ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐







モスラ姉妹「『「お邪魔しました~!」」」
佳奈他「はい。今日はありがとうねぇ。」



京都では、同じく時間を迎えたモスラ姉妹達が妃羽菜家を出ていた。
モスラ姉妹達による、女性特有の高い声質がまるでハーモニーのように妃羽菜家の玄関に響き、台所で夕飯の準備をしながら返事を返す佳奈他の声も何処か嬉しそうだ。



佳奈他「・・・妖精さん達。またいらっしゃい。」



シン「あ~あっ、もう終わりなんて・・・まだまだ遥に話してない事とか、遥に聞きたい事とかあったのに!」
遥「私も。だけど、約束はちゃんと守らないとね。」
イシュタル「初めて人間の女の子と話してみたけど、すっごく楽しかった!」
フェアリー『ナンダカ、普通ニカイジュウト話シテルノト、変ワラナカッタネ!』
「‐」モスラ『そう、誰かとコミュニケーションを交わすと言う思いに、姿も言葉も関係無いのです。わたくしと遥がそれを証明しますわ。』
シン「ガールズトークは、世界を超えるって事!やっぱり、まずは話してみないと何も分からないわよ。怪獣界もいつまでも人間達と関わりを避けてないで、好きに交流させてくれればいいのになぁー!!」
イシュタル「わたしも、もっといっぱい人間と交流したいから賛成だけど、このしきたりは創造神が決めた事だし・・・」
シン「いつまでもいつまでも、しきたりとか決まりだとか言ってるから駄目なのよ!怪獣も人間も変わりないのに・・・」
遥「・・・異文化交流って、いつの時も大変なの。今こそ世界中の人達がお互いの人種の事を知ってるけど、そうなる前は混乱や争いもあったし、私は小さい頃にモスラと会った『特別』な立場だからシンもイシュタルもフェアリーも受け入れられるけど、それ以外の人達が受け入れられるかどうかは、分からないわ。」
フェアリー『ソウナノ?ニンゲンッテ、ムズカシイナ・・・』
遥「そう、難しい生き物なんだ。人間って。だけど、一度理解すればすぐに受け入れられるのも人間なの。だから、シン。あなたは何万年も生きられるのだから、時間を掛けてゆっくり交流したらいいと、私は思うな。」
「‐」モスラ『人間は世代交代を重ねる生き物です。この世代で無理だったら、次の世代で。その世代が興味を持ってくれたら、また次の世代に。いつか必ず、わたくし達怪獣と対等になれる時は来ますわ。ですから今は焦らずに。』
シン「・・・そうね。言葉とか意見とかを相手に押し付けちゃ、それはもうコミュニケーションじゃないわね。愛と平和を守るモスラ一族がそんな事をするわけにはいかないわ。」
イシュタル「母さん。たとえ何百年かかってもいいから、これから1人でも多く人間と仲良くなろうね!わたしも手伝うし、頑張るから!」
フェアリー『フェアリモ、オウエンシテルヨ!』
シン「イシュ、フェアリ、それにモスラに遥!ほんとありがと~!あたし、絶対人間の友達を百人作って、怪獣界の怪獣達に紹介する!!ってわけで、あたしの人間友達の1人目の、妃羽菜遥さん!あたしと『ダチ』になって!」
遥「・・・よろこんで!」



差し出されたシンの手を、ゆっくりと遥は掴む。
初めて人間の友達が出来たシンの表情はとても晴れやかであり、それに遥は柔らかな微笑みで返す。
繋がれた2人の手は、まさに種族の違いを超えて生まれた「友情のシルシ」であった。



「‐」モスラ『「ダチ」だなんて不良みたいですわよ、シン。ですがこうして、絆は紡がれていくのですわね・・・』
イシュタル「ねぇねぇ遥、次はわたしと握手して!」
フェアリー『フェアリモヤルヤル~!』
シン「え~っ、あたしもっと遥と手繋ぎたーい!」
遥「ちょ、ちょっと待って。じゃあ空いてる左手で・・・」
「‐」モスラ『もう、そんなに皆さんで遥を困らせてはいけませんわよ。レディは慎ましく、ですわ。』
遥「でもそう言うモスラも、結構積極的だったりするよ?」
「‐」モスラ『そ、それは好きな事に全力になっているだけですわ。遥もそうではなくって?』
遥「ふふっ、そうだね。」



遥と守護神(モスラ)達との一時は、こうして終わったのだった。



遥「私、今日はみんなに会えて良かった。別の世界で姿も違うけど、同じ『モスラ』がいて、こうして話をしてる。それだけで私はとっても嬉しく思うの。」
「‐」モスラ『わたくしも同じ気持ちですわ、遥。』
遥「シン、イシュタル、フェアリー。また私達の世界に、この家に来てね。私はいつでも待ってるから。」
シン「当然っ!!」
イシュタル「モスラ姉妹はもっといっぱいいるから、みんな遥に会わせたい!」
シン「絶対無敵最強可憐美女姉妹、今度は妃羽菜家に集合よっ!」
フェアリー『イツ聞イテモ長イナァ・・・アッ、フェアリモゼッタイマタ来ルカラネ~!』
「‐」モスラ『わたくし達も、貴女と言う存在に出会えた事に感謝しておりますわ。これからもモスラ一族を、宜しくお願い致します。』
遥「うんっ!」
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好釦