ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐
妃羽菜家では、編み物大会が中盤に差し掛かっていた。
手馴れた手付きで人形を編んで行くシンと遥、そんな両名に編み方を教えて貰いながら作業を進める「‐」モスラ、黙々と集中しながら人形を編むイシュタル、そんな彼女達の様子を楽しげに見るフェアリー。
最初は綿や糸、布でしかなかった物が、彼女達の頭の中のイメージに従い、段々と何かの形になりつつあった。
イシュタル「う~んっ、と・・・」
「‐」モスラ『あの、糸を留めるにはどうすれば良いのですか?』
遥「それはね、この針をこうして・・・糸をこう結んで・・・はい。」
「‐」モスラ『ありがとう、遥。』
シン「焦らなくていいからね~。編み物はどうしても時間が掛かるんだから。マイペース、マイペース♪」
遥「そうよ。失敗して、怪我したら大変だから。それにしても・・・イシュタル、さっきから黙ってばっかりだね?」
シン「実はイシュ、編み物が苦手なのよね。やる気はあるんだけど、上手くいかないって言うか。」
フェアリー『前ニダガーラッテ怪獣ノ人形ヲ作ッタラ、棒人形ミタイニナッチャッタンダ。』
遥「そう・・・真剣にやってるから、だんまりしてるのね。それなら、邪魔しないようにしなきゃ。」
シン「こう言うとこは、あたしに似なかったのねぇ・・・あっ、モスラ。糸の編み方が雑になってるわよ?」
「‐」モスラ『えっ?・・・あっ!いびつになってしまってますわ・・・』
シン「そこはね、先々前を目指すんじゃなくて、後ろに合わせるみたいに進めて行けば、雑になりにくいわよ。糸を取って・・・よし、もう一回やってみて!」
「‐」モスラ『はい!丁寧にご指導して頂き、本当に感謝致しますわ、遥。シン。しかし、こう言うシンの姿を見ていると、母親なのが分かりますわね。』
シン「ちょっと!あたしはちゃんとしたイシュの母親なんだからね!」
「‐」モスラ『冗談ですわ。さて、わたくしもイシュタルのように頑張りますわよ!』
遥「シンとイシュタルって見た目もあるけど、私もどちらかと言えば友達みたいに見えるな。」
フェアリー『マサニ「トモダチオヤコ」、ダネ!フェアリモソウ思ウナ~。』
遥「そうね。でも、シンって裁縫が本当にすごく上手いなぁ・・・モスラに編み方を教えながら、丁寧に人形を編んで、もう三つ目の人形に入りそう・・・シン、どうやったらそんなに裁縫が上手くなれるの?」
シン「そうねぇ・・・軽く100年はあれば、かな?」
遥「ひゃく、ねん?」
イシュタル「・・・シャラララ、あいのう~たよ♪」
あまりにスケールの大きい冗談に遥が固まった間に、シンは二つ目の人形を作り終え、三つ目の人形を作る準備に入ったのだった。