LAST TRAIN ―新しい朝―
呉爾羅「あっ!お前、確か・・・松村!!」
と、ここであまりにも場違いな台詞が飛んで来た。
こんな突拍子も無い事を言うのは呉爾羅しかおらず、追って護国聖獣達と人間界ゴジラトリオも駆けつける。
婆羅護吽「・・・えっ?松村?」
Jr.「違う!あの人の名前はクリス!松村の方じゃない!」
魏怒羅「どんだけ~!」
護国バラン「それはミッツではなかったか?」
Jr.「IKKOです!ミッツはマングローブ!」
「VS」ゴジラ「いや、そもそもそう言う問題じゃないだろ。」
最珠羅「そうだ!折角呉爾羅の邪気が消えて行っているのに、あんな極悪者と戦わせなんてしたら・・・!」
クリス「・・・ナイフヘッド、気が変わったわ。やっぱり、私に逆らう者は徹底的に痛め付けたい気分ね・・・とりあえず、あの変なゴジラは絶対・・・!」
眉間に寄せた皺と、いつもの猫撫で声とは正反対のドスの効いた声で、沸き上がる怒りを全ての者に示すクリス。
ナイフヘッドはそんな彼女に萎縮すらしていたが、それとは裏腹に呉爾羅や一部の面々は全く動じていない。
呉爾羅「変だと!お前のその杖だって変だろ!牛でも追っかけてんのかよ、フランケンシュタイン!」
Jr.「それを言うならホルスタイ・・・いや、やめとこう。」
最珠羅「やめろ呉爾羅!頼むからこれ以上煽るな!」
「VS」ゴジラ「そうだ。あいつには報復する理由がある、俺に任せろ。」
クリス「残念だけど、もう手遅れじゃないかしら?もう貴方のバラバラ死体を見ないと私、満足出来ないの!!」
機龍「満足・・・?誰かの満足は、誰かの不満足なんだぞ!」
Jr.「言ってる事は正しいけど、機龍もそこに食い付かないっ!」
ナイフヘッド「そ、そうだ!こんな奴らに俺達が負けない!姐さんは俺が守ってや・・・あれ、でも確か姐さんが俺の護衛だったような・・・?」
クリス「なんでもいいわ、あのゴジラさえズタズタに出来れば!まぁ、口々に煩わしい女達は置いといて、男だけとならベッドの上で全員相手してあげるけど?」
ゴジラ・レッド「テメェはいいから減らず口を閉じろ・・・!そんなに待てねぇなら、ここで相手してやるって言ってんだ・・・!」
レジェンド「・・・!」
スペース「そう、このオレ達がな!」
「VS」ゴジラ「お前があのアルマゲドンの犯人だな?俺の世界で好き勝手やりやがって・・・消し炭にしてやる!」
「‐」ゴジラ『ぜったいゆるさねぇからな!クリス!かくごしろ!!』
ラゴス・ゴジラ「いくぜ!!みん・・・」
ゴジラ達が一斉にクリスに向かおうとした、その時。
シン・ゴジラ(品川くん)が突然、両者の狭間に割って入った。
その表情はそれまでの常に薄すら笑いを湛えていたものとは違う、冷たいまでの真顔であった。
レジェンド「!?」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・スン・・・!」
クリス「あら、なぁに?貴方?」
ナイフヘッド「邪魔するなら、まずお前から八つ裂きにしてや・・・」
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・」
更に間髪入れずにシン・ゴジラ(鎌倉さん)が隣に来たかと思うと、シン・ゴジラ(品川くん)の腕を縛る紐を掴むや否や紐が急激に緩くなり、シン・ゴジラ(品川くん)は両手を広げて紐を振りほどく。
同族の力により、シン・ゴジラ(品川くん)の封印が解かれたのだ。
シン・ゴジラ(鎌倉さん)「・・・!」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・ワァ。」
Jr.「は、外した!?」
シン「品川くんと鎌倉さん、もしかして一緒に戦う気なのね!」
婆羅護吽「じゃあシンお姉様達を助けた、あの一撃が!? 」
「‐」モスラ『それは見逃せませんわ!』
セラフィ「えっ、でもそれって危険なんじゃ・・・」
機龍「少なくとも、鎌倉さんの方はシンがいるんだから手加減するんじゃないか?」
チハヤ「それに何かあったらレジェンドが全部責任取るみたいだし、別にいいんじゃない?」
セラフィ「チハヤったらもう!そういう問題じゃないわ!」