ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐
本作を読んで下さり、ありがとうございました。
今回は前解説の通り、2012年の9月にみかんさんから隠しキリ番のリクエストで書き始めました。
が、結局完成まで約5ヶ月かかってしまい、またしても問題作となってしまいました…(汗)
改めて、この場を借りて謝罪致しますm(_ _)m
当初は「「‐」世界での「‐」怪獣と怪獣界の怪獣達の交流」で書き始め、活動範囲も鍵島で終わる短い話にする予定でした。
そこへみかんさんより「志真達との交流」を描く案が出され、今までに無い斬新な作品になると思い、意気揚々と志真達の元へ行く展開を考えました。
ですが、いざ書いてみると志真達と怪獣達の交流場面に苦戦し、結果話が長くなった事も合いまって、完成が遅れた一因となってしまいました…
勿論、案自体は「‐」シリーズだからこそ出来る素晴らしいものですので、僕の技量が足りなかっただけです。
ちなみに今回人間界の面々が不登場なのは、進路に多忙な柳さんを気遣っての措置であり、決して悪意はない事をご了承下さい。
以降もみかんさんより各地での交流のアイデアや設定の提供を頂いたり、ご本人の持ち込みで「怪獣界に残ったスペースの近況」の場面を追加したりしました。
なので冒頭のイシュタルの台詞に出て来るスペースの伝言、及び18ページの怪獣界の場面は一部改変は加えたものの、殆どみかんさんより頂いた文章でして、違う形で「合作」と言えるこれまた斬新な試みが出来たと思います(^-^)b
余談ながら、この時登場するバルグザーダンの咆哮は新規作成ですが、ゲームオリジナル怪獣なので鳴き声が分からない都合、イメージで書いています(汗)
第二弾で存在が触れられ、本作より初登場となったバラゴンについてですが、今回「‐」界が舞台だと言う点と、そろそろ「‐」側の新しい要素が必要だと感じ、以前書いた拍手短編「ぼくのたんじょうび」にてバラゴンを喋らせていた事を思い出し、それを元に新たな「‐」レギュラー怪獣の人間体キャラクターとして考案、登場させました。
キャラ造形のイメージとしてはポケモンDPシリーズのジムリーダー・ヒョウタで、髪型は角をイメージして一時期流行したベッカムヘアーからソフトモヒカンに、髪型・軽い口調・雰囲気・低い身長とのギャップを意識して顔は端正なイケメンとしました。
彼自体の設定は「ゴジラ5・5」での描写に準じていますが、疑り深い点は特にありませんね(汗)
書いてみて割と面白かったキャラなので、次作以降も機会があれば出していきたいと考えています。
ストーリー全体については、「貧乏くじ役を設けない」事と「シリアスにし過ぎない」事、それから「「‐」ゴジラ・バランを目立たせる」点を心掛けました。
当初は「「‐」バランが僧バランにきつく当たり、「‐」ゴジラと喧嘩になる」と言う場面を考えていましたが、貧乏くじ役とシリアス要素の撤廃の都合でカットし、僧バランとはあくまで「馬が合わない」くらいの描写に留めました。
ただ、シリアス要素については後々みかんさんから聞いたラゴス・ゴジラが幼獣期に地球に行った時の出来事を取り入れたり、瞬との「正義」に対するやりとりがあるので、撤廃は出来ませんでしたが・・・
「‐」ゴジラ・バランの主役化は出来たかどうか不透明ですが、過去作の「‐」モスラ並みには目立てたと思いますし、人間との交流がテーマの本作において違う形で話の中心になれたかと。
各地での交流の流れについては、志真と「‐」ゴジラ達編は「初めて都会にやってきた地方の人達」のようなイメージで、瞬と「‐」バラン、ラゴス・ゴジラ編は他とは違う一捻りした構成に、遥とモスラ姉妹編は「モスラ姉妹のコーナー・番外編」と言う感じで書きました。
また、各編には志真達以外の彼らに近い人間キャラも出すようにし、瞬は弟子の東・西、遥は祖母の佳奈他、そして志真はデスク・日下…ではなく、彼の同僚であり貴重な「‐」シリーズの女性キャラ、潤さんを大抜擢しましたf^_^;
