小説

16:07
「バッ、バッ、バラガミバラガミ~♪」
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ゴジラフェスまであと、一週間になりました。
始めてのゴジラフェスに、約5年半振りの東京・・・今は緊張半分、ワクワク半分と言う感じです。
フェスの情報も色々出て来ていますが、今はひとまず散財し過ぎないように計画的な資金運営を考えなければ・・・!



ここからは本題です。
今日・・・と言うより実は一週間前から暫定的に公開しているのですが、ABJDSに10周年記念作品第二弾として「シンボル・モンスター」を公開しました。
詳細は同ブックの解説を見て頂きたいのですが、要は5周年記念作品として制作する予定だった「バラガミ」をモンスターさん・Aさんの作品と合わせて本来の形で公開したと言う事で、10周年記念作品第二弾としているのは「5周年記念作品としてだけで公開したら、他の人が混乱するのでは?」と言う母からの意見を取り入れた結果です。
当サイト公開版(モノクロ版)とは色々異なる「総天然色版」として公開した「バラガミ」もですが、お二方の作品もそれぞれ作風の違いと読み応えのある作品なので、是非ご覧下さい!
僕が「シンボル・モンスター」として公開したのも、お二方の力作をどうにか表に出したかった・・・と言うのもありますので。



そう言うわけで、ここからは「バラガミ」の当サイト公開版(モノクロ版)とABJDS公開版(総天然色版)の違いや、裏話を色々話して行こうと思います。
出来れば、両方お読みになってからご覧下さい。










さて、両方お読みになって下さった方はお分かりになったかと思いますが、モノクロ版と総天然色の最大の違いは「色」の有無です。
本作は一人称で進む小説なので、誰の独白文なのかが分かりにくいと言う点の解消と、「シンボル・モンスター」の他二作品との差別化、そして感覚的に読んで頂く為に、各人物ごとの色分けを試してみました。
サイト公開版で色を付けていないのは、「依頼物置場」の背景色がグレーなので色によっては見にくくなってしまう事と、あくまでアブジェ5周年記念に製作した作品なので、アブジェ公開版を本来のバージョンと位置づけたい意向もあって、あえて当サイト公開版は色を使わない「モノクロ」版としました。
なお、色分けによるタグの多用からそれぞれページ総量及び1ページごとの文字数も変えているので、ほとんど文章は同じですが読んだ感覚は違うと思います。
真が道真になる瞬間や、語り部がさくらだったと言う最後のサプライズがダイレクトに伝えられたのは「色」あっての事だと思いますし、この辺りは色を付けて成功した所かと自負しています。



以上が注意書きでの「演出」の違いで、次は「設定」の違いについて。
サイト公開版は他作品と関連の無い、独立した小説としていますが、アブジェ公開版は「Next「G」」と同じ世界での出来事としています。
一応は「Next「G」」を読んでいなくても支障の無い、裏設定として繋がっている番外編レベルで、あくまでこの話単体で成立する物語とする為に、アブジェ公開版でもオリハルコンに触れるくらいに留めています。
どちらかと言えば、本作の執筆完了後にさくらと真を出そうと決めた10周年記念作品「「G」が導く未来~「GODZILLA」VS of FINAL~」との繋がりが多く、アブジェ記念作品同士でハイパーリンクしてみるのも面白いかと思って、あちらにもカメオ出演させてみました。
「バラガミ」のその先を間接的に描くと言う意味でも、僕の小説シリーズ作品においてあって「Next「G」」では無かった、「バラン」と「関西弁」の要素を補う形にもなったかな・・・と思います。
代わりに、バランを求めて登場させる予定だった志真・寺沢健一郎・新キャラで関西出身の小沢芽留の弟の出番が無くなりましたが・・・f^_^
サイト公開版では独立した話とする為、バランの現出時の姿は最初から怪獣だった設定にしてオリハルコンについての記述を削除し、代わりに京都の地の力「パワースポット」で甦った事としている他、バランに対してのお梅・菅原道真の台詞も変更しています。
バランが福岡を襲おうとしたのも、アブジェ公開版ではオリハルコンの悪意に影響されての設定としていますが、サイト公開版では悪意に関係なく最初から福岡襲撃を考えていた過激派としていて、この辺りの文章も変えています。






