志真「次は何を話そうか・・・って、お前ら時間は大丈夫なのか？」
ラドン「あっ！皆さん、もうすぐバラゴンさんが迎えに来ますよ！」
僧バラン「時間切れ(タイムアップ)、か・・・」



そして、怪獣達の都会見学が終わる時が来た。






女の子「ありがとう、お兄ちゃん！じゃあね～！」
ラゴス・ゴジラ「ああ！次遊ぶ時は、場所に気をつけろよな～！」



瞬、「‐」バラン、ラゴス・ゴジラ達の方は女の子と別れ、最後の会話をしている所だった。



ラゴス・ゴジラ「・・・それにしても、さっきの瞬とバランは凄かったな～！あの人間、捕まる最後までビビってたぜ。」
「‐」バラン『悪しきを正す。当然の事だ。』
瞬「ああ言う考えの無い連中には同じ事を繰り返さないよう、灸を据える必要があるからな。だが、お前には人間の汚い姿を見せてしまった・・・申し訳無く思う。」
ラゴス・ゴジラ「ううん。人間は色んな人がいるって瞬もバランも言ってたし、あの人間も本気で反省してたから、きっともうやらないって。それに、そう言う瞬だってあの女の子を助ける為に、体が勝手に動いてたじゃんか。」
「‐」バラン『シュンもラゴスも、見ず知らずのニンゲンを救助しようと思った。其の思いは同じだと私は考える。』
ラゴス・ゴジラ「オレ、瞬って人間嫌いなバランが信頼してるくらいだから、凄い人間なんだろうなって思ってて、こうして話したりしてやっぱり本当なんだなって思ったんだ。チャイルドパパに酷い事したって言ってたけど、それを話した時の瞬は本気で後悔してたし、今は仲良しなんだろ？チャイルドパパからも瞬は嫌いだって聞いてないし、いいじゃんか！」
「‐」バラン『ニンゲンもカイジュウも、感情や人格が多彩で在る故に、過ちを犯す。かと言う私も其の一員・・・自身の復讐の為に、罪無きニンゲンや静止しようと立ち塞がったゴジラを何度も傷付けた。悔い改め、二度と繰り返さ無いと言う戒めを守る事こそが必須。そしてシュンは其れに遵守する者だからこそ私は御前を認め、ニンゲンを赦そうと考え始めて居るのだ。』
瞬「バラン、それにラゴス・・・」
ラゴス・ゴジラ「まっ、オレは人間を嫌いになんてなってないし、瞬もいい人間だってのは変わってないからさ、気にしないでくれよ。とりあえず、もっとオレと話そうぜ！」
「‐」バラン『否、もう帰還の時間だ。談話する時間は無い。』
ラゴス・ゴジラ「え～っ！もう帰る時間かよ・・・もっと瞬と話したり、人間の世界を見たかったのによ～！」
瞬「・・・また来ればいい。ただ、俺は観光地や案内出来るような場所を知らない。代わりに、お前にも訓練をさせてやる。」
ラゴス・ゴジラ「ほんとか！よっしゃ！これでオレも自衛隊の仲間入りだーー！！」
瞬「ふっ。俺なりの冗談なのだがな・・・」
「‐」バラン『其れだけ彼奴は、純粋無垢と言う事だ。彼奴を見ていると、我々は複雑な場所に生きてしまって居る事が解るな・・・』
瞬「なら、俺達はもっと精進して行かなければな・・・あいつやお前が、人間を見限らないように。」
「‐」バラン『・・・ニンゲンの未来、任せたぞ。シュン。ラゴス、早く行くぞ。』
ラゴス・ゴジラ「分かったよ・・・絶対また来るからさ、約束守ってくれよ！瞬！」
瞬「分かっている。」
ラゴス・ゴジラ「それと、人間って誰かを傷付けたりするけどさ、誰かを助けたりもするし・・・変わった種族だよな。でも、オレは親近感を感じる人間が好きだし、オレが人間なら絶対瞬に憧れてる。だって、瞬って見てるだけでかっこいいって思えるし！オレも瞬を見習って、かっこいい怪獣になれるように頑張る！」
瞬「そうか・・・俺も、お前との出会いは人生の参考になった。お前のような、誰かの為にがむしゃらに行動出来る生き方が出来るよう、尽力してみようと思う。」
ラゴス・ゴジラ「へへっ。」


ラゴス・ゴジラ――オレ・・・あの時思った大人になれたかな。
見てるだけじゃなくて、まず誰かに手を伸ばせる大人になりたい、って。







ラゴス・ゴジラ『・・・ここ、いたいんだね？』
少女『えっ・・・？』
ラゴス・ゴジラ『ちちんぷいぷい！いたいのいたいの～っ！とんでけ～っ！』
少女『い、いたいのなおった！おにいちゃん、ありがとう！』
ラゴス・ゴジラ『えへへ・・・よかった。』






「‐」バラン『私達は在る冪(べき)場所に戻る。また会う日まで、達者でな。シュン。』
瞬「あぁ。」
ラゴス・ゴジラ「じゃあな～！！」



瞬と怪獣との非現実的な触れ合いの時は、こうして終わったのだった。



瞬「・・・待て、どうしてお前達も自衛隊の宿舎に向かっている。」
ラゴス・ゴジラ「えっ？だってオレ達、ここの裏から来たんだけど。」
瞬「なにっ？」