ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐




ラゴス・ゴジラ「・・・お、おい!二人だけですんごく楽しく話してないで、オレにも話させてくれよ!」



淡々と、だが切れ目無く堅苦しい話を続ける瞬と「‐」バランに対し、傍観者にさせられていたラゴス・ゴジラが行動を起こした。
二人はようやく、ラゴス・ゴジラの存在を思い出す。



「‐」バラン『然うだ、御前も居たのだったな。』
ラゴス・ゴジラ「酷いぞ、バラン!自分勝手な奴は嫌いなんじゃねぇのかよっ!」
瞬「バラン、そいつは何者だ?」
「‐」バラン『此奴は私と一緒に来た、別世界のゴジラだ。』
瞬「別世界のゴジラ?」
ラゴス・ゴジラ「やっと喋れた・・・オレ、ゴジラ・ラゴス・キングって言うんだ!よろしくな!」
瞬「あ、あぁ・・・」
「‐」バラン『時間が無いので掻い摘んでの解説に成るが、私とゴジラ親子・モスラは最近別世界のカイジュウとの交流を持つ様に成った。カイジュウ達が独自の社会を築いている世界と、ニンゲン社会にカイジュウ達が紛れ込んで居る世界の連中だ。そして此奴はカイジュウ社会の在る世界のゴジラで、今日は私達の世界を訪れ、ニンゲン達の社会を観に行こうと言う事に也、御前の元に来たと言う訳だ。』
瞬「・・・つまり、パラレルワールドに生まれたゴジラの同一存在、と言う事か。最近パラレルワールド絡みの出来事が多いな・・・」
ラゴス・ゴジラ「まっ、とりあえずオレとも話そうぜ!まずは・・・オレもあんたの訓練を見てたけど、すげぇかっこよかった!いつもあんな事してんのか?」
瞬「そう、だな。週末を除いて訓練はほぼ行っている。」
ラゴス・ゴジラ「じゃあさ、毎日あそこまで鍛えてるって事は、やっぱり人間達の中でも強いんだよな!」
瞬「お前のような怪獣相手では流石に勝てない事が多いが・・・それでも、普通の人間よりは強いだろう。特に精神力に関してはな。」
ラゴス・ゴジラ「んじゃあ、自衛隊じゃない普通の人間ってどんな事してんだ?オレ、人間について全然知らないし、教えてくれよ!」
瞬「そ、それは・・・」



会話と言うより、質問攻めのようなラゴス・ゴジラとの話は10分程続き、終始瞬は答える側に回らされていた。
「‐」バランも人間社会についてそこまで知らない以上、適度に会話に混ざるだけの、今度は自分が傍観者の立場にならざるを得なかった。



ラゴス・ゴジラ「へぇ~っ、遊園地なんて遊び場があるんだな~!オレも行ってみてぇ!」
瞬「俺はまともに行った事は無いが、他の人間はよく行っている・・・と思う。」
ラゴス・ゴジラ「そっか~。人間の世界って、楽しめる所がいっぱいあるんだな!オレの世界が、なんか田舎っぽく見えちゃうな。」
「‐」バラン『御前の世界の事はモスラから伝え聞いた程度の情報だが、自然と共存した場所の方が私は良い様に思える。私も人工物に溢れた都会縒りも、在るが儘(まま)の環境で有る自然の方が過ごすのに良い。」
瞬「・・・そうだ。次は俺から質問させて貰おう。お前が来たその『怪獣だけの世界』に、人間はいないのか?」
ラゴス・ゴジラ「人間ならいるぜ?ただ、オレ達怪獣が住んでる所と遠い所にいるから会う機会なんて無いし、人間の所に行く繋がりはあるけど、みんな人間の所なんて行く必要が無いって言って、行きたがらないし。」
「‐」バラン『此奴の世界のカイジュウは、ニンゲンを「同じ種族同士で争い、自然を破壊する愚かな種族」と認識して要るらしい。』
瞬「・・・やはり、怪獣から見れば人間はそう感じるのだな。」
ラゴス・ゴジラ「けど、オレは違うんだ!オレ、どうしても人間達がそんな種族に思えなくて。人間の所に行く繋がりを作ったのはオレの親父で、オレは顔も知らないけど・・・親父は人間は必ずしも悪影響を与えるだけの存在じゃない、きっと人間と怪獣は共存出来るってみんなに言ってたらしいんだ。だって、人間も怪獣も似てる生き物じゃんか。」
「‐」バラン『・・・』
ラゴス・ゴジラ「なぁ、瞬。教えてくれよ。どうして人間は自分から悪い事をするんだ?人間って、本当は悪い種族なんかじゃないんだよな?ならなんで、同じ人間を傷付けちゃうんだよ?」
瞬「・・・」
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