スーリヤ」と言う地に生きていた。
だが、隣国「アグニ」が禁断の兵器「アグネア」を生み出し、スーリヤは業火と死の灰の地と化し・・・気付けば私だけが、巨獣となっていた。
機龍「・・・それって、まさか。」
「VS」ゴジラ「間違いない、名前こそ違うが・・・核兵器だ・・・!」
――私は怒り狂い、アグネアによって全てを奪われ、アグネアを憎む男・カルナと共鳴し、彼の負の思いを力に変えてアグニを、世界中に散らばったアグネアを共に破壊し尽くした。
しかし、それでもお互いに胸に残る空虚が消える事はなかった。
レオ「本当に、まるでゴジラみたい・・・」
キングシーサー「アグネアが核ならば、ガジャ・ナーガ様はゴジラさんに当てはめられますね・・・」
「‐」モスラ『違うのはカルナと言う協力者がいた事ですが・・・なんと悲しい絆なのでしょう。』
魏怒羅「・・・あの時の呉爾羅みたいなもんだろ。」
――カルナは報復者からただの人間に戻りたいと願い、私はカルナの願いを叶え、彼を元に戻した。
カルナの体はもう治療不可な程に毒に犯されており、程なくして死人に戻った・・・だが、最後にカルナはアグ二の地に住むウシャスと言う少女と再会し、自身の思いを「歌」に、願いを「予知」の力としてウシャスに託した。
彼女は唯一、アグネアに体を焼かれたカルナの歌を聞き、カルナの思いを受け入れた存在だった。
だからこそ、後世にアグネアと同じ力が現れた時の対策と、彼女とその子孫達を未来永劫守ると言う願いを掛けたのだ。
セラフィ「時を越える愛・・・カルナの思いはあたしのお母さん、お父さん、それからイムときっと、同じ思いなのね。」
アンバー『カルナ様はとても心の美しい方なのだと、わたくしは思います。だからこそアグネアによって心を病み、それでもウシャス様を忘れる事もなく、願いを託した・・・』