僧バラン「シン親子の言う通り、拙僧も人間達には親近感を感じずにはいられない。だからこそ、神として滞在しているのだからな・・・そうだ、ジパング！今から拙僧達も、人間達の元へ行ってみてはどうだろう？」
ラドン「えっ、人間の所に！？」
僧バラン「拙僧達はまだまだ、人間について知らない。ならもっと、人間について理解してみようではないか！愚かだと思うもよし、人間っていいなと思うもよし。別世界の人間から、また違うものを得られるかもしれんからな。」
ラゴス・ゴジラ「オレ、超賛成！！地球ってちっちゃい頃にアニキの厳しい目を盗んでちょっとだけ行ったっきりだし、気になり過ぎるって！」
ラドン「でも、掟がある以上は深入りし過ぎない方が・・・」
僧バラン「お主も先程言ったではないか、ラドン。『チャイルドが憧れる人間がいる』と。天下無敵の怪獣が憧れている人間だぞ？気にはならないか？それに、ここにいる怪獣達が掟を破ってしまう程に、悪影響を受ける連中だと思うか？」
ラドン「た、確かにそうだけど・・・」
「‐」ゴジラ『ラドンも、しまに会ってみてくれよ！しま、いいにんげんだからさ！』
チャイルド『ぼくもいく～！らどんにいちゃんもいっしょにいこうよ～？』
ラドン「・・・うん。僕も一緒に行くよ。チャイルド。」
チャイルド『わぁ～い！』
「‐」モスラ『流石は法師様ですわね。わたくしも人間については常に興味がありますし、これを機に人間社会へ赴こうではありませんか！』
シン「はいは～い！あたしもと～ぜんっ！行くわ！！イシュもフェアリーも、一緒に行くでしょ？」
イシュタル「うん！わたし、ちゃんと人間と話した事が無いからすっごく気になる！」
フェアリー『モチロン！フェアリモ、シントイシュタルトイッショダヨ！』
「‐」モスラ『それなら是非、遥の所に行きましょう。シンもイシュタルもフェアリーも、遥と会えば人間の素晴らしさが分かりますわ。』
シン「そうねっ☆あたしも、その遥に会いたいし！じゃあ、けって～いっ！！」



「‐」バラン『何を言うかと思えば、下らん。私は行かんぞ。』
僧バラン「いや、お主にこそ行って貰うぞ、同志。」
「‐」バラン『何っ？』
僧バラン「お主の様子を察するに、人間達を守る立場でありながら人間を嫌っている。理由はあるのだろうが、いつまでも意固地ではいかん！」
「‐」バラン『何度言えば分かる、私は・・・！』
僧バラン「お主にもいるのだろう？信頼している人間が。そしてお主にもあるのだろう？人間を信じようとする気持ちが。相手の事を理解するには、相手の事を知る必要は必ずあるのだ。相手を理解しようとする思いがありながら、保留にし続けるなど許されんぞ！」
「‐」バラン『・・・！』
僧バラン「余計なお世話と罵られようと構わない。だが、お主が人の上に立つ神だったのならば、お主が岩屋の地が無き今なお『バラダギの神』であるのならば、己の下にいる者共にもっと構ってやるんだ。それが神道であると、拙僧は思う。」
「‐」バラン『・・・口だけは達者な分際め。だが・・・今日だけだぞ。』
僧バラン「それは良かった！やっと意見が合ったな、同志よ。」


「‐」モスラ――・・・あのお堅いバランを同意させるなんて。
法師様もやはり同じ、固い意志を持つ「バラン」の一族ですのね。