LAST TRAIN ―新しい朝―




最珠羅「それにしても、悪人ではないと聞いてはいるが・・・」



シン・ゴジラ「・・・」



最珠羅「・・・やはり、何処か異質な感じだな。」
呉爾羅「おい最珠羅、人を見掛けで判断したらいけないんだぞ!確かに傘みたいな髪型だし背高いし基本かぶいてるし超ムッツリだけど、シンゴジは悪い奴じゃないんだからな!」
「VS」ゴジラ「それ、事情を知らない奴からしたら十分不審者だろ。」
護国バラン「まぁ、そんな状況でさえ平気で寝ていられる魏怒羅は、ある意味凄いかもしれんな。」
レオ「もしくは、脅威に感じていないか。だって、あの人の正体はシン姉さんが最初の「招待」の時に助けたかったって言ってた、あの子で・・・」
婆羅護吽「この前の時もシンお姉様にただ会いたい一心でシンお姉様だけを呼び出して、体を張ってシンお姉様を隕石から助けて、最後にまた絶対に会う愛の約束までして・・・!そんな素敵な事があったなら、私も行きたかった~!」
Jr.「いやいや、なんか恋愛話みたいになってるけど、多分運命の出会いってだけでお互いにそういう感情は無いと思うよ?」
「VS」ゴジラ「なんでもいい、来たぞ。」



「VS」ゴジラがそう言って指差した先に、四つの一団が見えた。
今回の目的地は時間を問わずに人間達が普通にやって来る所なので、異世界の怪獣達は林に降り立ってからここを目指していた・・・の、だが。



???「・・・ゴジーー!!」
機龍「ん?誰かが光速で向か・・・」
シン・ゴジラ「!」



機龍の言う通り、音よりも速い光の速さで向かってきたその者はまさに刹那の如く、一瞬で「VS」ゴジラ達の元にたどり着き、シン・ゴジラに激突。
シン・ゴジラも光速の突撃を受けたのにも関わらず、何故か後ろによろける程度で受け止め、変わらぬ無表情でキャッチした「彼女」を見る。
それから間を置かずに、ようやく彼女が光速で突撃しながら発した声が一同に聞こえて来た。



シン「シンゴジーーっ!!シ~ン~ゴ~ジーーっ!!♪」
レオ「やっぱり、シン姉さんだったのね。モスラ姉妹の誰かがフラッシュ・ダッシュで向かってきたのかな、って思ったけど。」
Jr.「さらっと当たり前に言う事じゃないよね、それ。」
婆羅護吽「シンお姉様ったら、いきなり激しいなぁ・・・」
最珠羅「お前も当たり前のように受け入れるなぁ!折角人間に怪しまれないように奉納山に来ているのに、本末転倒じゃないか!」
機龍「まぁ、あれだけ速いともう人間の目には見えないな。急に風が吹いた、くらいにしか思ってないんじゃないか?」
護国バラン「人間がどれだけ進歩しようと、蚊や蝿、御器被に弄ばれるようなものだ。」
最珠羅「やめて下さい、その嫌な虫の殿堂入りみたいな例え。」



と、更に光速の風が吹いたかと思うと、シン・ゴジラの傍にまた四人のモスラが増える。
一人はフェアリーを頭に乗せたイシュタル、もう一人は「ファイヤー」体になり顔を真っ赤にした「‐」モスラだったが、残る二人は見慣れない少女だった。



イシュタル「ふぅ、追い付いた・・・もう、お母さんったらいきなり走っちゃ駄目だよ~!」
フェアリー『ハァ、ビックリシタ・・・』
「‐」モスラ『それにしても、いきなりこんなに熱く抱擁を交わすなんて・・・!シンもなんと大胆なのでしょう・・・!』
???「まぁでも、あのスピードなら同時にスタートしてたらきっと僕が勝ってたよ。」



強気に呟く、七色の少女。
チューブトップ・短パンの体に虹のように鮮やかな色のシースルーの布を、青く長い紐をヒップで結んで前掛けのように纏い、黒のニーハイソックスにサンダル、髪先が青紫のグラデーションをしたショートヘアは、少年にも見える活発さを感じさせた。
彼女の名前はチハヤ。レジェンドの出身世界「Unknown World(アンノーンワールド)」の新モスラだ。



???「もう、チハヤったら。これは競争じゃないのよ?でも、やっぱり他の世界のモスラは強いな・・・あたしも頑張らなきゃ。ねっ、イム。」



チハヤを嗜(たしな)める、緑の少女。
腰まである長く波打つ美しきグリーンの髪、オリジナル時の顔を彷彿とさせるシニヨンと一対の白い触覚、年齢不相応な発育をした体を隠す茶色のチューブトップとミニスカート、そして緑の瞳に強さと優しさを湛えた清純なる顔。
彼女の名前はセラフィ。獣人界出身の新モスラであり、チハヤとは過去に一度遭遇した事がある顔見知りの仲である。
彼女が話し掛けた、傍らに翔ぶ半透明のフェアリー(妖精)モスラはイム。
かつて死んだ彼女の妹モスラが転生した存在で、常にセラフィの側にいる彼女の相棒だ。
当然、イムとフェアリーは出会った瞬間に友達になっている。
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好釦