それから、文字数の都合で設定はありながらカットした、両バージョン共通の裏話・設定を書いていきます。
読んだ皆様のご想像にお任せしようとも思ったのですが、やはりちゃんと解説したいと思いまして。






・さくら、真のキャラ造形は何かのキャラを元にしない(引っ張られない)、作品や立ち位置に合ったキャラとして考えましたので、特にモデルはありません。
ただ・・・近いと言うか、いつもの無意識でイメージしていたかもしれないのは、「たまこまーけっと」のたまこともち蔵です。
逆にお梅はあからさまに、ポケモンXYのマーシュさんをイメージしました。外見描写や京言葉などがかなり露骨なので、もしかしたら分かった方もいらっしゃるかもしれません。
それと一応言いますと、バランのキャラ及び人間体の姿は、「‐」シリーズ関連の擬人化短編や擬人怪獣シリーズでのバランと寸分の狂いも無く同じです(汗)


・最初はお梅ポジション(飛梅)が主人公の予定だった。
本編中でやたらお梅が目立っているのは、この名残です。


・さくらが何度もフルネームで名乗るのは、名字の「嵯峨野」がどう読むか分からない、とよく言われるからと言う設定。
ちなみにこの「嵯峨野」は劇中でお梅が言及しているように京都にある桜の名所が名前の由来で、9年前に僕もお邪魔した嵯峨芸に行かれていた、柳さんへのリスペクト要素を意識しています。


・日記のタイトルにも使った、桜花神社に向かうさくらが口ずさんでいる歌は、「大怪獣バラン」OPの歌とテンポが同じ。


・福岡が舞台になったのは、アブジェ5周年オフ会が福岡で開催されていた為。
小説に出来そうな福岡に関する神話を母に尋ねた結果、「飛梅」の話が出たのが本作製作のきっかけです。


・バラン同様、お梅も信仰心の低い者には見えない。
真も本編時点では信仰心は高くありませんが、バランは見えなかったのにお梅の事が見えていた理由は後述します。


・バランとお梅は転生しないまま現世に留まり続け、土地神になる程に神格化したので、直接人間に転生したさくらの正体に気付けた。
逆に真は菅原道真の血が薄まった末裔なので、バランは真が道真の転生した姿だとすぐに気づけず、お梅は後述の鏡を持っていたので出会ってすぐ真の正体に気付いている。


・バランとお梅が本気で勝負した場合、純粋な力ではバランが圧倒的に上だが、お梅の神通力も同程度に高いので、勝負としては互角。
ちなみに当初はバランに本当に福岡を破壊させたり、お梅とも更に戦わせる予定でした。


・お梅が持っていた鏡は、菅原道真が持っていた鏡。
真にお梅の姿が見えていたのもこの鏡の力によるもので、道真の使いである牛の要素をこの鏡に一応ながら入れています。


・菅原道真の生まれ変わりである真がバランが見えなかったのは、真自体はただの人間だから。
真が一時的に道真になったのも、道真の魂は子孫の体に移り続ける形で転生しており、お梅の鏡の力によって真の中にあった道真の魂が真に憑依し、表に出たからです。
真から離れた後に道真の魂は天に召されているので、二度と真が道真になる事はありませんが、道真が憑依していた副次効果で真のIQと信仰心は上がっており、さくらと同じ大学に余裕で合格出来たり、お梅とバランが普通に見えるようになっています。


・真の父親の仕事は、太宰府天満宮の神主。
実際に今の太宰府天満宮の神主も、菅原道真の子孫の方がされています。
ちなみに真もいずれは太宰府天満宮の神主になる予定でしたが、京都のさくらの元に行くと決めた時に断っており、道真の魂が天に召されたのもあって、特に家族とは険悪になる事なく家を出ています。







解説は以上です。
ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございましたm(__)m
本作は構想から完成まで5年の差はありますが、バランを中心にしながらも色々な実験や挑戦が出来た作品でした。
ハイパーリンクや転生諸々の設定はあるものの、なるべくシンプルでピュアで過去作に縛られない、童話やおとぎ話のような感じの一作に仕上げられたと思います(最後を「おわり」にしたのもその点を意識しています)。
またこう言った、単発の短編が書いてみたいですね。
82/95ページ
好釦