ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐
志真「・・・ゴジラが、こっちに来る?」
一方、東京・あきる野市の日東新聞本社。
昼食時の休憩の為、屋上にいた志真は「結晶」を通じて「‐」ゴジラの声を聞いた・・・が、その内容は何年も「‐」ゴジラと親交を持っている彼にとっても、あまり信じられるものではなかった。
「‐」ゴジラ――しま!今からチャイルドとか、他のせかいのかいじゅうといっしょに、そっちにむかうからな!
まっててくれよ!
志真「・・・チャイルドと、他の世界の怪獣を連れて?ゴジラ率いる怪獣軍団が大挙して、ほんとに東京へ来る?」
そう、志真には怪獣達の「人間体」の概念がないのだ。
今の彼の頭には、体長何十メートルの大怪獣達が東京に押し寄せ、東京中をパニックに巻き込んでいる光景が浮かんでいる。
志真「・・・まぁ、本当にゴジラや他の怪獣が来たら目撃情報とか警報とかが絶対入るし、それまで待ってるか・・・」
遥「・・・うん。分かったわ。じゃあ私は部屋で待ってるから、着いたら連絡して。」
「‐」モスラ――分かりましたわ。
ちょっとしたサプライズもご用意していますし、すぐに到着致します。
それでは、もうしばらくお待ち下さいませ。
妃羽菜家では、遥が自室で「‐」モスラといつも通りに連絡を取り合っていた。
一応遥は初夢と言う形で「‐」モスラの人間体を見ているものの、基本的に「フェアリー」体で遭遇している為、今日も遥はこの姿で来ていると思っている。
遥「プライベートでモスラと会うのって、久しぶりかな?退屈そうにしてるから、楽しい時間にしないと。でも、モスラが言ってた『サプライズ』ってなんだろ・・・?」
瞬「これより、訓練を始める!」
しかし、瞬の方はと言うとちょうど昼の訓練を始めた所であり、「結晶」の入った軍服を更衣室に置いて来ている都合で、「‐」バランの連絡に気付く事は無かった。
バラゴン『さっ、到着だよ~。』
しばらくして、日東新聞社の隣にある更地に「‐」ゴジラ一行が到着した。
ラドン「す・・・すごすぎる・・・!これが、別の世界の地球なの!?」
「‐」ゴジラ『あぁ、そうだぜ。でもこれが、にんげんのせかい・・・いつもすどおりするか、かいじゅうの体でたたかってるから、よく見たことないけど・・・すごいな。』
僧バラン「江戸に出向くのは久々だが、ここの江戸はもはや別世界な程に発展しているな・・・人間の繁栄力を現しているかのようだ。」
チャイルド『ぼくもとうちゃんをたすけにちょっとだけいったけど、やっぱりおっきいね~。』
ラドン「そうなの?お父さんを助けに行くなんて、チャイルドは本当に凄いね~。」
チャイルド『えへへ、でしょ~?』
バラゴン『じゃあ俺っち、他の怪獣さんの案内があるから、島に戻るな~。』
「‐」ゴジラ『ありがとな、バラゴン。じゃっ。』
チャイルド『またね~!』
バラゴンは再び穴の中に入って行き、残された怪獣達は人間が作り上げたコンクリートジャングルを見渡す。
ラドン――確かに、凄い・・・僕達の世界の地球と比べても、色んな技術が違いすぎる。
別の星に来たみたいに感じるよ。
でも緑や自然は全く無いし、空気悪すぎ・・・
人間って、こんな所で暮らしているんだなぁ。
「‐」ゴジラ『ラドン、行くぞ?』
ラドン「は、はい。」
僧バラン「目的地は『日東新聞』だったな。しかし、この複雑な地形での探し物は難儀するやもしれん。あそこのおなごにでも聞いて・・・あっ、あった。」
「‐」ゴジラ『ほんとか!?』
僧バラン「この空き地の隣にある、あの建物だ。全く、呆れる程に用意が過ぎるぞ。バラゴンめ。」
チャイルド『じゃあ、はやくいこっ!しまにいちゃんにあいたい!』
「‐」ゴジラ『あぁ。行こうか。』