Who will know‐誰が知っているだろう‐
クリス「なんて事・・・!私のとっておきの巨大結晶までも!何なの、あのゴジラは・・・!」
一方、事態の行く末を見届けようと林の中に隠れていたクリスは唇を噛みながら、ゴジラ達によって家屋の中に運ばれるシン・ゴジラを睨む。
クリス「・・・ひとまず、この世界には一人で行かない方がいいわね。『彼ら』にもこの事を伝えた方がいいかしら?とりあえず、このままじゃ気分が晴れないし・・・帰ったらリトルにちょっかいを出さないと、ね♪」
計画が阻止されながらもまるで懲りる事も無く、「悪しき怪獣達」と「獣人界のリトルゴジラ」の姿を思い浮かべながらクリスは背中の結晶を肥大化させ、宇宙へ去って行った。
「・・・!」
シン「あっ、やっと目が覚めた!おはよう・・・じゃなくてもうこんばんは、かな?」
数時間後、ようやくシン・ゴジラが目を覚ますと、見慣れた家屋の天井と夢のようで夢では無い、眩しい笑顔が見えた。
ゆっくりと体を起こし、窓を見ると夕日が射し込んでいる。
シン「突然熱線を撃った時と、その後倒れた時はびっくりしたけど、無事で良かった~!!ほんとにありがと!あたし達を助けてくれて♪」
「・・・」
シン「それとね、突然なんだけど・・・もう帰る時間になっちゃった。もっとたくさんシンゴジと思い出作りたかったけど、今日はもうすぐおしまい。だから、ちょっと外に来てっ!!」
「・・・?」
シンに手を引っ張られながら、夕焼けに染まった外に出るシン・ゴジラ。
家屋の前にはゴジラ一族が一列に並んでいて、全員が何処か充実した表情をしていた。
ラゴス・ゴジラ「シンゴジ、あの時は会えなかったけど、シンのおかげでこうしてちゃんと会えたな!次もまた、絶対会おうぜ!」
スペース「オレ達がシンに何度も救われたように、お前もシンに救われた。その名を大切にしろ。いつまでもな。」
「‐」ゴジラ『おれ、シンゴジとであえてほんとに良かった!もうおれたちは同じゴジラのなまかだ。おれたちはシンゴジの事をぜったい忘れない。だからもう悲しまなくていいぜ。シンゴジの事は、おれたちがずっと覚えてるからな!』
チャイルド『しんごじさんは、こわくなんかないよ!だってぼくたちをまもってくれたもん!だから、げんきだしてね!』
ゴジラ・レッド「アンタが立派なゴジラ一族なのは、オレが保障する。だから、アンタも周りに負けんな。アンタは怪獣王、この星で最強の存在なんだからな。」
レジェンド「・・・先程は、申し訳無かった。この星を、頼んだぞ。」
呉爾羅「まっ、もし自分を見失ったら俺がなんとかするって。だから、俺の御神体へお供えに来てくれよ!弾んでくれた分だけ頑張るからな!」
ジラ『アメリカに来てくれたら、いつでも観光案内するからね♪国の壁も次元の壁も関係ない!離れていても、僕らの心は一つなのさ!ウィーアーブラザー!』
Jr.「俺達ならいつでもいますから、寂しくなったら山を降りて来て下さいね。他の怪獣も紹介しますから。」
機龍「・・・俺から言える事は一つ。これで、まんぞ・・・」
ドカッ!
「VS」ゴジラ「悪いな、馬鹿な連中ばっかりで。まぁ、過ごしにくい世界だと思うが・・・気にするな。何処にいても、お前はお前だ。」
機龍「・・・く出来たか?まっ、自分らしく行ければ基本大丈夫。あまり自分を追い詰めずにいけばいいさ。」
違う次元世界の、同じゴジラ達からの言葉。
改めて、自分がもう一人ではない事を知ったシン・ゴジラの見開かれた目からは、僅かな輝きが垣間見れた。