LAST TRAIN ―新しい朝―




レオ「イシュタルにモスラ姉さん、こんにちは。」
イシュタル「こんにちは♪」
「‐」モスラ『ごきげんよう、レオ。』
レオ「あと、そこにいる二人ってもしかして私と同じ新世代のモスラだよね?」
セラフィ「うん、そうだよ。あたしはセラフィ、よろしくね。そしてこの子はイム。」
チハヤ「僕はチハヤ、よろしく。」
レオ「私の名前はレオ。よろしくね。色々話したい事はあるけど・・・シン姉さんにフェアリー、こんにちは。」
シン「あっ、レオじゃなーいっ!!今日はシンゴジ連れて来てくれてありがとね♪しかも新しいモスラが二人もいるし!もう、さいこーー!!」
フェアリー『コンニチハ!モウフェアリ、イムッテ言ウ友達ガ出来テ幸セダナァ・・・!』
イシュタル「あっ、わたしの頭から離れちゃ駄目だよ。フェアリー。シンゴジに狙撃されちゃう。」
チハヤ「狙撃?」
イシュタル「お母さんが言うにはね、シンゴジは飛行物が苦手で見付けたら上限反射で狙撃しちゃうらしいの。フェアリーがそんな事になったら嫌だから、頭に乗せてるんだ。」
チハヤ「へぇ・・・いっそあいつとかあいつとか、狙撃して貰おうかな?」
「‐」モスラ『では、わたくしの「フェアリー」体は、あのゴジラの前では厳禁ですわね・・・』
セラフィ「イムは半透明だから大丈夫なのかな?あっ、イムは喋れないんだけど、あたしにテレキネシスで意志は伝えてくれるの。イムも、フェアリーと出会えて最高だって。」
レオ「そうなんだ・・・付かず離れずの相棒みたいで、いい感じだね。それからモスラ姉さん、さっきからなんで顔が赤いの?」
「‐」モスラ『当然ではありませんか!あんなに熱いものを見せられて、平常心でいられるわけがありませんわ・・・!』
レオ「えっ、シン姉さんとシンゴジさんの事?」
Jr.「俺は絶対そう言う関係じゃないって思うんだけど・・・まぁ、シンゴジさんも本当にポーカーフェイスだよね。今もこうしてシンさんに抱き付かれたままなのに、顔色一つ変わってない。」
レオ「・・・Jr.、あれ見てもそう思う?」



Jr.が言う通り、シン・ゴジラの顔はいつもと変わらない無機質な表情をしていた・・・の、だが。
まるで愛する主人に頭を撫でられ喜ぶ犬の尻尾のように、嬉しげに左右に揺れるシン・ゴジラの尻尾のような長髪が、彼の本心を愚直なまでに示していた。



Jr.「・・・へ、へええええっ!?」
シン「シンゴジ、前より自然に感情出せるようになったのね!あたし、すっごく嬉しい♪」
機龍「なんだ、凄く満足そうじゃないか。」
「VS」ゴジラ「顔に出さないだけだ、気にする事でもない。」
Jr.「いやいや、あんなの見られたらシンゴジさんの色々なイメージが崩れるって!ギャップ萌えとかそんな感じじゃ・・・」
レオ・セラフィ・婆羅護吽「「「か、かわいい・・・!」」」
Jr.「へえええええっ!?」
呉爾羅「おおっ!やっぱシンゴジって面白いな~!俺も包帯で真似してみるか・・・」
最珠羅「やめろ、馬鹿馬鹿しい。」
呉爾羅「でも、あのモスラだってそれっぽい事してるぜ?」



チハヤ「・・・♪」



最珠羅の目に、背中に右手を回して紐の余りを掴み、何故か必死にシン・ゴジラの真似をするチハヤの姿が見えた。



最珠羅「・・・確かに。」
セラフィ「内心可愛いって思ったのかな?そう言うチハヤも可愛いけど。」
Jr.「何回もシンゴジさんの所に行ってるのに、あんな姿見たことないよ・・・やっぱり、シンゴジさんにとってシンさんは特別な人なんだろうな・・・」



ラゴス・ゴジラ「お~い!シ~ン!勝手にフラッシュダッシュすんなって~!」
「‐」ゴジラ「モスラもちょっと、速すぎんぞ~っ!」
チャイルド・ジュニア『「とうちゃん(ゴジ兄)、まって~っ!!」』



ここでようやく、モスラ姉妹以外の異世界の怪獣達が合流した。
ちなみに異世界の怪獣達は到着時に顔合わせをしているので既に親交を結んでいる者達もおり、その中には数名初顔の面々もいる。



ラゴス・ゴジラ「よっ、みんな!シンゴジ!ってかなんだよシンゴジ、すげぇ楽しそうじゃん!」
「‐」ゴジラ『ラゴスじゃないけど、おれも分かる。シンゴジ、シンと会えてうれしそうだな~。』
チャイルド『そうだね、とうちゃん!ぼくもしんごじさんから、ぽかぽかなかんじがするよ!』
ジュニア「ボク、分かる!あの人、シンに会えてニコニコ!」



チャイルドと一緒にいる、腕白を形にしたかのようなこの少年はラゴス・ゴジラ、スペースと共通した服と雰囲気をしていたが、額に巻いたバンダナや服の色から感じるグリーンスタイル、茶髪のショートヘアや愛くるしい笑顔が幼さを感じさせた。
彼の名はゴジラジュニア・アドノア・キング。
怪獣界・アドノア島で見付かった卵から生まれ、ゴジラ兄弟の父・キングの血を引く者と判明した事から彼らの弟として共に暮らす事となった、ゴジラ兄弟の三男である。


Jr.「あれ、この子誰?」
ラゴス・ゴジラ「あぁ、紹介するぜ!オレとアニキの新しい弟の、ジュニアだ!」
ジュニア「ボク、ジュニア!よろしくね!」
Jr.「よろしく・・・って、新しい弟?」
呉爾羅「おめでとさんじゃん!こりゃ、今日は赤飯だな。」
スペース「待て、何を勘違いしている・・・!ジュニアはこの前の「招待」の直後に見付かった卵から還ったんだ。正当なるキングの血統の者・・・つまり、オレとゴジラの弟だ。」
「‐」ゴジラ『もう、会ってすぐにチャイルドとなかよくなってさ!ずっといっしょなんだぜ。』
チャイルド『じゅにあ、だいすき!』
ジュニア「ボクも!チャイルド、大好き!」
Jr.「ははっ、らしいね。」
ラゴス・ゴジラ「よかったな、ジュニア!みんなオレとアニキが大好きな仲間だから、みんな信じていいぜ!」
ジュニア「うん!あっ、そこのゴジラ兄ちゃん!」
「VS」ゴジラ「・・・お、俺か?」
ジュニア「ゴジ兄とスー兄の事、好き?」
「VS」ゴジラ「なっ・・・!」
機龍「おっ、子供らしいストレートな質問だね。どうする?ゴジラ兄ちゃん?」
「VS」ゴジラ「・・・好きに、決まってるだろ・・・」
ラゴス・ゴジラ、「‐」ゴジラ、呉爾羅「『「だよな!」』」
「VS」ゴジラ「お前ら・・・!」
ジュニア「やった!ゴジ兄、ほんとだね!」
Jr.「子供ゴジラが増えて、父さんも大変だなぁ。」
機龍「まっ、『嫌よ嫌よも好きのうち』って言うし、いい経験じゃないか?」
スペース「弟も手を焼く腕白さだ、あいつに勝ち目は無いだろうな。」
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