ゴジラ7・7‐怪獣軍団、都会へ行く!‐







それから、「バラゴン探検隊」の先導による鍵島巡りが始まった。
山岳地帯に到着するや、小石が転がって来る崖を指差しながら各々に叫ぶ、バラゴン探検隊一同。



バラゴン『我らバラゴン探検隊、山岳に到着っ!あっ!我々めがけて岩が転がって来ます!』
ラドン「我々を狙っています!危険です!」
チャイルド『はやくよけないと!』
フェアリー『カイヒ~!カイヒ~!』



「‐」バラン『何だ?あの三文芝居は。』
シン「そんなの、探検隊ごっこに決まってるじゃない?いつも通りだけどつれないわね~。」
「‐」モスラ『子供相手にそれは手厳しすぎる言葉ですわよ、バラン。』
「‐」ゴジラ『チャイルド、ラドンとフェアリーがいるから、バラゴンと二人であそんでる時よりたのしそうだな。』
ラゴス・ゴジラ「チャイルドもここに来るのか?色んな所に穴があるからバラゴンは分かるけどさ。」
「‐」ゴジラ『ああ。「しゅぎょう」のためによくここに来てるし、バラゴンともここであそんでるぜ。』
イシュタル「そうなんだ・・・チャイルドは砂浜とか林で遊んでいそうだから、意外だね。」
「‐」ゴジラ『あの先にみずうみがあって、よくそこでもあそんでるけどな。またあんないするよ。』
僧バラン「どことなく、林と合わせて岩屋の地に似ているな、同志よ。」
「‐」バラン『違うな。イワヤは此処より静寂で、厳かな地だ。だから御前は軽いのだ。』
僧バラン「むっ・・・」






バラゴン『さ~て、我々の先に次は謎の湖が見えて来たぞ!あの中には、何がいるのか~?』
チャイルド『いるのか~?』
ラドン「あの中には人間達の間で噂の『ネッシー』がいると思われますが、どうでしょうか!」
フェアリー『ウン!キットイテモオカシクナイ!フェアリハソウ思ウゾ!』



続いて崖を登った先にある湖を指差し、探検隊は未確認生命体についての話を始める。
ちなみに湖までは安全な回り道があるのだが、空を飛べるモスラ三人組は崖を飛び越え、探検隊より先に湖のほとりにいた。



シン「この島にこんな場所があったなんて、意外ね?」
イシュタル「水も草も、いい状態。アッシリ湖にも負けないくらい綺麗な湖だね。」
「‐」モスラ『人間が来ない所ですから、きっと手つかずのままの自然が残っているのですわね。』



「‐」ゴジラ『モスラたち、先に行くなんてひどいや・・・』
ラゴス・ゴジラ「オレも一応飛べるけど、モスラ一族は楽に飛べるからいいよなぁ。そういや、バラン二人も飛べるのになんで一緒に遠回りしてくれたんだ?」
「‐」バラン『自然を感じ乍(ながら)歩みたかった、其れだけだ。』
僧バラン「拙僧は・・・同志と親交を深めたかった、それだけだ。」
「‐」バラン『文脈を被せるな。私を愚弄しているのか?』
僧バラン「ち、違うぞ!これは言葉の文(あや)と言うやつであって・・・」
ラゴス・ゴジラ「・・・なんか、バラン同士はまだまだって感じだな。」
「‐」ゴジラ『おなじバランの「なまか」なのにな・・・』






湖を去り、砂浜へと続く林を進む探検隊。
木々とそれに実る果実以外、特に何も無い場所なのだが、探検隊にとっては立派なダンジョンだ。



バラゴン『我々探検隊は、うっそうとした林に突入~!我々は、生きて帰る事が出来るのか~?』
ラドン「隊長、あそこに何か巨大生物が寝床にしていると思われる怪しい場所を発見しました!」
フェアリー『見ルカラニアヤシクネコロガッテル木ガ、2ホンアルネ!』
チャイルド『みんな、わかるかな~?』



ラゴス・ゴジラ「・・・分かった!幻の生き物、ツチノコの住処だな!!」
イシュタル「ゴジラ、あれってどう見てもチャイルド親子の寝床だよ?この辺りだけ草が生えてないし。」
シン「ゴジラってほんと、子供ねぇ~。」
ラゴス・ゴジラ「う、うるせぇっ!ちょっと間違っただけだろっ!」
「‐」ゴジラ『まぁまぁ、おちつけよ。』
「‐」モスラ『こういう所は、ラゴスらしいですわね。それにしても、あちらのWバランはまだ打ち解けられてないようですが。』



僧バラン「今時、そんなガードの固い言動ではいかんぞ?女の子どころか、男の子も寄って来れないではないか。」
「‐」バラン『不要だ。私は私の流儀を貫徹して居るだけ。誰の指図も受ける義理は無い。』
僧バラン「くっ、内気なおなご以上の鉄壁さか、同志・・・!それでも、拙僧は諦めん!」
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好釦