特撮

23:53
「『あの人』はただ、昔からここにいるだけなの。」
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昨日は日記を書く余裕が無かったのですが、昨日の「超大大大全集2020」と「狭霧の國」上映会、最高の一言しか出てきませんでした・・・!
悔いと言えば、オーナメントのバラン1958ポスターカラーVer.が買えなかった事と、大百科くじでアカボシウスバシロチョウのオーナメントが手に入らなかったくらいで、「狭霧の國」本編もサイン会もトークライブも、「大怪獣バラン」も「獣人雪男」も良かったです・・・
ただ、レポート・・・にするには事柄が極端なので、今回はひとまず「狭霧の國」でのトークライブの内容のメモを、そのまま掲載しようと思います。
今回はだいぶ間近の席だった都合、メモ取りは見た目からして失礼だと思ったので、イベントが終わってから思い出した内容を箇条書きしたものであり、内容が一部異なる内容があるかもしれません。予めご了承下さい。
また、画集の「その他」にサイン会参加条件であるグッズと、村瀬継蔵氏からのサインの写真をアップしました。
僕が村瀬氏から何にサインして頂いたのかは・・・見てからのお楽しみと言う事で。
今から書くメモと写真をご覧になって下されば、記念碑的な昨日のイベントの素晴らしさを少しでも感じられると思います・・・!






※「狭霧の國」トーク内容

・「狭霧の國」以前の佐藤監督は「GMK」でさつまを吐き出すゴジラのギニョールや「GFW」、「ウルトラマンマックス」のゲロンガや「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」のガッツ星人、「勇者ガメラ」のジーダスのスーツ製作に関わり、「原子怪獣現る」の原作であるレイ・ブラッドベリの「霧笛」の自主製作ファンムービーを製作して以降は、海外を点々としていた。
・2015年に「霧笛」ファンムービーをイギリスのイベントで上映したのが、「狭霧の國」製作のきっかけ。その後「Japan Expo 2017」で展示スペースを貰えたが、人形一体とネブラの頭部しか無いのにかなり大きめのスペースだったので、かつてお世話になった村瀬氏にネブラの全体像の製作を依頼すると、村瀬氏がちゃんとしたスーツを作ろうと言って来てくれたので、造型の松本さんと乗っかる形でスーツ製作となった。
・ネブラのスーツは村瀬氏が昔と同じ製法で作る事を意識し、尾の作り方はキンゴジとほとんど同じで、背中の植物は実際の植物を付けており、これは「超人バロム・1」のトゲゲルゲと同じやり方。
・素材もなるべく昔と同じにしたかったので、佐藤監督と一緒に浅草など様々な所を回った。本当ならネブラの首はチタノザウルスと同じ作りにしたかったが、予算の都合で断念した。
・「製法も、中の人(スーツアクター)の苦労も、昔と変わってないねぇ(笑)(村瀬氏)。」
・着ぐるみにこだわったのは、「GAMERA2015」やシンゴジを見た海外の人から何故CGなんだ?と言う意見が割と多く、着ぐるみ特撮が望まれていると感じ、CGがメインになった中であえてアナログな手作りでチャレンジしたいと思ったから。
・ネブラを四足体型にしたのは、最近の商業怪獣がどうしても二足体型が多いと感じた為。四足でもかっこよく出来る事を示したかった。
・「ネブラ」の名前の由来はラテン語で「霧」を意味する「ネビュラ」から。「天乃狭霧(アメノサギリ)」だと言いにくい・覚えにくいと海外の子供から言われたので、覚えやすくて最後に「ラ」が付く「ネブラ(ネビュラ)」にした。
・ネブラは盲目。劇中でも「音」をきっかけにしか動いていない。「体が大きい」「異人との子」を理由に人間のエゴで迫害される者同士として、多紀理とリンクさせたかった。
・ネブラが霧の時にしか姿を現さないのは、盲目の人は霧の中にいた方が周りのものを把握しやすくなる、と言う論文があったから。
・人物を人形で表現したのは、小規模の作品なので俳優を使うと色々な制約や拘束の必要があり、自由に出来る人形の方が都合が良かったのと、「生身の人間と作り物の怪獣」との対比ではどうしても違いから出る嘘っぽさがあるので、両方作り物にしたらその作品の中でリアルとして成立するのでは、と言う考え。
・時代設定を明治42年にしたのは、日本人にとって18~19世紀の外国がファンタジーのように思えるように、外国人にとって19世紀初頭の日本はファンタジーのように見えるだろうと言う考えからで、栄二の服が比較的現代の服に近いのは現代人である観客と同じ目線となる役目だから。
・舞台を大分県の竹田市にしたのは、昔住んでいたから。やや閉鎖的で、何が起こってもおかしくなく、自衛隊がすぐ来れない場所。
・現代が舞台でなくて自衛隊や超兵器等が無い状況、「特撮映画の当たり前」があまり無くても怪獣映画は出来るのではないか、と言うのを試してみたかった。花火での攻撃は、明治42年の地方の村での最大級の対処法。
・「竹田の子守歌」は「翼をください」がエヴァで使われてしまったのもあって、いつか使いたいと思っていた。劇中で多紀理が口ずさんでいるのはこれの原曲。ちなみにここで言う「竹田」は大分ではなく京都の方であり、京都で上映されるのは何かの縁を感じる。
・製作期間は11ヶ月。製作準備中に子供が生まれ、平日は子供が寝てから準備作業を進め、休日は奥方に子供を任せて準備作業を進めていた間が一番辛い経験だった。
・エンドロールのキャスト欄の通り、村瀬氏が劇中でゲスト出演している。人形も村瀬氏の顔から型取りしており、最初はもっと厳つい感じにする予定だったが、村瀬氏の優しい人柄が出たと思ってそのままにした。



※「大怪獣バラン」トーク内容

・バランの棘を透明のゴムホースにしようと思ったのは、通りすがりに透明のゴムホースで水を巻いている人の様子を見たから。切れ目の穴が見えないよう、ゴムホースの中に刷りガラスを入れていて、ホースの曲がりに合わせてカットしている。
・佐藤監督曰く、普通に切っても切れたゴムホースにしか見えず、自分もジーダスの棘で同じ作り方をしたら中々上手く出来なかったので、本物の棘にしか見えないように切っているのは本当に凄い事。
・表皮の落花生は、円谷監督が差し入れで持って来た50個くらいのものを、4~5倍に拡大して使った。円谷監督は最初こんなのを使うのか?とあまり乗る気で無かったが、着ぐるみが完成してからはゴムホースの棘と共にアイデアを褒めてくれた。
・バランの着ぐるみは構造上背中から水が逃げて行くようになっており、序盤の湖での撮影をした時に中島氏が着ぐるみの中が水で一杯にならないから良い、と絶賛していた。






あと、今回のイベントをこれだけで終わらせたくないと言う思いもありますので、もしかしたらレポート短編を書くかもしれません。
その時は本人含めて、バランに関わる全ての婆羅陀魏キャラを集結させたいと思っていますが、書かないかもしれませんので、一応覚えて下さっていればと。
最後に・・・ 昨日のイベントに参加した全ての皆様に、感謝の言葉を!
本当に、本当にありがとうございました!
そして全てのバランファンに、これからも幸あらん事を・・・!!
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好釦