ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐




瞬、「‐」バラン「『待て!』」



するとそこへ、瞬と「‐」バランがラゴス・ゴジラと女の子を守るように、運転手の前に毅然と立ち塞がった。



ラゴス・ゴジラ「お、お前ら・・・」
運転手「なにもんだぁ、てめぇら!!邪魔すんじゃねぇよぉ!!」
瞬「『何処を見ているのか』、それはこちらの台詞だ!」
「‐」バラン『碌(ろく)に前も見えぬ愚かなニンゲン如きが、此の者達に意見出来るとでも思って要るのか!』
運転手「うるせえぇっ!!お前らがやるってんなら・・・」
「‐」バラン『思う儘にすれば良い!然し其の時は、私もシュンも容赦はせんぞ!』
瞬「それに、お前に暴力を振るう必要も無い。その赤くなった表情・・・誰が見ても泥酔しているな。酒気帯び運転で然るべき所に突き出すだけだ。」
運転手「お、俺は酔ってなんてねぇよぉ!」
瞬「それを判断するのも、然るべき場所だ。今連絡してやる、待っていろ。」
運転手「そ、そんな事をさせるとでも・・・!」



酒気帯び運転を指摘されて焦り、運転手は携帯を手にして警察に連絡を入れようとする瞬へ殴り掛かろうとした。
だが、その拳が振るわれる事はなかった。



「‐」バラン『其れ以上近付けば、今度は貴様をクルマの様にして遣るぞ・・・!』



「‐」バランが左手の人差し指を突き出し、運転手を静止したのだ。
指先から発せられる風圧は運転手をアスファルトにへたり込ませ、言葉による威圧と合わせて「‐」バランの台詞が事実である事を、否応無しに運転手に理解させる。



運転手「ひ、ひぃっ・・・!」
瞬「『酒は呑んでも飲まれるな』。お前は自分への甘えから、罪の無い命を奪う所だった・・・!それが分からないなら、二度と車には乗るな!」
「‐」バラン『ニンゲンの面汚しめ・・・!次又同じ過ちを犯してみろ、其の矮小な命は無いと思え!』
瞬・「‐」バラン「『この、愚か者が!!』」
運転手「ゆっ、ゆるしてくださいぃぃぃっ!!」



それ以降、運転手は警察が来るまでの数分の間一切喋らなくなり、警察が来た際はまるで警官に泣きつくかのように罪を認め、おとなしくパトカーに連行されて行ったと言う・・・



ラゴス・ゴジラ「・・・瞬もバランも、何かすげぇ・・・」
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好釦