ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐







志真「・・・それで、俺の所に来たってわけか。」
「‐」ゴジラ『そうなんだ!いつもしまがおれのとこに来てるから、こんどはおれたちがしまのとこに行こうって思ってさ。』



日東新聞本社では、志真が「‐」ゴジラ達を二階の応接室に移動させ、これまでの事情を聞いている所だった。
ここに移動した理由は、人間社会に慣れない怪獣達を極力人の目に入れないようにするのと、彼らからじっくり話を聞ける環境を作る為であり、デスク・日下には現在取材中の記事の参考人に急遽海外から来て貰い、応接室での聞き込みに専念したいと報告しており、他の誰かが入って来る心配は無い。



僧バラン「それにしては、拙僧達と初めて出会った時を除いて、特に混乱している様子は無いな?」
ラドン「人間の姿をしているだけでも信じられないと思いますが、加えて僕とバランは別世界の存在ですし。」
志真「怪獣の姿で来るって思ってたから、人間の姿で来たのに驚いたってだけだな。別世界ネタも、ちょっと前に別世界から来た人の事件に関わった所だし。」
僧バラン「ほう。どうも志真は怪獣絡みの物事に関して、相当な場数を踏んでいるようだな。」
ラドン「しかも、チャイルドパパさんといつも協力しているみたいですし・・・珍しい関係です。」
志真「まぁ、ゴジラについて追ってる内にいつの間にか『怪獣取材の専門家』って言われるようになったし。ゴジラとチャイルドもいつもこいつで話してるから、最後は声って言うか気配で分かったな。」



志真はポケットから金の指輪を取り出し、僧バランとラドンに見せる。
これこそがゴジラとの意志疎通や力を送るだけでなく、二つの異なる存在を繋ぎ、切れる事の無い志真とゴジラの絆の証である勇気の「結晶」だ。



僧バラン「これは・・・?」
志真「『結晶』。これで俺はゴジラと話したり、力を送ったりしてるんだ。たぶん知ってると思うけど、こっちのバランと親しい瞬ってやつと、モスラと親しい遥って子も似たのを持ってるぜ。」
ラドン「こんな道具があるなんて・・・」
僧バラン「まるで、人間との連携を前提とした風情の道具だ。」
志真「こんなの持ってるくらいだから、俺も普通じゃないっていえばそうなるか・・・そういや、そこの法師様は別世界のバランなんだっけか。この世界のバランとも付き合いは浅くないけど、ずいぶん印象が違うな。」
僧バラン「あちらさんからすれば『軽い』らしいが、拙僧も一応は岩屋の神として地球を中心に暮らしているぞ。」
志真「軽いって言うか、あっちの方がガチガチの石頭なだけだって。ゴジラもそう思うだろ?」
「‐」ゴジラ『たしかに。せっかくであえた同じバランなのに、なかよくできないのがおれには分かんねぇな・・・』
志真「人間もそんなもんだけど、バラン一族なんてそうそういないのに、勿体なさすぎだよな~。」
僧バラン「十人十色と言う言葉もある以上、致し方は無い。だが拙僧は時間を掛けてでも、同志と親しくなってみせるぞ!そうだ、志真。そこの棚に置いてある記事を読んでも構わないか?先程から気になって仕方がなくてな・・・」
志真「別にいいぜ。参考になるか分からないけど、是非人間達について知ってくれ。」
僧バラン「かたじけない!では、早速読破するとしよう!まずは・・・な、なんとぉ!?今この世界は2011年!?拙僧の時代から300年は後ではないか!だからあんなにも見覚えのない建物や発展力に違いが・・・」
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好釦