閉ざされた世界
ここは「Unknown World(アンノーン ワールド)」と呼ばれる世界。
怪獣達が人間の姿をして暮らすこの世界は、世界そのものを覆う「GNウォール」の影響によって他の世界からの干渉はおろか、感知すらされずにいた「閉ざされた世界」だった。
しかし2016年、ゴジラ・レジェンドが異世界に行った事をきっかけにして、異世界の怪獣達を繋ぐ「招待」が可能になった。
更に2017年1月の「招待」にてレジェンドを正式に「招待」し、異世界の怪獣達がレジェンドとの繋がりと「招待」を強く望んでいると判断した「招待」主達は、彼がいた世界を5番目の「招待」先に決定。
GNウォールの影響で世界の詳細が今だ異世界からは分からない事から「未知なる友人達の世界」と言う意味を込め、「Unknown World」と呼ばれるようになった。
そして2017年・5月某日。
UW世界に「招待」の知らせが届いた・・・
レジェンド「・・・」
チハヤ「それで、今回三度目のあんたと僕が「招待」された、と。」
レジェンド「・・・己とお前は、絶対参加だ。」
チハヤ「まぁ、この日は用事は特に無いから僕はいいけど・・・あと一枠が自由って、どう言う事?」
「招待」状である白い封筒を右手でヒラヒラとさせながら、UWの新モスラ・チハヤがぼやく。
レジェンド「・・・その通りの意味だ。」
チハヤ「いや、それは分かってるよ。でもこの「招待」って、いつもは誰かがメンバーを決めてるんだよね?なんで今回は僕とあんたが決めないといけないんだよ?」
レジェンド「・・・己も皆目見当付かない。」
チハヤ「しかも期日が明日って、いきなりにも程があるって。なのに・・・」
レジェンド「・・・」
チハヤ「ちょっと、何処行くの?」
レジェンド「・・・時間が無い、あの親子の所に行く。」
チハヤ「いや、決定権は僕にもあるんだけど!・・・はぁ、噂通りいきなり動く人だなぁ・・・」
紘平(VSゴジラ)「・・・事情は分かった。でも、俺も幸(さき)も行かない。」
レジェンド「・・・何故だ。」
紘平「だってこれ、あと一枠なんだろ?俺か幸かどちらかなんて選べるかよ。」
幸(ゴジラジュニア)「えっ、僕は行きたいな・・・」
紘平「いや、ダメだ。レジェンドはともかく、チハヤと二人きりで行ったらうるさい奴が何人もいるだろ?それに、幸と行けないんなら行っても楽しく無いしな。」
幸「うーん、父さんがそこまで言うなら・・・と言うわけだからごめんね、おじさん。チハヤ。」
チハヤ「なんとなくこうなると思ったからいいよ。あのブラコンラドンがいないだけマシだし。」
レジェンド「・・・そうか。邪魔をした、これにて御免。」
チハヤ「だから、勝手に動くなって・・・と言うか、次は何処に行くの?」
レジェンド「・・・」
アロナ(VSモスラ)「えっ、「招待」ですか?私が行って、いいのですか?」
チハヤ「ちょっと、なんでよりにもよって僕の家なんだよ!それに・・・」
アロナ「あっ!あの、「招待」に誘って頂けるのはすごく光栄ですし、チハヤと一緒に行けるのは嬉しいのですが・・・一枠では、ヒタムさんと行けませんよね・・・?
レジェンドさんのお気持ちは、とても嬉しいのですよ?ですが、ヒタムさんだけ除け者にするなんて、私にはとても、耐えられません・・・」
ヒタム(バトラ)「・・・」
レジェンド「・・・」
チハヤ「そしてこうなるのが目に見えてたから、一枠の事は話さないって決めてたのに!どうするんだよ、あんた!お母さんを追い込むような事して!お母さんの純粋無垢な心を傷付ける真似して!お父さんもさっきからずっと気まずそうだし!」
レジェンド「・・・申し訳無い。」
アロナ「チハヤ、レジェンドさんを責めないで。レジェンドさんは善意で言って下さっているのだから・・・ただ、私に決心力が無いだけ・・・」
ヒタム「泣くな、アロナ。お前の涙は見たくない。」
アロナ「ヒタムさん・・・!」
チハヤ「お父さん・・・!」
ヒタム「俺はいい。お前達が行っている間に俺が留守番をしておくだけだ。」
アロナ「そんなわけにはいきません。ヒタムさんがいないなら、わたくし・・・」
チハヤ「僕だって!」
ヒタム「いや、俺は・・・」
アロナ「私は・・・」
チハヤ「僕は・・・」
レジェンド「・・・」
(約2時間のイチャイチャタイム後・・・)
チハヤ「だから、お母さんもお父さんも無し!二人は夫婦旅行に行くから無理!分かった?」
レジェンド「・・・分かった。」
チハヤ「本当ならこんなの、万死に値するんだからな!じゃあ、次は・・・」
ニルヤ(ダガーラ)「なに?俺と行くのか?」
チハヤ「うん。あと僕が知る中でまともなのってお前くらいだし。」
アサナシオス(デスギドラ)「お~い、ここにも参加したがってる人がいるんだけど~?ちゃんと狙い撃ってよ~!」
ティフォン=フリサフェニオス(グランドギドラ)「汝の様な似非(エセ)侍が最優先で招致され、この我が招致されぬなど・・・一体全体腑に落ちんな?」
チハヤ「いや、お前らだけは絶対無いから!これは善い怪獣達だけの集まりなんだよ!」
ティフォン「欺瞞(ぎまん)だな。ならば何故、ニルヤは例外なのだ?この海人(うみんちゅ)もまた我やアサナシオスと同じく、汝と戦場で激しく絡み合った唯一無二の関係であると言うのに・・・」
チハヤ「変な言い方すんな!そんなの日頃の行い、それ以外に何があるんだ?言ってみろよ?」
アサナ「えっ?そんなのボクがチハヤちゃんのアレが未だにCもいってないのを知っ・・・ごふっ!!」(ベーレムパンチ)
ティフォン「愚問だな・・・だが、敢えて模範解答をするならば我は熟知しているからだ。チハヤはエターナルとなってようやくCに・・・がはっ!!」(ベーレムパンチ)
ニルヤ「・・・こう言う事だからだな?チハヤ。」
チハヤ「正解。僕より先にやってくれてありがとう。やっぱり、お前と幸が最後の良心だな・・・とりあえず考えといて。」
レジェンド「・・・(ドン引き中)。」
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