名前の無いモブキャラから、段々と設定や出番が増えてサブキャラとなった点は、奇しくも「けいおん!」に登場する同じ「じゅん(純)」に通じる所がありますね…(笑)
擬人化から「‐」ゴジラ達の正体を導く辺りは、「‐」シリーズらしい良い発想を思い付いたと、自負していたりします。
それ以外にも、人類の悪と正義を各キャラの思想と言動、交通事故に絡めて描いた瞬編、普通のガールズトークに見せかけて、怪獣界における人類と怪獣の共存への希望を描いた遥編もどうにかまとめる事が出来ましたし、志真編は違う世界の怪獣と絡ませる事で「‐」シリーズ全体のテーマである「怪獣と人間の絆」を、更に掘り下げられたと思います。
オチも過去作はギャグで終わっていますが、今回は「‐」シリーズの作品である事も意識し、「‐」怪獣達と志真達の対応した独白で終わりました。
あと、ラストで何気に「‐」ゴジラの正体に触れた台詞がありますが、謎明かしは「‐」シリーズ最終作にしたいので、ここでは詳しく触れません。
ただ、「‐」ゴジラの精神年齢が何故低いのか、何故人間を好きでいるのかは、なんとなく分かるかと思います。
入れるかどうかも最初は悩んだものの、いい加減少しは謎明かしをした方がいいと思い、入れる事にしました。
本作のイメージソングとして、「バトルスピリッツ 烈火魂(バーニングソウル)」の後期ED「MONSTERS」をイメージしています。
曲自体が「モンスターみたいに振る舞おう」と言うコンセプトなので、怪獣と人間の交流によって認識のズレが色濃く描かれる本作に合っていると思います。
「時代を作るモンスターズ」「綺麗に生きれるほど出来た人間なんていない いつだって足掻いてる姿見せてくれ」等、歌詞も中々合っていたりします。
その他、今回割と多い作中の小ネタについて。
・僧バランのあだ名「法師様」はお察しの方も多いかと思いますが、犬夜叉の弥勒からです。外見とフェミニスト設定から勝手に名付けました(笑)ついでに第三弾番外編でも言っていた「なんとぉーっ!」は弥勒と同じ声である、「ガンダムF91」のシーブックの迷言からです。
・劇中バラゴンが繋げた「なぞのばしょ」と謎の歩数は、シンの「子供ねぇ~。」と合わせたポケモンネタで、「子供ねぇ~。」はアニメ版アイリスの有名な口癖、「なぞのばしょ」はポケモンダイヤモンド・パールの有名なバグで、歩数はそれに関するネタです。
・ラゴス・ゴジラが「ファブリーズ」と聞いて「ファイブディーズ」と言うのは、柳さんが遊戯王5D'sを放送当初「ファブリーズ」と呼んでいた所からです(汗)その後のラゴス・ゴジラの「かっとビング」発言も合わせ、柳さん向けに遊戯王ネタを入れてみました。
・編み物中にイシュタルが口ずさんでいる歌は、ダガーラ繋がりで「モスラ2」の主題歌です。
・瞬が訓練の最後に言う「訓練とは、相手より強くなる事ではない~」は、僕が敬愛するGFW熊坂教官の台詞です。
・シンの「ダチ」発言、及び遥との「友情のシルシ」は分かる人には一発で分かる、仮面ライダーフォーゼネタです。
・バラゴンの台詞に登場する、次の目的地を妙高山にした理由及び、ファロ島の「大いなる魔神」については…解説するまでもないでしょう。
今回は本格的な人間と怪獣の絡みに苦労しましたが、擬人怪獣シリーズとしても、「‐」シリーズとしても意欲的な作品に出来たと思います。
ラストでもう一人のバラン・アンバーにも触れましたし、いつかアンバーの本格的な登場、出来れば他世界のバラン一族が一同に会した話を書いてみたいですね。
ですが、バラゴンと婆羅護吽の出会いも是非描きたいですし、第三弾で触れられたGMMGモスラ親子、もしくはバガンも是非登場させてみたいですし・・・悩み所です。
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