4×4×4




シン「それでね、イシュが作ったチョコの出来栄えを聞いてみたんだけど・・・あ、ああーっ!!」
レオ「えっ、どうかしました?」



大声を上げながらシンが見た方向、そこには三人で固まって話をするJr.、チャイルド、イシュタルの姿があった。
それだけならどうと無い光景だが、シンが慌てる理由はイシュタルにあった。



イシュタル「これ、おやつにしようと作ってたんだけど、食べてみて♪」
チャイルド『わ~い!にんげんさんのたべものだ~!』
Jr.「文武両道な上にチョコレートが作れるなんて、凄いなぁ。」



そう、イシュタルが以前作っていたチョコレートを、二人に渡していたのだ。
話が中断された都合でイシュタルの作る物の脅威を知る者はシンしかおらず、急いでシンは止めに入ろうとする。



シン「それ食べちゃ、駄目~!!」
Jr.「えっ?」
チャイルド『いただきまーす!』



シンの絶叫にJr.はすんでのところで手を止めるが、チャイルドにはほんの僅か、遅かった。
チャイルドがチョコレートを口に入れた次の瞬間、何かが弾ける音が辺りに響いたかと思うと、チャイルドは精魂尽きたかの如く、砂浜に倒れた。



「VS」ゴジラ「んっ・・・?」
ラゴス・ゴジラ「何だよ・・・って、あっ!」
「‐」ゴジラ『え・・・うっ、うわあああっ!!チャイルド~!!』



その炸裂音(?)に睨み合っていたゴジラ組も一斉に振り向き、惨状を見た「‐」ゴジラは血相を変えて我が子の元に駆け寄った。
当然クール組もこの様子を見ており、疑問符の浮かぶ「VS」ゴジラ・機龍・バランと違い、イシュタルのチョコの威力を知るラゴス・ゴジラと、被害に遭った事のあるスペースの顔はひどく青ざめていた。



ラゴス・ゴジラ&スペース「「・・・」」
機龍「これは一体どういう事だ?事故でも起こったのか?」
「‐」バラン『単なる事故なら、まだ良かった様だがな・・・』



チャイルドに駆け寄った「‐」ゴジラは、チャイルドを両手で抱えながら何度もチャイルドの体を揺すり、チャイルドの意識を取り戻そうとする。



「‐」ゴジラ『チャイルド!目をさませ!さましてくれ!』
チャイルド『・・・とう、ちゃん・・・』
「‐」ゴジラ『あぁっ、よかった・・・このままお前が起きなかったら、おれ・・・!』
チャイルド『だいじょぶ、だよ・・・ちょっと、おはなばたけにいってただけ・・・』
シン「そっ、そうねぇ。きっと、それだけイシュのチョコが凄かったのねぇ~。」


ラゴス・ゴジラ&スペース――・・・それは、別の意味でだと思う・・・



苦しみ紛れのシンのフォローに、心の中で突っ込むラゴス・ゴジラとスペース。
間近でその様子を見ていたJr.は、もし自分がチョコを食べていたら・・・と想像していた。



Jr.――・・・チャイルドには悪いけど・・・お陰で命拾い出来たよ、俺・・・


レオ「あの話の続きって、きっとこうなってたんですね・・・」
「‐」モスラ『イシュタルちゃんのチョコを食べたお相手がどうなったのか、気になりますわ・・・』



絶句するレオと「‐」モスラをよそに、シンはイシュタルに向かって小声で何かを呟く。
そしてそれを、ラゴス・ゴジラとスペースは聞き逃さなかった。



シン「もー、駄目じゃない。それはゴジラとスペゴジにあげる予定だったチョコでしょ?」
イシュタル「あっ、そうだった。」
ラゴス・ゴジラ&スペース「「!?」」
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好釦