LAST TRAIN ―新しい朝―




シン・ゴジラ(品川くん)「・・・あいうお(チャイルド)、うにあ(ジュニア)、いじめあ゛(た)・・・ゆるさあ゛(な)い・・・!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・!」



シン・ゴジラ(品川くん)の袖の内側に描かれた背鰭のような紋様が露わになり、シン・ゴジラ(鎌倉さん)の体と共にそれは一気に紫色の光に包まれて行く。



クリス「これってまさか、私の特大級の結晶を破壊したアレが来る!?」
ナイフヘッド「なら、それより前に倒せばいいんだよ!おら!ボディががらあ・・・」



先手を打とうとナイフヘッドが突っ込んだ瞬間、シン・ゴジラ(品川くん)の袖からおびただしい勢いの火焔が溢れ出して来た。



シン・ゴジラ(品川くん)「おう゛ええええええええええええええええええ!!」
ナイフヘッド「うっ、うおおおおおおおおっ!」
クリス「いけない・・・!やっぱり退却よ!」
ナイフヘッド「んなっ、なにをっ!!こんな所で・・・!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「ううっ・・・!」
クリス「いいから撤退!可愛いゴジラ君達、名残惜しいけど今日はここでさよならね?でも、これで終わりと思わな・・・!!」



ナイフヘッドは勇ましくそう言いながらも火焔に呑まれて押し返されて行き、クリスは捨て台詞を吐きながら宇宙エネルギーをロッドに目一杯集め、退却への足ががりを作ろうとする・・・が。



シン・ゴジラ(鎌倉さん)「うああああああああああああああああああああっ!!」
シン・ゴジラ(品川くん)「アハハハハハハハハハハハハハハッハアッハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」



先手を打ったのは、Wシン・ゴジラの方だった。
一直線に飛ぶ紫の熱線と、斉射される放射線流は一瞬で大爆発を起こし、砂浜一帯を轟音と爆煙で包む。



シン・ゴジラ(品川くん)「・・・カイ、カン・・・!」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・ふぅ。」
チャイルド・ジュニア『「す、すごーーいっ!!」』
レジェンド「・・・神の如き力は、己の世界のシン・ゴジラも一緒か。」
婆羅護吽「これが愛の一撃・・・って!やっぱりやりすぎ!」
「‐」モスラ『愛は時に、罪作りですわね・・・』
「‐」バラン『何を言って要るんだ、御前は。』
「VS」ゴジラ「相変わらず、出鱈目な威力だな・・・」
ゴジラ・レッド「クリスとあの包丁野郎、どっちもやったのか?」
呉爾羅「あっちのシンゴジもすごいな~!欧陽菲菲みたいでかっこい~!」
「‐」ゴジラ『えっ?おーしゃん?』
ラゴス・ゴジラ「ふぃふぃ?」
護国バラン「ずいぶん懐かしいな。だがその例え、我ら以外に伝わっているのだろうか?」
婆羅護吽「やだなぁ、呉爾羅もバランさんも。ジュディ・オングですよ?」
最珠羅「そんなのはどうでもいいが、ひとまずこんな爆発があったのに近くにいたら目立ち過ぎる、ここから離れるぞ!」
婆羅護吽「わ、分かったよ・・・」
「‐」モスラ『・・・いや、逃げる前に言わせて頂きますわ、最珠羅!殿方ともあろう者が婆羅護吽ちゃんにどうでもいいなんて、その言い種は何ですの!?』
最珠羅「えっ?」
シン「あたしも同感!!聞いた事無い人間だけど、ジュゴンとコングで合っているんでしょ?モスラ一族として女の子にキツい言い方は許せないわ!」
イシュタル「違うよ、お母さん!ジュディ&マリーだよ!」
婆羅護吽「お、お姉様達・・・嬉しいけど・・・多分、ジュディ・オング・・・!」


レオ――そう言えば、 欧陽菲菲(オーヤンフィーフィー)ってどんな人だっけ・・・?


最珠羅「いや、だから早くここを離れないといけないから・・・」
チハヤ「もしかして、あんたも分かんなかったんじゃないの?だから突っ込まなかったんだよ。」
セラフィ「それが本当なら酷いわ・・・婆羅護吽がかわいそう・・・」
最珠羅「わ、分かった!私が悪かった!だから早く逃げてくれっ!!」
魏怒羅「好きな男の腕の中でも、違う男の夢を見る・・・私の中でお眠りなさい・・・zzz」
最珠羅「寝るなーーっ!!」



こうして怪獣達は砂浜から引き上げて行き、隕石が衝突したかのような大穴の開いた爆心地に、クリスとナイフヘッドの姿は無かった。
だがしかし、ほんの僅かだがクレーターの中心部には裂け目のような空間の歪みが残っていた。










ナイフヘッド「はぁ、はぁ・・・姐さん、大丈夫か?」
クリス「なんとか、ね・・・」



そしてやはり、二人は生きていた。
Wシン・ゴジラの攻撃が炸裂するより微かに早く、ナイフヘッドがアンティヴァースとの扉「クラック」を開いたのだ。
それでも爆発の威力は受けてしまったので、かなりのダメージを負ってはいるが。



ナイフヘッド「それにしても、たった二人なのになんて奴らだ・・・!やっぱり、もし全員相手にしてたらやばかったのか・・・」
クリス「少なくとも、あのサムライゴジラも要注意人物ね。あのスペゴジ君とは一戦したかったけど・・・次の機会にかしら。」
ナイフヘッド「いや、いい加減懲りてくれよ・・・少なくとも、一斉攻撃をする時までは勝手な事禁止!」
クリス「そう?まぁ、仕方ないわね・・・うふふっ。三度目の正直が楽しみだわぁ・・・!」
ナイフヘッド「地上の人間に怪獣共、待っていろ!俺達、悪しき怪獣達の栄光の時を!そして、この俺の芸能界の活躍の時を!・・・リム!」



侵略者だけでなく、悪しき怪獣達までもが集うこの異世界で、大いなる野望が動き出そうとしていた。
18/31ページ
好釦