Give me‐君の心を解き放つ物語‐
僧バラン「そう言えば、シン達の方はどうだったのだ?実りあるものだったか?」
シン「当然!!あの世界のインファント島に行けたのよ?楽しいに決まってるじゃない!遥も『大学の勉強』で直接は来れなかったけど、最後に小美人の力で魂だけ?来てくれたし、最高の中の最高よ☆」
イシュタル「小美人が本当にモスラお姉ちゃんの親みたいで、面白かったよね。モスラお姉ちゃんの遊び相手のイルカちゃんと遊べたのも良かった!」
シン「しかもレオ親子に加えて、噂の双子の子持ちモスラ親子も姉妹入りして、遥はレオのアイディアで姉妹の『特別顧問』になったし、これで絶対無敵最強可憐モスラ姉妹は超パワーアップ!!隣の小島で姉妹の誓いをした今日はもう、ほんと忘れられないっ!!」
イシュタル「お姉ちゃんのアジゴと弟君のアジマ、まだ小っちゃくって可愛かった~!しかもお母さんモスラの名前がグランマと同じ『アイレナ』なのもびっくり!」
フェアリー『チナミニ最珠羅ト~、バトラト~、アジマハ「メンズ組」二ナッタンダ!』
僧バラン「おお!男組まであるとは平等だ!どんどん増えて行って、まさにウルトラな姉妹になっているな!」
ビオランテ「いつか、マルチバースの平和まで守りだしそうじゃのう。」
ラゴス・ゴジラ「何をっ!こっちだってレッドって言う新しいゴジラが来たし、バラゴンと婆羅護吽のバラバラ姉弟を結成したんだからな!」
僧バラン「そっちもそうか・・・って、あのバラゴンが弟なのか?」
スペース「生まれた年月が違うから、だそうだ。まぁ、オレは人間どもの世界に連れて行かれて最低だったな。その点はレッドとは本当に気が合った。」
ラゴス・ゴジラ「へへっ、こう言ってるけどアニキも心の中じゃ結構楽しそうにしてたんだぜ?」
スペース「おい、ゴジラ・・・!」
ラゴス・ゴジラ「しかもアニキさ、Jr.パパとレッドと一緒に『人類撲滅同盟』を結成するとか言ってたんだけど、オレが呉爾羅とJr.とチャイルド親子とバラバラ姉弟で『反人類撲滅同盟』を結成するって言ったら、急におとなしくなったし。」
僧バラン「ははっ、同志がいればまだましになったかもしれんな。」
ラゴス・ゴジラ「でも、チャイルド親子が人間嫌いを止めない、って言って聞かないレッドにマジ切れしてさ・・・レッドがそれに参ってすぐに謝ったからケンカせずに済んだんだけど、あの時のチャイルドパパは前にバトラと乱闘した時より怖かったなぁ。」
スペース「『人類撲滅同盟』の件を控えたのは、それもある。それ程、あの時の奴は恐ろしく感じたな・・・」
僧バラン「ほう?チャイルドパパとは拙僧も前は一緒だったが、とても穏やかな男だったぞ?だが・・・怒りが頂点に達すると化け物になると本人が言っておったし、あの者は怒らせては駄目と言う事だな。」
ラゴス・ゴジラ「それから機龍が『満足同盟』を結成するとか言って、オレと呉爾羅と魏怒羅とチャイルド親子が入るって言ったら、変な服着せられそうになったな・・・みんなも気を付けろよ。」
スペース「オレもそれで断ったが、あそこまで落ち込んだ機龍は初めて見たな。」
僧バラン「機龍・・・同志から一度話は聞いた事はあるが、よく分からん男だな。拙僧も気を付けるか。」
シン「そうそう、バランの方って他にはどうだったの?」
僧バラン「そうだな・・・あっ!そうだ、途中でヒジュラスとか言う偉そうな輩が来て・・・」
彼らの談笑は、日が暮れてもまだ続きそうであった。
レオゴン『・・・モウチョットダケ、ツヅク・・・?』
ヒジュラス『・・・』
一方、「‐」世界。
夕日を隠して行く富士山を、ビオランテに投げ飛ばされた末に木の枝に引っ掛かったヒジュラスが、逆向きになりながら無言で見つめていた。
目を瞑り、腕を組んで格好だけは良くしているつもりのようだが、今の彼は人間が仕掛けた罠にかかった哀れな鳥、自慢のマントのせいで枝に引っ掛かっているその姿は、吸血鬼の真似に失敗したお笑い芸人にしか見えず、とても神を名乗る者には見えない滑稽さだ。
得意の超高熱なら枝を溶かすのは容易だが、そうすればマントも一緒に燃えてしまい、無様に真っ逆さまに地面へ落ちてしまう。
まさに「八方塞がり」だ。
ヒジュラス『許さん・・・許さんぞ、あの植物女!坊主!バラン!・・・だがしかし、その前にこの状況を何とかしなければならない、が・・・その手段は我のプライドが許さん・・・!
あぁ、姫!君の冷気ならこの状況を打破出来るのに!君は此処にいない!
姫ー!姫ー!どうか我を迎えに来てくれぇ~っ!!』
秘鷲羅神の帰還は、まだ遠い。
終