Who will know‐誰が知っているだろう‐




???「そこまでだ!この変態痴女!」



と、その刹那、クリスの背後から燃える石が彼女目掛けて飛んで来た。
直ぐ様クリスも投石に気付き、振り向きざまに石をロッドで払うと、石を投げた者を確認する。
そこには何者かが三人立っており、内一人・・・投石を行った者はクリスが良く知る人物であった。



ゴジラ・レッド「気味の悪い気配がすると思ったら、やっぱりテメェか!クリス!」
ジラ『ずいぶん最初からクライマックスな光景じゃないか。チャイルド君の教育に悪いし、私達も邪魔させて貰うよ。』
レジェンド「・・・」
クリス「ほんと、貴方っていつも礼儀知らずでつまらない使命感に駆られる、気に入らない人だわ・・・そうよねぇ、レッドお義兄様!」
「‐」ゴジラ『ジラ!レッド!それと・・・』
チャイルド『おじさん!!』



それぞれ別の世界の怪獣ながら、今回の「招待」とクリスの気配を察知してこの地へ駆け付けたのを機に出会った、三人のゴジラがそこにはいた。
一人目は「獣人界」出身、最近よく「招待」されるようになったゴジラ・レッド。
二人目はこの世界出身、二人の案内人で一応はアメリカンゴジラのジラ。
そして三人目もアメリカのゴジラだが、その容貌と雰囲気はむしろ「侍」を思わせる者だった。
ここにいる者達を軽々と上回る長身、それに匹敵する長さである、ゴジラ一族の背鰭を思わせるギザギザが付いた黒い鞘に納まった、背中に背負った刀。
同じくゴジラ一族の皮膚に似た、ゴツゴツとした深緑のジャケットを着用し、うなじ付近から器用に編み込まれ、そこから一つに結ばれたボサボサの緑の長髪。
そして寡黙に決して逃す事なく、鋭く獲物を狙い澄ます金色の狩人の眼差し。
彼は以前鍵島に現れ、チャイルド・バラゴンとちょっとした知り合いになった、新たなる世界より現れしゴジラ・・・またの名を「レジェンド」である。



クリス「何だか知らないのが二人いるけど、私のお楽しみの邪魔をしないで?」
ゴジラ・レッド「お楽しみならオレの世界に帰ってビオランテといつまでもやってろ。その二人はオレの大切なゴジラ仲間だ、だから返して貰う!」
ジラ『お互い初めて会うけど、チャイルド親子を助けたい思いは一つ!私はレッドとあいつの足止めをするから、レジェンドはチャイルド親子を助けて!』
レジェンド「・・・分かった。任せてくれ。」
ゴジラ・レッド「言われなくても、オレはあの女をぶちのめす!」



三人は一斉に飛び出し、ゴジラ・レッドとジラはクリスへ、レジェンドはチャイルド親子の元へ向かう。
クリスもロッドを掲げ、結晶からエネルギーを集めて臨戦体勢に入ると、ゴジラ・レッドのパンチとジラのキックをロッドで受け止める。



クリス「女相手に二対一なんて卑怯じゃない?怪獣王も堕ちたものね?」
ゴジラ・レッド「黙れ!テメェだってしっかり結晶フィールドを張ってる癖に!三対一でもおつりが来るくらいだろ!」
ジラ『つまり、ここはあんただけが有利なテリトリーに変えてあるってわけかい!ズルい女だよ、あんた!』



この結晶はクリスが宇宙エネルギーを集める為、あらかじめこの草原に展開させていたものであり、結晶とロッドを介してクリスは普段の何倍ものパワーを無尽蔵に得る事が出来る。
これこそが「‐」ゴジラが全く抵抗できなかった理由で、クリスはあっさりと二人をロッドで押し返し、稲妻状の光線を杖から放って二人を遠ざける。



クリス「つまらない義兄とオカマに構ってる暇はないの、早くやられなさい!」
ジラ『私はオカマじゃなくて両性なんだよ!それこそオカマみたいな名前してるオバサンが言うな!』
クリス「言ったわね・・・私への禁句を二つもっ!!絶対に許さない!八つ裂きにしてやるっ!!」



ジラの一言に激昂したクリスは熱線を出そうとしていたゴジラ・レッドにホーミング性のある大量の結晶達を向かわせつつ、稲妻光線で執拗にジラを狙う。
だが、スピードならゴジラ一族No.1のジラは結晶を器用に避け、時に足場にして跳躍しながら光線をかわして行き、クリスに焦りとストレスを与える。
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好釦