LAST TRAIN ―新しい朝―












――・・・遂に来たか、約束の地へ・・・
この結果次第で分かる。「招待」の意義と意味が・・・
さぁ、今こそ・・・審判の時だ。










それから一行が向かったのは、この出雲市最大の観光スポットであり、一行の最終目的地であり、護国聖獣悲願の地・・・出雲大社であった。
今一行は松の参拝道を歩き、真っ直ぐ大社に向かっている最中だ。
ちなみにこの参拝道の中央は神が通る場所の為、人々は中央を避けて歩いており、それは怪獣達も例外ではなく、護国聖獣以外の怪獣は脇の石道を歩いている。
また、一応は神に近い立ち位置であるキングシーサー・「‐」バラン・「‐」モスラ・アンバーも中央を歩ける筈なのだが、空気を読んで四人はあえて脇道を歩いていた。



護国バラン「こうして五人でまたここに来れる日が来るとは・・・あれから思いもしなかったな。」
最珠羅「そうですね。」
婆羅護吽「あっ、そうそう。あの日呉爾羅と魏怒羅が出店に寄り道しちゃって、最珠羅とバランさんから凄い蹴りであの小橋まで飛んで行って・・・」




呉爾羅「・・・」



皆が談笑する中、意の一番に混ざる呉爾羅は何も話さなかった。
この出雲大社最初の鳥居「勢溜の鳥居」から、ここに足を踏み入れた時から彼は思い出していた。
火の護国聖獣として、このヤマトの「くに」を護っていた日の。
あの最後の銅の鳥居を潜れなくなった日の。
邪念と無念と怒りにこの身を任せ、日本を破壊した日の。
元に戻ってから「招待」されるまでずっと、御神体の中で己が犯した業の意識に苛まれ続けた日の記憶を。



呉爾羅――・・・歩くたびに、心臓が動く。
歩くのを止めたら、多分止まる。
けど、あの先は・・・!



叫べるなら叫びたい、この胸の不安を。
止まるなら止まって欲しい、この胸の鼓動。
聞いてくれるなら聞いて欲しい、この胸の悲しみを。
平静を装っているが、呉爾羅の心は押しつぶされそうになっていた。



呉爾羅――・・・俺って、一体・・・誰なんだ?



魂の塊になった時から、数え切れない程に問いかけて来た、この質問。
しかし、その孤独の問いの答えは誰にも分かるわけがない。
無論、自分でさえも。



最珠羅「呉爾羅、どうした?」
呉爾羅「・・・あっ、いやなんでも?俺だって複雑な年頃だからさ・・・」
最珠羅「・・・お前が思っている事を当ててやる。『俺は一体、誰なんだ?』」
呉爾羅「!」
婆羅護吽「図星みたいね。」
護国バラン「我々とて、時間と経験を重ねれば精進出来る。そう言う事だ。」
呉爾羅「ははっ、何だよお前ら。エスパー伊東にでもなったのか?」
魏怒羅「・・・だって呉爾羅、今一番だるいだろ?」
最珠羅「もう分かっているんだ、私達も・・・彼らも。」





「VS」ゴジラ「・・・話を聞く。だから全部吐き出せ。」
機龍「人間も怪獣も、我慢は禁物だよ。これ、経験者からのアドバイス。」
ラゴス・ゴジラ「呉爾羅、また自分が分かんなくなってんのか?ならオレがまたお前を見付けるから、言ってくれよ!」
呉爾羅「お前ら・・・」
Jr.「俺達だって最珠羅達には及ばないけど、付き合い長いんだから分かるよ。」
「‐」ゴジラ『聞いたぜ、あそこの先に行けねぇんだろ?なら、おれたちもいっしょに行くぜ!』
チャイルド『だからがんばって!ぼく、おうえんするから!』
ジュニア「ボクも!」
ゴジラ・レッド「ちょっとの自縛がなんだ、お前はそれ以前にゴジラなんだろ?なら、お前に出来ないわけがあるか。」
スペース「オレ達は、自分の目で見てきたお前を信じている。」
レジェンド「・・・迷ったなら自分を強く持ち、打ち勝て。」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・。」
シン・ゴジラ(品川くん)「あ゛いじょうぶ、え(で)きる・・・」
呉爾羅「・・・魏怒羅にだるいって言われたら、どうしようも無いよなぁ・・・あぁ、正直しんどい。だるい。やっぱりさっきからずっと、俺の中の人々が口々に言いまくってて、むずがゆくて・・・
でも、誓ったんだ。あの子と、あの時の俺に・・・」
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好釦