ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐
その頃、茨城県・つくば市の自衛隊本部付近に建つ隊員用の宿舎。
バラゴンの案内でラゴス・ゴジラ、「‐」バランが宿舎裏に上陸した。
バラゴン『到着~。』
ラゴス・ゴジラ「ありがとな、バラゴン!ここが・・・ここが久々の人間の世界!!すっげぇ~っ!!」
「‐」バラン『来都を喜ぶには、不釣り合いの場所だがな。』
ラゴス・ゴジラ「いいじゃん、別に!こうやって人間の所に来れた事が嬉しいんだからな!」
「‐」バラン『単純な理屈だな・・・』
バラゴン『じゃあ、俺っちはまた島に戻りますけど、大丈夫っすか~?』
ラゴス・ゴジラ「あぁ!」
「‐」バラン『問題無い。』
バラゴン『じゃっ、夕方にまた来るっす~。えっと、次は右に200、下に800、上に76、左に18歩と・・・』
ぶつぶつと何かの歩数を呟きながらバラゴンは穴の中に戻って行き、残された二人は宿舎の周囲の探索を始める。
ラゴス・ゴジラ「ちょっと空気はやな感じだけど、見上げた空は一緒なんだな~。」
「‐」バラン『・・・ニンゲンの気配は微かだな。今は不在か。』
ラゴス・ゴジラ「おい、見てみろよ!すっごい速さで走ってるのがあるぜ!」
「‐」バラン『其れは「クルマ」だ。然し、恐らくシュンも此処には不在か・・・ならば、何処に居るのか・・・?』
ラゴス・ゴジラ「じゃあ、あの空を飛んでるでっかいのは!?」
「‐」バラン『「ヒコウキ」だ。シュンはジエイタイを統率する存在・・・其れなら、何処かにジエイタイが集結する場所が在る筈。シュンは其処に居るに違い無い。』
ラゴス・ゴジラ「なぁ、あの人間が持ってるのって分かる?」
「‐」バラン『・・・御前、先程から何をしている・・・少しはシュンの捜索をしろ!ニンゲンの世界など、何時でも体感出来るだろう!』
ラゴス・ゴジラ「えっ?いや、オレはその人間の世界を体感しに来ただけなんだけど?それとも、そんなに瞬って言う人間に会いたいのか?まぁ、本心はうるさいくらいにそう言ってるけど!」
「‐」バラン『お、御前、私の心を窺ったな!?』
ラゴス・ゴジラ「へっ。あんたって、そう言う慌てた顔も出来るじゃんか。あんたとこうやってちゃんと話すの初めてだし、なんか新鮮だな!」
「‐」バラン『・・・五月蝿い。無粋な真似を。』
ラゴス・ゴジラ「勝手に心を読んだのはゴメン。だけどオレ、あんたと知り合えるいい機会だって思ったんだ。あんまり感情を見せないあんたがそんなに気にする瞬って、どんな人間なんだろうなって思って。」
「‐」バラン『ニンゲンの有るべき見本だ。御前も会えば分かる。』
ラゴス・ゴジラ「そっか、じゃあ早く会いに行こうぜ!あんた、目星が付いてるんだろ?案内してくれよ!」
「‐」バラン『・・・全く、都合の良い奴だ。』
あくまで純粋な好奇心で人間社会だけで無く、目の前の相手の事を知ろうとするラゴス・ゴジラと、本心を突かれて取り乱しながらも彼を理解し、平常の表情に戻る「‐」バラン。
二人は宿舎を出ると、瞬のいる自衛隊本部へと向かって行った。
ラゴス・ゴジラ「ところでさ、さっきオレが言ってたのって分かる?」
「‐」バラン『在れは、「ファブリーズ」と言う洗浄の道具だ。』
ラゴス・ゴジラ「ファイブディーズ?」